前回、リオールに地下トンネルを調べに出向いたアル。
彼は再会した父親であるホーエンハイムと共に、町の復興の手助けを始めます。

一方、キメラたちと共に行方不明になっていたエド。
彼は町の病院で手当てを受け、怪我を回復させていましたー!

今、兄弟が動き出す時です!

感想です☆




第82話~ 「魂の家族」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

エドが戻ってきたので、ダリウスとハインケルはすぐに病院を出る支度を始めた。
彼らは医者に礼を言い建物を出ようとしたが、そこで他の軍人たちに出くわした。

動くな!
そう銃を突き付けられた彼らは、顔を見合わせる。
そしてーダリウスとハインケルは、エドを人質に取ったふりをして逆に軍人たちを脅した。

エドだと分からない軍人たちは、子供を人質に取られたと慌てる。
彼らは仕方なくダリウスたちを通し、ダリウスたちは外へと逃げだすのだった。

医者たちにも妨害を受けながらも、軍人たちはすぐに彼らの後を追う。
それに気づいたハインケルは、持っていた銃で応戦する。
その間にダリウスが住民から車を借り、エドがそれを錬金術で変形させたー。

そのため車で追おうとしていた軍人たちは、途中でエドたちの車を見失ってしまった。
ゴテゴテに飾られた車に身を潜めながら、一行は軍人たちが去っていってしまうのを見届ける・・。

どうやら逃亡は成功したようだ。
3人は息をつくと、次はどこへ向かうか・・と相談を始めた。
エドはアルと合流して、情報が欲しいーと考える。

ブリッグズ要塞には中央軍が入ったから、彼らはそこには行かなかったはずだ。
だとしたら、アルはどこへ行くー?
彼は件名に、思考を働かせるのだった。


その頃ー
リオールでは、ホーエンハイムが全ての事情をアルに打ち明けていた。
聞き終えたアルは、余りに突拍子もない話に言葉を失い、口をぽかんと開けた。

父さんが賢者の石・・。
彼は頭を抱えながらも、でも・・と考える。

ありえない、なんてことはありえないー。
彼は今までの旅で、そのことを嫌というほど痛感してきていた。
だから父親の事情も、とりあえずは全て受け入れることにした。

死なないって、どんな感じ・・?
アルは、そうホーエンハイムに訊いてみる。
ホーエンハイムは考えながら、少し寂しそうな表情を見せた。
便利ではあるが・・友達が先に逝ってしまうのが嫌だな・・。

それを聞いたアルは、自分は夜に1人だけ起きているのが嫌だな・・と打ち明ける。
2人は互いの顔を見つめると、うつむいた。

その後も、アルはホーエンハイムから色々と話を聞いた。
ピナコに会ったときのこと、彼女からトリシャを紹介してもらったこと・・。
ホーエンハイムはトリシャも自分より先に逝ってしまった・・とうなだれる。

そこでアルは、気になっていることを尋ねることにした。
それは、特殊な身体の父親から生まれた自分たちは、普通の人間なのかーということだった。
ホーエンハイムはそれは大丈夫だ、と答える。

彼は分解と再構築によって、賢者の石とと魂が融合している、
だが元は人間だから、エドとアルも人間の子だーと彼は説明した。

でも・・あいつは違う。
ホーエンハイムは、ホムンクルスーお父様のことを思い浮かべる。
あれは、俺を模した革袋に入っているようなものだ・・。

その時、アルは大事なことを思い出した。
彼はホーエンハイムに、お父様たちホムンクルスたちがやろうとしていることを伝える。
するとホーエンハイムは彼らがそこまで気付いたことを褒めた。

だが彼は、アルが教会の地下からトンネルに入り、トンネルを壊そうと考えているーと話すと、それはやめたほうがいい、と止めた。
地下のトンネルには、プライドがいるからだー。

けれども、自分たちには時間がない、とアルは抵抗する。
もう計画が実行される日は間近かもしれない。どうしてそんなに悠長にしていられるんだー?!
アルがそう問うと、ホーエンハイムは一言言い切った。
まだ、その日ではないからだー。

その言葉に、アルは戸惑った。
そんな彼に、ホーエンハイムは上を見上げろ、と諭す。

上を見れば、見えてくるものもあるー。

そこでアルは、空を見上げてみた。
空・・?太陽神レト?
彼には父親の言葉の真意が分からなかったが、ホーエンハイムもまた空を見上げながら呟いた。
あいつは、その来たるべき日を待っている・・。


中央、地下ー。
ビドーは傷ついた身体を引きずりながら、必死に逃げていた。

グリードのような見た目の男は、彼を見るなり襲い掛かってきた。
自分が何をしたっていうんだ?!
そう嘆くビドーを、グリードは暇つぶしに、と楽しそうに嬲って追いかける。

そこで床に倒れたビドーは、涙ながらにグリードを睨む。
彼はかつての仲間だったグリードのような見た目をした姿に、呪詛を吐いた・・。

するとグリードは、自分を知っているのか?と眉を上げる。
ビドーは、まだ意味が分からず呆然とする。
そんな彼に、グリードは自分こそがグリードだ、と話す。

この世のものは、全て俺のもの。
金も欲しい、女も欲しい、地位も名誉も、この世の全てが欲しい!!

それは、グリードがよく言っていたセリフだった。
ビドーはどうなってるんだ・・?!と首を傾げる。
グリードもまた、自分を知っている目の前の男は誰なのだ・・?と疑問を感じた。

その時ー彼の頭に、衝撃が走った。
戸惑うグリードに、ビドーは思い出してくれ、と迫る。
デビルズネストで一緒だった仲間を忘れたのかよー?!

それを聞いたグリードは、ようやくビドーが誰なのか理解する。
そうか、仲間だったのかー
うなづくグリードに、思い出したのか?!とビドーは嬉しそうに顔をほころばせる。

だがグリードは、そんなビドーの腹を貫いた。
悪いな、それ多分前のグリードだ・・。
彼はビドーを見下ろし、自分はお前なんて知らない、と冷たく言い放つ。

ビドーは目を見開き、痛みに震えた。
その瞳から、涙が一筋こぼれる。
そのまま彼は床に崩れ落ち、絶命した・・。

侵入者排除が自分の役目なんだ、悪く思うなよ。
グリードは目の前の亡骸に、そう告げる。
そしてお父様のところへ戻ろうとしたが、その瞬間彼の中でリンが暴れた。

その衝撃で、グリードの意識に一瞬記憶がフラッシュバックする。
かつての仲間たちの姿ー
その映像は朧気ながらもグリードにショックを与え、彼は思わず床に手をついた。

そこに、リンが呼びかけた。
おいおい、随分と下衆に成り下がったもんだな、グリード!

彼は意識下にいながらも、さっきまでのグリードの愚行にえらく腹を立てていた。
彼には、仲間をないがしろにしたグリードが許せなかったのだ。

仲間じゃねぇ・・。
グリードはズキズキと痛む頭を押さえながら、そう呟く。
だがそう口にする間も、記憶の波は途切れ途切れに彼を襲った。

そうしてフラッシュバックに苦しむグリードに、リンは問う。
じゃあ、今見ている記憶は何だ?ビドーが言ってたことは、嘘だっていうのか?
前のグリードの記憶だというなら、なぜお前はそんなに苦しむー?!

だがそれでも、グリードは過去の記憶を認めようとしなかった。
前のグリードの魂は、記憶を消され浄化されたんだ。過去など全て忘れている・・
するとリンが、一喝した。
忘れる訳ないだろうが!!

彼はグリードに迫り、怒鳴る。
仲間っていうのは、魂で繋がっているんだ。そして魂に染み付いているものは、すすいで落とすことなどできないんだ!!

グリード、お前は魂の家族を切って捨てやがった!
全てを手に入れようとする強欲が、聞いて呆れるー!!

その瞬間、グリードは唸り声を上げた。
彼はビドーの亡骸を抱えながら叫び続け、それからーある場所へと向かった。

ー彼が向かったのは、ブラッドレイ邸だった。
荒々しい音と共に突然現れた彼に、ブラッドレイとセリムは驚き立ち上がった。

その姿を見たグリードは、何も言わずにブラッドレイに襲い掛かる。
ブラッドレイもまた、間髪入れずに剣を抜いて応戦した。
彼は妻とセリムに下がっているように告げると、グリードを睨みつけた。

2人はせめぎ合いながら、互いをしっかりと見据える。
どういうことだ、ラース・・。
グリードは圧されながらも、訴えた。

消えねーんだよ。俺の頭の中でガンガンうるさい・・これは何なんだよ!!
彼の中に次々に戻ってくる記憶の中には、なぜかブラッドレイの姿があった。
それはなぜだ。ブラッドレイは、「自分のもの」に何をしたんだー?!

彼が問うと、ブラッドレイはふん、と息をついた。
強欲か・・。捨てることを知らず、過去をも貪る愚か者めが・・!!

2人のギリギリの攻防は続いた。
部屋の隅に逃れ、夫人とセリムはその光景を見守った・・。
ふと、夫人はテーブルにぶつかり、カップを落としてしまう。

そのカップの割れる音は、グリードの意識を一瞬引きつけた。
その隙を突き、ブラッドレイは一気に剣をふるった。
間一髪、グリードはその一撃から逃れる。

だがブラッドレイの攻撃は、間断なく続いた。
グリードはその攻撃をよけることもできず、追い詰められていく。
そしてついに、ブラッドレイの剣はグリードの首にかかったー。

しかし、剣はそこで真っ二つに折れた。
グリードがすんでのところで、首を鋼鉄化したのだ・・。
彼の記憶には、以前同じ目に遭った記憶が呼び起こされていた。
その忌まわしい記憶を噛みしめながらーグリードはブラッドレイ邸を飛び出す。

彼は窓ガラスを派手に割り、闇夜の中に消えて行った。
その音に、家臣たちが駆け付ける。
彼らは3人の無事を確認し、怪我はないかと聞いて回った。
夫人が対応するなか、セリムはグリードが出て行った先を黙って睨みつけるのだったー。

一方ー街の方へと逃げたグリードは、痛む頭を押さえながらただただ駆けた。
時刻は真夜中ー
そんな中、身を隠しながら街を移動する3人の人間がいた。

エドたちは、以前ランファンを匿うために使った廃屋へとやってきていた。
エドは、アルはここにいるに違いないー!と確信をもっていた。
だがそこには誰の姿もなく、人がいた形跡もなかった・・。

せっかく逃げてきたのに、これかよー・・。
ダリウスとハインケルは当てが外れて、ため息をつく。
その時ーハインケルの鼻が、嗅ぎ慣れない匂いに反応した。

誰かいる・・。
彼は2人にそうジェスチャーすると、ドアの両端に身を隠すように指示する。
エドとダリウスも人の足音を聞き、警戒しながらドアの外を覗いた・・。

その眼に映った意外な人物の姿に、エドは大きく目を見張った。
そこにいたのはグリードーリンだったのだ。

彼はフラフラしながら、廃屋に着くなり倒れ込んだ。
エドは急いで駆け寄り、どうしたんだー?!と尋ねる。
その声を聞いたリンは、ほっとしたような笑みを浮かべた。

助かった・・。こんなところで仲間に会えるとは思わなかったよ・・。
そう話す彼のお腹が、鳴る。
相変わらずのリンとの意外な再会に、エドは戸惑いを隠せないのだったー。




















グリードの葛藤。


今回はエドたちがアルたちとの再会を望むなか、グリードが過去の自分の記憶と葛藤する話でした。
久々のリン!
相変わらずで、ほっとしました。消えていなくて、本当に良かった!!

仲間思いのところも、変わりませんね。
そういうところは以前のグリードと通じるところがあるので、理解し合える関係のように思うんですが・・
如何せん今のグリードは生まれたばかりなので、経験値が無いのが辛いところです。
薄っぺらい・・今回の彼を見て、そういう印象を抱きました。

だからこそ、リンにも付け入る隙があったのでしょうね。
以前のグリードのままだったら、彼は受け付けられず死んでいたのかもしれないなーと思いました。

しかし、一旦浄化しても記憶は残るのですね。
グリードにとって、それだけ仲間が大事だったってことかな・・。
ビドーに関しては自業自得ですが、あの3人を思い出しているシーンは切なかったです。
ホムンクルスとキメラだけど、ちゃんと信頼し合い「仲間」だったのだなぁ・・と。

そう考えると、仲間を奪い自身を奪ったブラッドレイをグリードが許さないのは当然ですよね。
何もかも欲しい強欲の彼から、何もかもを奪ったのですから・・。
これがグリードの謀反の機会となるのか?気になります。。

セリムの鋭い目も、それを懸念しているように思えましたね。
ブラッドレイも直接対峙したのだから、グリードの本気具合は本人が一番感じているでしょう。

ラストでエドと会ったのは、協力関係になる布石でしょうか。
リンの意識も出てきたし、ここから一気にタッグを組んで最終決戦に向かうのかもしれませんね。

短い間でしたが、お父様やホムンクルスの元で過ごしたグリードもといリン。
色々と情報も持っていそうで、彼には期待してしまいますね。
やっぱりぶつかるは、ブラッドレイとなるのかー?!

暫くは、グリードの動向から目が離せません!




さて、続いてはエドたち。
なんだかんだ3人で仲良くやっているようで、安心しましたw
エドのゴテゴテの車、本当にセンスなくて笑ったww

ですが、エドの予想は外れ、アルたちとの合流はなりませんでしたね。
代わりにリンと会えたから、まぁ結果オーライですけど。

この感じだと、計画実行の日まで会えない可能性も出てきましたね。
互いに別の場所で研鑽を積み、仲間を集めて再集結するー
うん、それも少年漫画っぽくていいじゃないですか!

となると、エドたちはマスタングたちに働きかけていく感じになるのでしょうか。
こちらもリンから色々と情報が入るでしょうから、それを共有できるといいですよね。

ホーエンハイムによれば計画実行の日はもう少し先のようなので、まだ彼らにできることはたくさんあります。
その日までに、万全の態勢を整えておきたいところですね。

錬金術の様子を見るに、本当に完全に全快したようなので、エドたちの活躍が楽しみです!!






最後に、アルとホーエンハイムについて。

今回互いの話をすることで、更に理解が深まり近づいたように見える2人。
良い感じですね。互いの悩みを話すところなんかは、切ないけど少しほっこりしました。

いや、でも2人の悩みは辛いですよ・・。
皆に先に逝かれてしまう。
夜に1人で起きているのが悲しい。
・・絶対にどうにかしてやりたい、と思わされますね。

ホーエンハイムもトリシャは亡くなってしまいましたが、まだエドとアルという家族がいます。
彼が欲していた家族ー
戦いが終われば、一緒に暮らせる日もまだまだ夢ではありません。

アルがアップルパイを頬張るところも、早く見たいですね!
絶対にそういう日が来ると信じて、これからの戦いを迎えたいと思います。


で、今回はホーエンハイムから気になる言葉が出ました。
計画実行の日は、どうやら決まっているようなのです。

既にトンネルは開通していますが、なぜホムンクルスたちは計画を実行に移さないのかー。
確かにそうですよね、もうドラクマにも血の紋は刻まれましたからね、準備は整っているはずでしょう。

ホーエンハイムによれば、それはお父様が来たるべき日を待っているからー。
今はまだ、その時ではないようなのです。

彼はアルに、上を見上げろと言いました。
空、太陽神レト・・。
それって、もしかして日食を待っているということではないでしょうか。

以前キンブリーの説明で、エドが太陽は陽を表す、と言っていました。
では、その太陽が覆い隠されたらー?
世界はその瞬間だけ、陰に包まれるのではないでしょうか。

そしてその瞬間が、ホムンクルスにとって一番力を発揮できる瞬間だとしたらー?
予想でしかありませんが、太陽という言葉から想像するに、日食というのは良い線行っているように思います。

この辺は、次回以降もうちょっと詳しく語られるでしょうか。
でも計画実行の日がはっきりしてくれば、だいぶ心にも余裕が出てきますね。
いつ起きるか分からないものを待つより、準備は確実にできますからー。

逆転の錬成陣も、ホーエンハイムが協力者となったことで、まだ可能性の芽は潰えていません。
本当に、ここからが逆転です!!
人間たちの底力を見せるときー

期待して待ちます!!







さて、次回はグリードがエドたちの仲間となる話でしょうか。
ラースとプライドを敵に回したグリード・・。
もはやホムンクルスの元に、彼が帰れることはないでしょう。

それにグリードとしても、ブラッドレイを許すことはできないはず。
リンの意識が出てきたのも、その表れでしょう。
最終決戦、ブラッドレイと戦うのはグリードという可能性も出てきましたね!


ホーエンハイム、そしてリンから、エドたちはホムンクルスの情報を手に入れることができるのでしょうか。
そして計画実行の日に向けて、策を打つことはできるのでしょうかー?

次回も楽しみです☆