前回、各々ホムンクルスとの戦いに挑む人間たち。
彼らは協力し合い、ホムンクルスたちを追い詰めていきますー!

そんな中、ついにキンブリーを討ち取ったアルたち。
残るはセリム1人・・
彼らはこのまま勝ち抜くことができるのでしょうか?!

感想です☆




第93話~ 「不倶戴天の敵」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

森の中ー。
キンブリーは自分の首の骨が折れる音を聞いた。

彼の首は折れ曲がり、そこから血が噴き出る。
そのまま彼は地面に倒れた・・。

それを見たセリムは、ハインケルに影を向ける。
だが彼は途中で考えを変えたのか、影を途中で止めた。
そして影で押さえつけたままのアルの方へと向き直る。

・・なるほど、君の言う通り人間はしぶとい。
そう言いながらも、セリムは笑みを浮かべる。
だが君たちは勝てないのです。中央に我らの父上がいる限りね・・。

そう話すと、彼は今度はマルコーに影を向けた。
だがそこにー1台の車が飛び込んできてその攻撃を阻んだ。

?!
その場にいた皆が、目を見張った。
すると車はそのままセリムを轢き飛ばし、荒々しく止まった。
そしてそこからーヨキが顔を出した。

やってやったぞーーー!!
彼は全身を震わせながら、絶叫する。
私にだってたまにはかっこつけさせろ、チクショー!!
そう叫びながら、ヨキはマルコーたちを車に乗せ入れる。

その車は、キンブリーが乗ってきたものだった。戦いに出向く前に、マルコーがキンブリーの部下を捕まえていたのをヨキは見ていたのだ。
彼らが車を出そうとすると、セリムが起き上がってきた。
そこでアルはキンブリーをセリムに投げつけ、その隙に車を発車させる。

セリムは急ぎ影を伸ばしたが、一歩遅く影は届かなかった。
ヨキは恐怖に泣きながら、スピード全開で車を走らせる。
今セリムと戦うのは、得策ではない。まずは中央に行ってエドたちと合流して、お父様を探そう!!
彼らはそうして、街の方へ向かっていくのだった。

ーその後ろ姿を、セリムは眼で追っていた。
勇気ある逃げない人間というのは、本当に乗せやすい・・。
彼は1人呟くと、横に倒れるキンブリーに目をやった。

彼は辛うじて息はあるものの、もう意識はないようだった。
死に向かうその姿を眺めながら、セリムは不敵な笑みを浮かべる。
・・君、世界が何を選ぶのか見てみたいと常々言っていましたね。それなのにこんな所で滅ぶなんて、さぞや屈辱でしょう・・。

彼は舌なめずりし、影をキンブリーに差し向けた。
でも心配しないで。君は私の中で生き続けられるのだからー。
そう言うと、彼はキンブリーを自分の中に取り込んだ・・。


中央市街地。
マスタングたちはロスたちの乗ってきたトラックを錬成で見た目を変え、中央軍の目を欺いていた。

彼らは中央司令部に向かおうとしていたが、どの門も閉ざされていて入れない。
そこで門を破るのはブリッグズ軍に任せ、マスタングたちは別ルートで中に入ることにする・・。

その中央司令部。
そこではオリヴィエとアームストロングが、スロウスと死闘を繰り広げていた。

オリヴィエは暫く気絶していたが、やがて意識を取り戻す。
そしてはっと起き上がると、戦いはどうなったのかーと周囲を見回した。

そこでオリヴィエは、アームストロングが横にいるのに気づく。
彼は柱を折り、突っ込んできたスロウスの口にかませていた。
そのせいでスロウスは身動きが取れなくなり、もがいていた・・。

柱から手を離すと、アームストロングはオリヴィエの身体を気遣う。
その時、2人に中央軍が銃を向けた。
そういえば銃殺命令が出ていたな・・。
オリヴィエは息をつく。

だが中央軍は2人に銃を向けつつも、得体のしれない化け物に戸惑ってもいた。
一体これは何だ・・。
状況が分からず、彼らはどうすべきか悩む。

と、そこへ何かが駆けてくる音がした。それと同時に、悲鳴のようなものも聞こえる。
敵襲かー?!
中央軍は構え、階段を上がってくるものを待つ。
するとそこに、不死の軍団が飛び込んできたー。

人形たちはすぐさま軍人たちに飛びつくと、その身体に噛みつく。
撃っても死なない・・。
軍人たちはあっというまにパニックになり、場は騒然とした。

オリヴィエたちに銃を向ける軍人たちも、あれは何だ・・と戸惑う。
オリヴィエはスロウスを指し、恐らく同類だろうーと説明する。
だが軍人たちは、自分たちは何も聞いていない、と叫んだ。

だがその間にも、仲間たちはどんどん人形たちに殺されていく。
おまけにスロウスも何とか柱を抜こうともがき、動き出すのも時間の問題だった。
・・どうする?我ら姉弟ならこの化け物に対処できるぞ?

オリヴィエはそう軍人たちに判断を促す。
それとも我らを撃ち殺して、化け物の餌食になるか?
彼女は尚も迷う軍人たちを一喝した。
自分たちと協力して化け物を討つかー自分の頭で考えろ!!


その頃ー
中央地下では、メイとエンヴィーが戦っていた。

メイは器用にエンヴィーの攻撃をよけていくが、ふと気づくと前方からは不死の軍団も迫ってきていた。
彼女はそれらを全て1人で相手しなければならなかった。

おまけにエンヴィーは人形たちから魂を抜き取っては、どんどん強化されていく・・。
だがそれは、メイにとってはある意味好都合だった。
敵の数は減った方がいい。それにエンヴィー1人なら、逃げるのも容易い!!

彼女はそう考え、エンヴィーからの攻撃をかわし続けた。
メイにとって、今は戦うのが目的ではなかった。
この人形が賢者の石を注入されているというなら、こいつらが来る元を辿っていけば大きな石があるはずだ!
そう考え、メイは奥の方へと進んでいくのだった。

一方、エドたちもまた不死の軍団と戦っていた。
何人殴ってもきかないどころか、人形たちは別の扉からどんどん入ってくる。
キリが無い・・。
彼らは疲労も蓄積し、焦りを隠しきれなかった。

だがそこにー意外な助けが入る。
突如炎が部屋を包み、人形たちを焼いたのだー。

その攻撃に、エドたちは眼を見開く。
すると聞きなれた声が、エドに向かって声をかけた。
研究所の前で警備兵が伸びていたのは、君の仕業か・・。

そこにいるのは、マスタングとホークアイだった。
手を貸した方がいいかね?鋼の。
久々の再会に、エドは笑みを浮かべるー。

スカーやキメラたちは、不死の軍団と戦うようにマスタングに頼んだ。
こいつらは銃じゃ倒せない!
そう説明されたマスタングは、エドたちが敵の足元ばかりを攻撃していた理由を知る。

それなら・・。
彼は指を1つ鳴らした。
その瞬間炎が噴きあがり、人形たちの足を燃やすー。

その一瞬の攻撃で、不死の軍団はほとんど動けなくなった。
エドたちはただ、マスタングの攻撃の強力さに唖然とするしかないのだった・・。

と、そこへ追いかけっこを続けていたメイとエンヴィーが飛び込んでくる。
エドたちは2人に気付き、驚く。
スカーがすぐにメイに、なぜ帰らなかったのだ、と迫った。
メイは言葉を返せず、だって・・と瞳を泳がせる。

一方エドにスカーにキメラ・・見慣れた顔が揃っているのを見たエンヴィーは、彼らの前に立ちはだかる。
さて・・どいつから片付けてやろうか・・。
彼は皆の顔を見回し、笑みを浮かべる。

その顔を見て、マスタングはこいつがエンヴィーか、と声を上げた。
彼は名前や能力は知っているものの、エンヴィーと出会うのは初めてだったのだ。

エンヴィーもまたマスタングに気付き、挨拶をする。
それから彼はスカーに尋ねた。
こいつはイシュヴァールで活躍した国家錬金術師だよ?殺さなくていいのかい?

だがスカーはただ、そうだな・・と返すだけだった。
その反応に不満を覚えたエンヴィーは、大きくため息をつく。
馴れ合い?!つまんないなぁ!もっとドロドロしたものを見せてよ!ゴミ虫がぎゃんぎゃん騒ぐのが面白いんだからさぁ!

するとそれを聞いたマスタングは、そうだな・・とうなづく。
特にホムンクルスという愚か者が、踊り狂う様を見るのは最高だな。

その言葉に、エンヴィーは眉をひそめた。
マスタングはそれには構わず、彼に1つ質問がある・・と口を開く。
マース・ヒューズを殺したのは誰だ?
それは、彼がホムンクルスに会う度にしてきた質問だったー。

それに対し、エンヴィーはマリア・ロスだろ?とはぐらかす。
だがマスタングはこのやり取りには飽きた、と切り捨てると、さっさと事実だけ教えろバカ、と挑発する。
その馬鹿にするような物言いにかっとしたエンヴィーは、自身も皆を嘲るように笑い声をあげた。

おめでとう、マスタング大佐。やっと辿り着いたってわけだ・・。
それを聞いたエドたちは、はっとする。
そんな彼らの前で、エンヴィーはあの夜と同じように変身してみせたー

ヒューズの妻、グレイシアー。
彼が変身した姿に、エド、マスタング、そしてホークアイは眼を見張った。
彼らはエンヴィーが、ヒューズに何をしたのかを悟る・・。

その顔を見たエンヴィーは、一段と笑い声を大きくした。
いいね、その表情!ヒューズを殺したときもそうだった!
あいつのあの顔!愛する妻の顔をした奴に撃ち殺される絶望!
本当最高だよーーー!!

いつのまにか、皆沈黙していた。
そんな中、マスタングが重い沈黙を破り口を開く。
・・決まりだ。貴様がヒューズを殺した。

その声と顔を見たメイは、思わずびくっと震えた。
ホークアイもぎゅっと目をつぶり、唇を噛みしめる・・。
今、彼らの前にいるマスタングは、いつものマスタングではなかった・・。

彼は鬼のような形相で、エンヴィーを睨みつける。
背中には殺気を纏い、その瞳は復讐の炎が燃えていた。

もう喋らなくてもいいぞ、エンヴィー。まずその舌の根から焼き尽くしてやろうー。




















探し求めた敵。

今回は各地で戦いが続くなか、ついにマスタングがエンヴィーと出会う回でした。
マスタングの殺気が怖い!いつもの彼とは思えない表情・・イシュヴァールを彷彿とさせますね。

復讐に囚われてしまった眼・・
ついにヒューズの仇を討つときですが、大丈夫なのでしょうか・・。

この場にスカーがいるというのも、考えさせられるものがありますね。
復讐に取りつかれ、国家錬金術師を無差別に殺していたスカー。
今のマスタングの眼は、昔の彼の眼と同じです。

スカーはそこから色んな立場の人と関わることによって、自分のやってきたことが間違いだったと気づき、新たな方法で国を直す道を探り当てました。
そんな、ある意味呪縛から解けた彼にとって、今のマスタングはどう見えているのでしょうね・・。

周囲の仲間たちも皆、マスタングが変わっていることに気付いています。
特にホークアイ・・
彼女はこうなってしまったマスタングに、どう対応すべきか迷っているように見えます。

側にいたからこそ、ホークアイはマスタングがヒューズの件でどれだけ心を痛めてきたかを知っています。
だから止めてはいけないという思いと、止めなければマスタングは変わってしまう・・という思いが混在しているのではないでしょうか。

このまま復讐を遂げたらマスタングの気持ちは晴れるかもしれませんが、やりすぎれば仲間たちに恐怖され信頼を失うことにもなりません。

それに、復讐は復讐しか生まないー
このことは、物語を通して私たちが受け取ってきたメッセージです。
それを国のトップを目指すマスタングが覆したとしたら・・それはもう、彼が堕ちたと言わざるを得ないのではないでしょうか・・。

どうかそんなことになりませんように。マスタングには一旦落ち着いてもらい、激情に駆られたまま復讐に臨まないように祈るばかりです。
ヒューズだって、そんなことは絶対望んでいません。
そのことに彼が気付きますように・・。





続いては、アルたちについて。
キンブリーを倒したアルたち。
どうにかセリムからも逃げ出して、中央へ向かうこととなりました!

まさかここでヨキが大活躍するとは思いませんでしたよw
彼、本当に良いキャラに成長したなぁ。中央でも何か一発デカいことをやってくれるのでは・・と楽しみでなりませんw
彼もまた、皆と会えてよかったですね。


で、アルたちが逃げたのはいいけど、なんとキンブリーはここで退場ではなく、セリムに呑み込まれてしまいました。
ここ、よくわからなかったのですが・・セリムはキンブリーを取り込んで何かメリットがあったのでしょうか?

瀕死だし、そもそも彼は普通の人間だし・・セリムが彼を手に入れるメリットが分からなかったのですよね。
命が1つ分増えた・・くらいしか思いつかなかったけど、他にも何かあるのでしょうか。
ちょっと謎・・。

まぁキンブリーからしたら、ここで退場せず人間とホムンクルスの戦いを見続けられるのは良いことでしょうけどね。
でもこれってキンブリーにとってってだけで、セリムにとってはそうでもないし・・。
何か策があるのでしょうか。ちょっとここは、今後も気にしていきたいですね。

ここからは戦いの場が中央に移るので、ここでアルとセリムの戦いも終わりかな。
セリムとは、誰が最終的に戦うことになるのでしょうね。

ブラッドレイはリンたちやスカー、マスタングかなと思うし、エンヴィーはマスタングだし、スロウスはオリヴィエたち・・。
となると、エドとアルになるのかな?なんだか想像がつきませんが・・他に相手もいないしなぁ。

どうなるかはまだ分かりませんが、セリムには最後まで悩まされそうですね。
そしてブラッドレイ・・今ですら中央はかなり混乱を極めているのに、この上彼まで戻ってきたらどうなるのか・・と少し恐ろしくなります。

でも人間側もメンバーは集結したし、負けないと思います!
そう信じて、今後の展開を見守りたいと思います。




最後に、オリヴィエたちについて。
スロウスとの戦いも後半戦に突入でしょうか。アームストロングの機転で、スロウスの動きを止めることができました。

しかしこれも時間稼ぎができるだけ・・。
やはり完璧に倒さないと、安心はできませんね。

ただスロウスは今まで戦いにはそれほど関わってこなかったため、まだ体の中に魂を潤沢に持っているのでは・・という予想もできます。
そうなると傷を負ったオリヴィエとアームストロング2人で相手するのは、かなり厳しいのではないでしょうか・・。

となると頼りにしたいのは、中央軍かな。
オリヴィエの説得で、彼らの目が覚めるといいのですが・・。
不死の軍団まで現れてしまったし、このままではやられてしまうばかりです。
そうならないためにも、ここは軍人たちにも自分で考えて判断することを覚えてほしいですね。

後はそろそろブリッグズ軍がやってくる頃ではないでしょうか。
バッカニアたちが来れば、状況はかなり良くなるのでは・・と思われます。
彼らは武器も揃えていますからね。スロウスを圧倒してほしいものです。

それとこれは予想でしかないのですが・・イズミがもしかしたらバッカニアたちと一緒にいるかもしれませんね。
彼女、ブリッグズを訪れていましたよね。あの後もずっとバッカニアたちと行動を共にしていたとしたら・・これだけ心強い助っ人はいないのではないでしょうか。

まぁその後別行動している可能性もあるので断言はできませんが、彼女もまた中央にはいずれ現れるはず。
その時を心待ちにしたいと思います。

オリヴィエたちには苦しい戦いですが、どうか持ちこたえてほしいところですね。
正直こんなにスロウスに悩まされるとは思っていなかったけど、やっぱり彼もホムンクルスの1人なんだなぁ・・。
なかなか倒れてくれそうにないですね。

ブラッドレイ、そしてセリムが戻ってくるまでに何とか決着はつけたいところ・・。
さて、どうなるか。
続きが気になりますー。









さて、次回はマスタングVSエンヴィーでしょうか。
復讐の怒りに取りつかれたマスタング。
彼がどんな方法でエンヴィーに迫るのか気になりますが・・我を忘れてしまわないのかが心配です。

ずっと探していた仇を前に、マスタングは鬼に堕ちてしまうのか。それとも仲間たちは彼を止めるのかー
いや、止められるのか、でしょうか。マスタングに皆の言葉が届くといいのですが・・。


いよいよ因縁の対決が始まります。
戦いの結末や、いかにー?!

次回も楽しみです☆