今回から、24巻です!

前回、エンヴィーとの戦いを終えたマスタングたち。
一方中央司令部では、オリヴィエたちとスロウスとの戦いが続いています。

そんな中、ついに中央司令部の中にまで攻め込んだブリッグズ軍。
彼らの側には、なんとイズミという強力な味方もついていたのですー!

いよいよアル以外の人柱が揃いました!
戦いも中盤戦。お父様の計画は、発動されるのでしょうかー?!

感想です☆




第96話~ 「二人の女傑」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

イズミとブリッグズ軍によって、作戦本部は落ちた・・。
上層部の軍人は中央軍に、砲撃をやめるよう言うように迫られ、渋々従った・・。

それから、バッカニアたちは街に放送を流した。
中央司令部内作戦本部は、ブリッグズ軍が占拠したこと、上層部の軍人13名を拘束したこと・・
その報に、マスタング軍の皆は笑みを浮かべるー。

そしてその報せは、中央司令部内で戦うオリヴィエ率いる中央軍の元へも入っていた。
指揮系統であるクレミン准将が拘束されたー
そう聞いたオリヴィエは、バッカニアに連絡するよう近くの者に頼む。

そこで2人は無線でつながった。
オリヴィエは不死の軍団が中央司令部内を徘徊していることを指摘し、東西南北のいかなる門も開けないように、と強く命じる。

不死の軍団を、1匹たりとも市街地に出してはならない。司令部敷地内で殲滅しろー!
彼女の命に、バッカニア以下ブリッグズ軍は威勢よく了解する。

同刻ー
中央司令部の別の場所で様子を見守っていた上層部の軍人たちは、クレミンが拘束されたことを受けて彼を切り捨てることにする。

彼らは大総統執務室を本部に置き換えることにし、部屋に移動する。
その中の1人は、部屋に入った瞬間に大総統の椅子に目をつけた。
この危機を乗り切れば、自分こそが・・。
彼は唾を飲み、椅子に恐る恐る手を伸ばすー

だがそこに、不死の軍団が大挙して押し寄せた。
油断していた軍人たちは一気に噛みつかれ、たちまち全滅してしまうのだった・・。


一方ー
アームストロングは、スロウスとの死闘を続けていた。

彼はスロウスが倒れると、合間に不死の軍団を相手にする。
だが不死の軍団がなかなか倒れないので、皆疲労を感じ始めていた・・。

その時、再びスロウスが動き始める。
こっちもまだ動くのかー!後何回倒せば、死ぬんだ?!
中央軍は焦り、動揺する。
そこでアームストロングが、再び一歩前に進み出た。

瞬間、スロウスは何も見ずに手あたり次第に突っ込んだ。
相変わらず方向音痴な奴だ・・。
アームストロングは壁に突っ込んでいったスロウスを見て息をつくが、ふとオリヴィエは気付いた。
待て!今の奴は・・表面積が広い!!

その言葉通り、スロウスの腕と足は千切れたため、枷が外れていた。
自由になった手足を再生させながら、彼は今度は狙いを定めて駆けてくるー!

その勢いは凄まじく、オリヴィエとアームストロングはよけたものの、わずかにかすってしまった。
2人が血を流し吹き飛ばされるのを見て中央軍は加勢に入ろうとするが、アームストロングはそれを止めた。
奴の狙いは我らだ!離れていろ!!

そう命じられ、中央軍はどうすべきかと戸惑う。
ふと彼らはスロウスが落として行った足かせに気付く・・。

そこで彼らは、束になってその足かせをスロウスの身体に巻き付けた。
そして一斉に鎖を引っ張って、スロウスが進めないように妨害するー。

スロウスはオリヴィエたちに突っ込もうとするが、鎖に身体を押さえられて動けなくなった。
彼は力をこめ、鎖ごと移動しようと足を進める。
中央軍は踏ん張り、オリヴィエたちに逃げるように叫んだ。

だがそれを聞いたアームストロングは、不甲斐なさに身を震わせた。
我輩に、また戦場から逃げろと言うのか・・。そんな真似、できる訳ないだろうが!!
彼はイシュヴァールを思い出し、絶叫する。
ーその時だった。

壁が突然粉砕され、そこから女性が入ってきた。
いいねぇ、逃げない覚悟!いい男じゃないの。
その女性ーイズミは、そう言って笑みを向ける。
うちの旦那の方が、数万倍いい男だけどさ。

彼女はブリッグズ軍に、オリヴィエたちの助太刀に行くように頼まれて来たのだ。
オリヴィエは余計なことを・・と舌打ちするが、その間にもスロウスは2人の方へ向かってこようとしていた。

もう中央軍の力ももたない・・。
彼らは間一髪か、とイズミに向かって逃げるように叫ぶ。

だがー彼女は逃げず、スロウスの胸倉に入っていった。
そして思いっきり、スロウスの巨体を投げ飛ばしたのだ。

その光景に、その場にいた者は皆目を丸くした。
あんた、行ったよー。
イズミは後ろに向かって、そう声をかける。するとそれに応える声があった。

あいよー。
そこにいたのは、シグだった。
彼が飛んできたスロウスの身体を殴り飛ばすと、スロウスは激しく地面に叩きつけられた。

その勇姿を見たアームストロングは、思わず目を見張る。
自分に優るとも劣らない肉体美・・!
2人は無言で互いを理解し合い、協力態勢を組む。

やる気を復活させたアームストロングは、シグと共にスロウスに拳を連打した。
殴り蹴り、投げ飛ばすー。
強い男2人の攻撃に、スロウスは為す術なく吹っ飛んでいく。

そこでアームストロングは、彼が落ちる地点に棘を錬成した。
その棘はスロウスの身体を貫き、スロウスは血を吐くー。

だがそれでも彼は、動こうとした。
自らの身体に刺さった棘を抜こうとするその姿に、アームストロングはまだ動けるのか・・!と息を呑む。
けれどもその時ー異変が起きた。

スロウスの腕が、塵状になり崩れたのだー。

彼は砕け落ちた腕を見て、首を傾げる。
そしてー気付いた。
あ・・俺・・死ぬの・・?

スロウスは死が理解できず、死ぬとは何だ?と考えた。
彼は起き上がろうともがいていたが、やがて諦めて力なく床に倒れ込む。
・・・まぁ、いいや。考えるの、めんどくせー・・。

そう呟くスロウスの身体は、どんどん塵と化し消えていく。
生きるのも・・めんどくせー・・。
彼は最期に一言そう呟くと、その場から姿を消してしまうのだったー。

ーそれを見たアームストロングとオリヴィエは、ほっと息をつくと床に崩おれた。
少し休む・・。
2人はそう話すと、イズミたちに礼を言う。

オリヴィエが、格闘家か?と尋ねると、イズミはおかしそうに笑った。
ただの主婦で、錬金術師よ。
彼女はそう自身を紹介すると、エルリック兄弟の身内のようなものだーと明かす。

それを聞いたオリヴィエは、彼女が2人の師匠のイズミだと気づく。
エドたちもここへ来ているだろうー
そう知ったオリヴィエたちは、笑みを浮かべ立ち上がる・・。

若い者が戦っているのに、大人が寝ている訳には行きますまい。
2人は休んでいるよう止める皆に、笑ってそう話す。
これからこの世を背負っていく若者に、今この世を背負っている大人の生きざまを見せんで何とする!

それを聞いたイズミたちは、自分たちも手伝うーと不死の軍団に向かう。
その中で彼女は、オリヴィエたちに気まずそうに、あんまり期待はしないでくれ、と頼む。
自分は人柱という奴らしいから、ヤバくなったらトンズラこかせてもらうわー。
そう言って、イズミは頭を掻くのだった。


中央地下ー。
ホーエンハイムとお父様は、対峙し合っていた。

ホーエンハイムはにこりともしないお父様を見つめ、お前つまらない奴になったなぁ・・とため息をつく。
昔はもっと感情豊かで面白い奴だったのに・・。

恐らくそれは、お父様が7つの罪を自身から切り離したからだろうー。
ホーエンハイムはそう考えた。

色欲・強欲・怠惰・暴食・嫉妬・憤怒・傲慢・・
確かに過ぎた欲は身を滅ぼすが、その一方でそれらの感情全ては人間を理解するために必要なもののはずだ。
なぜ切り離したのだ・・。

ホーエンハイムが疑問に思い尋ねると、お父様は口を開いた。
私は人間になりたいのではない。完全な存在になりたいのだー。

そう言うと、彼は錬金術を発動した。
ホーエンハイムの立っていた辺りの地面が盛り上がり、彼を押し上げる。
そしてそのまま地面に叩きつけようと、地面は動いた。

ホーエンハイムはその連続技に焦りながらも、攻撃をかわしていく。
人間になりたい訳ではないって?
彼はその最中、お父様に尚も迫った。

ならば、なぜホムンクルスたちに父と呼ばせ、側にいさせた?フラスコの中にいた頃のお前は、家庭というコミュニティーを馬鹿にさえしていたのに!
そう問いながらも、ホーエンハイムには分かっていた。

お前本当は・・人並みに家族が欲しかったのではないか?
その真実を追求する言葉に、お父様はかっと目を見開くー。

そこで、彼は攻撃をやめた。
そして自身の身体を液状化し、地面の中に溶け込んでみせた。

それを見たホーエンハイムは、焦る。
まさか国土錬成陣が発動するまで引きこもる気かー?!
彼は周囲を見回す。
その時ー背後からお父様が現れ、ホーエンハイムの身体に手を突っ込んだー。

彼は中を探り、ホーエンハイムから賢者の石を取り出そうとする。
お前の中の賢者の石・・もらい受ける!
そう告げ、彼は石に手をかけたー

だが違和感を感じ、お父様は即座にその手を引っ込めた。
・・・?!
彼は手を眺め、何が起きたのかと考える。

彼の表情が変わったのを見て取ったホーエンハイムは、腹を押さえながら立ち上がる。
何をした・・。
お父様はぎっとホーエンハイムを睨みつける。

そんな彼に、ホーエンハイムは淡々と語った。
なに、お前がしなかったことをしただけさ・・。

彼は再びお父様をじっと見据える。
フラスコの中の小人よ、お前は感情と一緒に大切なものを捨ててしまった。感情を捨てたお前が、簡単に俺たちに勝てると思うなよー?
そうして、2人は互いに睨み合うのだった・・。




















スロウス戦、決着!


今回はオリヴィエたちがイズミたちと協力し、ついにスロウスを倒した回でした。
ついにエンヴィーに続き、スロウスも!
皆が一丸になって敵と戦う展開に、胸が熱くなりっぱなしでした!!

それに、なんといってもオリヴィエとイズミ、アームストロングとシグの共闘!!
そういえばこの2組、組み合わせがすごく似ていますね!戦いが終わっても仲良くなれそう(^^)

彼らが揃えばまさに無敵・・!そう思わせてくれる戦いでした。
なんか戦いといえば今まで苦しく辛いもののような感じがしてたけど、この戦いに関しては胸がすっとするようなものを感じました。

きっとそれがオリヴィエたちの言うような、大人の生きざまというものなのでしょうね。
いやー、良いもの見せてもらいました!
オリヴィエは中央のトップは目指していないようだけど、マスタングを後ろからバンバン追い立ててやってほしいものです。

本当、彼らを見ていると勇気が湧いてくる・・今後に関しても明るい見通しが持ててすっきりとしました。
アームストロングも、今度は逃げないでよく戦いました。
彼もまた、過去との決別ができたかな。これからの活躍、期待しています!!


で・・今回は中央軍の動きも良かったです!
オリヴィエたちの言葉や戦う姿に感化され、徐々に自分たちで動き考えることを覚えていった兵士たち。
ラストでは2人を守るために、皆で一丸となってスロウスに立ち向かいました。

ここ、本当じーんとしちゃいました。
元々上層部の言いなりになっていただけで、中央軍が悪い訳ではないのですよね。
彼らも板挟みで辛かったことと思います。

でも彼らは自分たちの眼でちゃんと見て、どこかで指示を出してくる上層部よりも現場の最前線で戦うオリヴィエたちのことを信じることにしました。
そして2人のピンチには、必死で助けようと動いたー
人間の成長を見せてもらいました。前回の話じゃないけど、だから人間っていいんですよね。

まさに皆で戦って勝ち取った勝利だと思います。
まだ不死の軍団がいるし、これからブラッドレイたちが戻ってくるだろうことを考えると、先は明るくありません。

でもどんなにやられても、人間は何度でも立ち上がるだろうー
そう信じられる強さが、彼らにはあります。だから信じようと思います。




さて、一方のスロウスについて。
彼もしぶとかった・・!
面倒くさがりながらも、何度も再生してくるー
まさに根競べでしたね。

ただスロウスには、生きたいという意志が見られませんでした。
彼の敗因は、ここにあるのかなーと見ていて思いました。

人間側は生きたいと願い、新しい世の中を目指して戦ってきました。
でもスロウスは?あくまでその場その場の目的で動いているのみなんですよね。

そこの意志の違いが、今回の戦いにははっきりと表れたと思います。
もしスロウスに生きたいという意志があったら、もっと戦いは長引き消耗戦になったのではないでしょうか。

彼も死ぬことは意外だったようですが、それよりもそのことを考えるのが面倒くさいという・・。
これ、お父様から怠惰の部分だけ切り取られたからだと考えると気の毒でもありますよね。
彼に他の感情もあれば、人間らしく生きられたかもしれなかったのに・・。

なんだかホムンクルスたちが死ぬたびに、無常というか切なさを感じますね。
皆それぞれに生きようとはしたのだろうけど、やっぱり1つの感情を突出させると上手く行かないものなんだろうなぁ。
家族を目指したけど、家族にもなりきれなかったし・・空しい存在です。

残りのブラッドレイ、セリム、そしてグリードはどんな生き様を見せてくれるのかー
ある意味楽しみですね。
本当これだけきっちり描いてくれると、色んな感情が生まれ読んだ後の充実感がすごいです。
荒川先生・・本当天才ですよ。改めて敬意を表したいと思いました。





さて、後はホーエンハイムとお父様について。
いよいよこちらも動き出しましたね!お父様の企みは、どうやらエドたちの思ったものとはちょっと違うようで・・完璧な存在って、一体何を指すのでしょうね?

もしかして、神になろうとしているのかな?
錬金術でいうところの神である太陽が隠れる日蝕の日を選んだのは、そのため?
だとしたら、なんて恐ろしいことを考えるのでしょう・・。

でも確かに不老不死はもう手に入れているのだから、そこにこだわる必要はないんですよね。
てっきり若返りたいのかと思っていましたが、それだけならここまで大掛かりな計画を立てなくても定期的に人間の命を摂取すれば良かった訳で・・。
となると、やっぱり神説が濃厚かな。。

ただそれって、結構危険な賭けであるとも思うのですよね。
神って、つまりこの物語でいう真理かなと思うのですが、真理ってものすごく平等で残酷じゃないですか。
それに取って代わろうというのは、逆にものすごいリバウンドを受ける可能性もあるのではないでしょうか・・。

エドやアルが家族の復活を求める代わりに身体を奪われたように、イズミが子供を欲して子供の産めない身体にされたように・・お父様も、何かを引き換えにしないと神になる力は得られないでしょう。
彼はその代償としてアメストリス国民全ての命を差し出すつもりのようですが、果たしてそれだけで済むのか・・。
ちょっと疑問に感じますね。。

何か起こるのではないかーそんな予感がしてなりません。
もしかしたら最終的にエドたちが戦うのは、お父様ではないのかも?
まだ分かりませんが、その可能性も出てきたのではないかと感じます。

これは先の展開を見守るしかありませんね。
一体お父様は何を企んでいるのか・・。気になります。。


で、対するホーエンハイム。
彼もまた、お父様に対して秘策を打っていたようですが・・これは一体どういうことなのでしょうか。

賢者の石の反発?に見えましたが、もしかして彼の中の賢者の石には意識や感情があるのでしょうか。
ホーエンハイムもラストで「俺達」と語っているし、その可能性はありますよね。

元々ホーエンハイムの中にある賢者の石は、クセルクセスの仲間たちの魂が集まったものです。
当然彼の顔見知りや仲間が大勢いることでしょう。
だからホーエンハイムには彼らと共存し、一緒に生きることができるのかもしれませんー。

お父様がしなかったことー
それはエドたちと同様、賢者の石となった魂も人間と認め敬うことだったのでは・・。
そうすることで彼らはホーエンハイムに協力し、お父様を拒んだのではないかー。
まだ予想ですが、限りなく近いのではないかと思います。

そうなると、これも熱い戦いとなりそうですね。
無碍に奪われたクセルクセスの人たちの思いをこめた戦いー
ホーエンハイムがどう戦うのか、楽しみです!

いよいよ決戦、そしてお父様の計画発動の時ー
何が起きるのか、刮目しましょう!!








さて、次回はホーエンハイムとお父様の戦いでしょうか。
互いに対策をし、満を持しての再会となった両者。
その秘策とは、一体どんなものなのでしょうかー。

そしてついに、計画は発動されてしまうのでしょうかー?!
人柱全員が中央にいる今(アルもたぶん来てますよね?)、一体何が起きようとしているのか・・。


次回も楽しみです☆