前回、エンヴィーを連れてシンに帰ることになったメイ。
けれども彼女はエンヴィーの言葉により、中央へ向かうことを決めてしまいます・・。

一方、気になることがあってリオールの町へと出向いたアルとウインリィ。
彼らはそこで、ホーエンハイムと再会します!

この出会いは、彼らに何をもたらすのでしょうかー?!

感想です☆




第81話~ 「バリバリの全開」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

数年ぶりに再会したアルとホーエンハイムー
彼らの間には、気まずい沈黙が漂った・・。

そこへ、町の人間が手伝ってほしいことがある、とホーエンハイムの元へやってくる。
ホーエンハイムはうなづくと、挨拶も早々にアルたちの元から離れてしまった。

町の人たちは、後からアルがホーエンハイムの息子だと聞いて驚く。
久しぶりに会ったのに、放っておいていいのか?
そう尋ねられたホーエンハイムは、気まずそうに笑う。
父親として信用されていないだろうし、何を話せばいいのやら・・。

一方アルは料理人の男と、以前ここに来たときのことを思い出し合っていた。
あの時コーネルに手を出したから、こんなことになってしまったのではないか・・。
アルはリオールの内乱のきっかけを作ってしまったことを謝るが、店主は気にするな、と手を振る。

あんたらは不正を暴いたー少なくともそれは正しいことだと、俺は思っているよ。
彼の言葉に、横にいたロゼもほほ笑みうなづく。
アルは2人の優しさを感じ、立ち上がるー。

僕も町の復興を手伝ってくる!!
彼はそう叫ぶと、ホーエンハイムたちが向かった方向へと走り出すのだった。

ーその様子を見ていたジェルソたちは、自分たちも働くかーと席を立つ。
男手が皆行ってしまったので、ウインリィはどうしようかと悩む。
彼女は目立たないように行動するように、アルに言われていたのだ・・。

すると彼女の手を、ロゼが取った。
彼女は楽しそうに、ウインリィを自宅へと引っ張っていくのだった。

ー逃亡中だから、目立たないようにするー
一行の事情を知ったロゼは、ウインリィに自分の服を貸すことにした。
彼女の家でお風呂を貸してもらったウインリィは、久しぶりの湯舟にゆっくりと身体をほぐす。

ロゼはウインリィに、エドとアルと知り合ったときのことを話した。
それを聞きながらウインリィは、行方不明になっているエドのことを思う・・。

エドは大丈夫だろうか。温かいお風呂には入れているのだろうか・・。
そんなことを考えていると、ロゼがウインリィに尋ねた。
オートメイル技師ということは、エドが立ち上がるための足を作った人ってことよね?

彼女はすごい、と感心しながら、ウインリィは自分の恩人でもあるーと話した。
間接的ではあるが、彼女を立ち上がらせるきっかけを作ってくれたからだ・・。

そこでウインリィは、ロゼが抱えていた事情を知る。
恋人を亡くし、生き返らせるためにレト教にのめりこんだロゼ。
それを怒り奮い立たせてくれたのがエドだったーと彼女は微笑んだ。

彼が怒ってくれて、良かった。自分も町の人たちも、目が覚めたから。
ここで暴動が起こったのも、奇跡があれば暮らしが楽になるなんて信じて、自分たちで考えようとしなかったツケかもしれない。
だから今度は奇跡なんて頼らずに、皆で手を取り合って町を復興させるのー。

自分たちの力で立ち直るのー。
ロゼはそう語り、だからエドとアルには感謝しているのだ、と言った。
あのまま騙され続けていたら、死をも恐れぬ軍団にされていたかもしれないものー・・。


中央ー。
オリヴィエは壁中に陳列された人形たちを眺めた。

軍人の男は、この人の形をした入れ物に人間の魂を定着させ、兵団を作るつもりだーと計画を明かした。
この軍団は人形だから、足がもげても頭が吹き飛んでも自分たちの命令のままに戦う。
死を恐れぬ、最高の兵隊なのだー。

それを聞いたオリヴィエは、1つ質問をする。
定着させる魂は、どこから調達するのですか?
そう問われた軍人の男は、自分たちが踏みにじり、あるいはこれから踏みにじる国民からだーと答える。

戦場は、大量の魂を手に入れる猟場となるのだよー。
男はそう言うと、にやっとどす黒い笑みを浮かべるのだった・・。

その頃ー
上層部では、未だイズミを中央に呼び出すことができずにいた。

彼らは旅行から帰った様子もなく、店の従業員ですら居場所を把握していないという・・。
部下の報告を受けた軍人の男は、御託はいいから何としても連れてこいーと睨みつける。

その断固とした口調に、部下は少し不信感を感じる。
なぜただの主婦をそこまでして探すのですか・・?
彼が思わずそう尋ねると、軍人の男はその質問を一蹴した。
貴様ら下の者は、何も知らなくていいーと・・。

ー同刻、かつてのグリードの部下であったビドーは、中央の地下をさまよっていた。

イズミの店から軍を追ってきた彼は、今では完全に迷子になっていた。
中央の地下通路は複雑だ・・。
彼はきょろきょろと辺りを見回しながら、道を進んでいく。

と、その時ビドーの鼻が何か生臭い匂いを感知した。
上の方からだ・・。
見上げた彼の眼に巨大なキメラの姿がたくさん映り、彼は悲鳴をあげた。

その悲鳴に呼応し、キメラたちも雄たけびをあげる。
だが彼らはビドーの匂いを嗅ぐと、なぜか興味を失い離れていってしまう・・。
命からがら助かったビドーは腰をガクガクさせながら、出口を探して走り出すのだった。

帰りたい!帰りたい!
彼はただひたすらに、出口を探す。
すると今度は、不気味な人形が何体も設置された場所へと出てしまった。

ビドーは再び恐怖に震えながら、出口はどこだ・・と途方に暮れる。
しかしここは、昔自分がキメラにされた実験所に雰囲気が似ているなぁ。
そんなことを考えながらウロウロしていると、奥から足音が近づいてくるのが聞こえた。

その方向に目をやったビドーは、あっと声をあげる。
そこにいたのは、グリードだったのだー。


リオール。
アルはホーエンハイムと共に、廃屋の解体を手伝った。

その作業の中、アルはホーエンハイムにここに来た目的を話す。
アルは以前リオールを訪れたとき、教会の地下に巨大なトンネルがあったのを見ていた。
そのトンネルをもう一度確認しに来た・・。
そう彼が話すと、ホーエンハイムは声を潜め、人目のない所へアルを誘った。

そこで外に出た2人は、これまでのことを語り合った。
ホムンクルスによる国土錬成陣の発動を阻止したいんだー
そう明かしたアルは、ここでホーエンハイムに会えてよかった・・と息をつく。

どうしてだ?
そう怪訝そうに尋ねるホーエンハイムに、アルは中央の地下でホーエンハイムによく似た「お父様」という男に会ったことを話す。
彼が父さんとは無関係だとは思えない。だから父さんに会ったら、その男のことを聞こうと思ってたんだ・・。
それを聞いたホーエンハイムは、じっとアルを見つめる。

いいのか?アルフォンス。
彼は静かな声で尋ねた。
俺があっち側の人間だったら、どうするんだー?

そう指摘されたアルは、思ってもみなかったことにあっと声をあげ目を見張る。
2人の間には、再び気まずい沈黙が訪れる・・。
だが今度はホーエンハイムがふっと笑いを漏らし、その沈黙は破られた。

彼は笑みを見せ、アルの胸を軽く叩く。
俺を信用してくれて、ありがとうな。嬉しいよ。

その言葉に、アルはうん・・!と表情を明るくした。
その顔を見たホーエンハイムは、こんな男でも一応父親と見て信じてくれるのか・・と頭を掻く。

さて・・、俺も息子たちを信じて全て話すか・・。
彼は覚悟を決め、アルを再び見据えた。
話せば長くなるから、エドも呼んでくれないかー?
するとアルは気まずそうに、実は・・と口を開いた。

兄さんは、行方不明なんだ・・。
それを聞いたホーエンハイムは、え?と目を丸くするのだった。


ある街の銀行ー。
窓口に赴いた男は、銀時計を取り出した。

国家錬金術師エドワード・エルリックの研究費口座から、金を引き出したいー。
そう言われた窓口担当の女性は、男の顔を見やる。
その男は、黒髪で強面、ガタイの良い人物だったー。

代理人だという彼にお金を渡すと、銀行の人間たちはすぐに動いた。
男が出ていったのを確認すると、彼らは軍に連絡を入れる。
そして特徴などを、子細に伝えるのだった・・。

街の病院。
お金を持ち帰った男ーダリウスは、医者に治療費を払った。
医者は金額を確かめ、満足そうに受け取る。

治療代は高額だったが、口封じ代も含めると妥当なものだった。
ダリウスとハインケルは礼を言いながら、窓の外を見やる。

病院の前には、軍の人間が何人かいた。
ハインケルがそれを指摘すると、ダリウスは身分証明書の偽造がバレたか、と舌を出す。
話を聞いていた医者は、トラブルは持ち込まないでくれよ!と声をあげた。

ーすぐに、ドアをノックする音がした。
医者がドアを開けると、軍人たちが数人中に入ってきた。
彼らは、人を探しているーと医者に告げる。

病院の中では、ハインケルが患者のふりをして治療を受けていた。
軍人たちは彼の顔は知らないらしく、誰か別の人物を探しているようにきょろきょろする。
彼らは医者に入院施設はあるか?と尋ね、中を見せるように頼んだ。

奥に1人入院している・・。
医者の話を聞いた軍人たちは、すぐに診察室の奥へと向かう。
そして荒々しくドアを開けると、彼らはベッドにいるダリウスと目を合わせた。

・・入院患者はお前だけか?
軍人たちはダリウスをじっと睨むと、お前が銀行にいた男か・・?とその目を細める。
それからダリウスに銃を突きつけると、動かないように命じた。

だがダリウスは、両手をあげて降伏しようとしない。
軍人たちは声を荒げ、診察室にいるハインケルにも警戒する。
ダリウスとハインケルは、手の中でナイフを構え、間合いを謀った。
場の空気が、ぴんと張り詰めるー

その時、病院に向かってくる1人の男がいた。
彼は入り口で見張りをする軍人に、何があったのかを尋ねる。
そして人を探していると聞くと、どんな奴?と首を傾げた。

見張りの軍人は、メモされた探し人の特徴を読み上げる。
特徴は、赤いコートで金髪三つ編みのチビ・・
その瞬間、男は眉をぴくりと動かした。
そしてー軍人を思いっきり殴り飛ばした。

鈍い音が外から響き、中にいた軍人たちは目を見張った。
何が起きた?!
彼らは外を見に行き、見張りの男が気絶しているのを見て驚いた。

誰にやられた?!
1人が見張りの男を抱き起しながら、そう問いただす。
だがその男もー続いて悲鳴をあげた。

・・そして、悲鳴の後は場は一気に静まりかえった。
仲間が皆やられてしまい、残った軍人の男はおどおどしながら入り口とダリウスを交互に見やる。
どうすべきかー彼が逡巡していたその時、彼の背後の壁からオートメイルの腕が飛び出した。

その銀色に光る腕は、男の首を締めあげて気絶させる・・。
そうして全員1人で倒してしまうのを、ダリウスとハインケルはただ呆れながら見守っていた。

あんまり無茶するなよ?まだ体力が戻ってないんだから・・。
彼らがそう注意すると、外から戻ってきた男ーエドは、人を病人扱いするな!と怒鳴る。

もうバリバリの本調子だぜー!!
彼はそう言い、すっかり調子の戻ったオートメイルの拳を鳴らすのだった。




















復活のエド!!


今回はアルがホーエンハイムと再会するなか、病院で治療を受けていたエドが回復した姿を見せた話でした。
なんだかエド、大人っぽくなってません?!
どれくらい時間が経ったのかがよく分かってないんですが、ピンチを乗り越えて引き締まったような・・そんな印象を感じました。

数話開いただけだけど、やっぱり主人公がいないと始まらないですね!
早くアルたちと合流できるのを楽しみにしています!!




さて、まずはアルとホーエンハイムから。
2人のやりとり、ぎこちないながら温かくて、久々にほっこりしました。
こうやって見ると、アルってまだ子供なんだなぁ・・と感じます。
男の子って感じで、可愛かった。

ホーエンハイムも、歩み寄ってくる息子の姿はさぞや可愛かったでしょうね。
自分を無条件に信じてくれる息子・・
家族の絆を、感じられたのではないでしょうか。

ここでホーエンハイムが自分の身の上に起きたことを全て話すことで、アルたちと協力していく態勢が見えてきましたね。
イズミも行方が分からないようですが、恐らくどこかに潜伏しているのでしょう。
着々と計画実行の日に向け、人間側の準備も整ってきています。

そう考えると、人柱候補のマスタングが心配だなぁ。
そろそろホムンクルス側も、何か仕掛けてくるときかもしれませんね。
真理の扉を開かせようとしているということは、誰かが犠牲になるということ・・。
それだけは絶対に避けたい事態です。

やっぱり一番心配なのは、ほぼ人質状態のホークアイかなぁ。
ブラッドレイも使命のためなら平気で手を下しそうだし、セリムも分からないし・・彼女の立場は本当に危うくてハラハラしますね。

どうか何も起きませんように・・。
少しずつ光は見えてきているので、このまま進んでほしいと心から願っています・・。


それにしても、人間というのは強いものだと今回は改めて感じました。
自分たちの弱さを認め、自分たちの力で復興を遂げようとしているリオールの人たち。
ロゼもしっかりと地に足をつけて前を向いていて、もう心配ないな・・と嬉しく感じました。

何度踏みにじられても、人間はこうやって立ち上がるのでしょうね。
その強さは、ホムンクルスにはないものでしょう。

彼らは群れているように見えても、一匹狼ですからね。
手と手を取り合える人間とは、やっぱり根本的に違うものです。

だから彼らは分かっていない・・。人間はどんなに苦しく辛くても、生きている限りいつまでも幸せを手に入れるために戦うことを。
それが理解できない限り、ホムンクルスが人間に勝つことはないだろうー
今回、その思いを強くしました。

最終決戦の日は近いですが、きっと人間はこの種を巡る戦いに勝ってくれることと思います。
そう信じて、運命のその日を待つことにしますー。






続いて、中央の人形兵器について。

人間の魂を定着させて戦わせる、兵器ー
本当に何というものを作るのか、と怒りが沸いてきました。

踏みにじられる人々の命を、何だと思っているのでしょう。
同じ人間なのに、人は欲望の前にはこれだけ畜生に堕ちられるのかーと暗澹たる思いです。。

でもこの兵器が本当に使用されたら、エドたちは戦うのに躊躇するでしょうね。
いや、誰だって躊躇するでしょう・・。実際の人間の命が使われるのですから。
そう思うと、この兵器だけは絶対に使わせてはいけないと思います。

オリヴィエがこのことを知ったので、何とか止められないものでしょうか・・。
彼女だってこの武器を使わせるのは本意ではないですから、どうにかしてくれると信じたいですね。


後少し思ったのは、この武器に魂を吹き込まれるのって、軍の上層部の人間たちじゃないの・・?というもの。
クセルクセスの儀式のときも、ホムンクルスは王たちを欺きましたよね。
あれと同じことが、今回も起きるのでは・・?と思ったのです。

だって軍の上層部を生かしておくメリット、そんなにないですよね?
ホムンクルスは、自分の血を分けた子供たちさえいれば、それで十分でしょう。
彼らがいれば、また同じことは何回だってできるのですから。

逆にアメストリスの軍人たちを残しておく必要、ほとんどないですよね。
むしろアメストリスを滅ぼす気でいるのだから、邪魔でさえあるという・・。

となると、この可能性は十分にあると思われます。
そんなことも予想せず、不老不死を手に入れることだけにしか目の向かない軍の上層部ー。

こちらも計画実行の日に、何が起きるのか注視したいですね。
同じ人間ながら、人々の命を差し出そうとする彼らー
そんな彼らが幸せな最期を迎えられるとは、到底思えないので・・。







最後に、グリードについて。
久々に登場のグリード。
結局今はどっちの意識なのでしょうね。

どちらにしても、ビドーのことは覚えていないのかな。
ビドーはグリードを心配してやってきた部分もあるので、これはちょっと切ない展開ですね。
あ、でもビドーを思い出してグリードの意識が戻ってくるという可能性もありますね!

ずっと彼の動きは記されてきませんでしたが、ホムンクルスの元で何をしていたのでしょう。
リンのことだから、ただ大人しくしていたとは思えないのですが・・その辺は次回語られるのかな。

最終決戦、彼がどちらの側につくのかも気になるところです。
ランファンたちも戻ってくるだろうから、人間側だとは思うけど・・そうすると彼の命が危ないのがネックかな。
ホムンクルスたちは、裏切り者を絶対に許さないですからね。
そこには十分気をつけてほしいものです。

リンとメイの後継者争いも気になるし、なんだか色々と動き出してめまぐるしいですね!
それこそ戦いの前・・という感じがひしひしと伝わってきます。

エドたちもいよいよ動き出すし、計画実行の日までに何が起きるのかー
座して待ちたいと思います!!







さて、次回はエドやグリードが動き出す回でしょうか。

怪我からすっかり回復した様子のエド。
彼らは当然アルたちと合流するつもりでしょうが、アルたちは今はリオール・・。
無事に再会できるのでしょうか?

そしてグリード。
かつての仲間であるビドーと再会しましたが、彼はビドーのことを覚えているのでしょうか・・。
この再会が彼にどんな影響を及ぼすのか・・気になるところです。


計画実行の日、そして最終決戦のときはすぐそこまで近づいています。
各々の動きを、しっかりとチェックしていきたいですね!

次回も楽しみです☆