前回、ブラッドレイとの戦いに臨むグリード(リン)とフー。
欲望を満たすために、孫娘の仇のために、2人は共闘で挑みます!

そんな中、地下をさまよっていたエドたちは、管のある部屋へと出ます。
そこには何やら怪しげな医者の姿が・・?!
ついに、計画発動の時が来たのでしょうかー?!

感想です☆




第99話~ 「永遠の暇」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

外から攻める中央軍と、ブリッグズ軍の戦いは白熱していた。
ファルマンたちが必死に交戦するなか、バッカニアは意識を取り戻す・・。

彼は腹に刺さったままの剣を見て、何があったかを思い出す。
ブリッグズ兵たちは、彼にどうにか持ちこたえるように、と声をかけ続ける。
バッカニアは苦しそうに息をしながら、ただ戦況を見守るのだった・・。

一方グリードとフーは、ブラッドレイと激しい戦いを繰り広げていた。
短剣2本で、ブラッドレイは華麗に2人の攻撃をかわしていく。
そしてグリードをまずは床にねじ伏せると、彼はフーに向かっていった。

その狙いは、フーの持つ剣だった。
ブラッドレイは短剣で攻めたてながら、フーの腕から剣を弾く。
それからその剣を受け取ると、今度はその剣で猛攻撃を仕掛けた。

フーも短剣で対応しようとするが、ブラッドレイの勢いは衰えない。
彼は短剣を切り飛ばすと、目にも見えない速さでフーの額に斬りつける。

フーは額から血が噴き出て、視界を悪くした。
急いで目にかかる血を拭う彼の懐に、ブラッドレイが踏み込むー。

私より年寄りなのに、よく動いたものだ。だがこれで・・終わりだー。
そう言うと、ブラッドレイはフーの身体を切り裂いたー。

そのままフーは倒れていく・・。
それを目にしたグリードは、身体の中で熱く蠢くものを感じた。
彼と入れ替わりにーリンが現れる。

リンはとどめを刺そうとするブラッドレイの元から、フーを抱きかかえて救った。
その瞳を見たブラッドレイは、グリードがリンと入れ替わったことに気付く。
シンの皇子か・・。
2人は睨み合った。

ブラッドレイはフーを抱えるリンを見て、あの時と一緒だな・・と呟く。
またそうして捨てられないもののために、己の命を危険にさらす・・。
それに対して、リンは怒鳴った。

俺はお前とは違う。お前は自分の国の民をも見捨てようとしている。
あれは、俺が目指しているものとは違うー!!
彼は怒りを露わに、ブラッドレイを睨みつけるー。

それを聞いたフーは、王としてあるまじき男か・・と口を開く。
それは倒さねばなりませんな・・。
そう話す彼の口から、咳と共に血が噴き出た。

リンは眼を見開き、休んでいろ!とフーに言いつける。
するとフーは笑みを浮かべた。
そうですな・・暇をいただきましょう・・。

その瞬間、彼はリンの後頭部を殴った。
リンは神経をやられ、地面にもろく崩れ落ちる。
その身体に、フーは叫んだ。
グリード!硬化しろ!若の身体を守れ!!

それを聞いたグリードは、即座に身体を硬化させた。
その横を、フーが立ち上がり通り過ぎていく。
若・・王になりなされよ・・。

彼はそう言うと、ブラッドレイの前に立ち、服の前を開いた。
その胸には、複数の爆弾が結び付けてあった。
この老いぼれはここで・・永遠の暇頂戴いたす!!

そう叫ぶと、フーは爆弾の信管を抜く。
リンが怒鳴り止めるなか、彼はブラッドレイの元へ走り込んだ。
地獄へ付き合ってもらうぞ、ブラッドレイー!!!

だがー彼が腕を伸ばすなか、ブラッドレイは剣を一振りした。
剣は爆弾の導火線を切り、使えなくしてしまう。
更にその一太刀は、フーの腹をばっさりと斬りつけていた。
フーの身体は千切れ、更に大量の血が噴き出すー。

もはや彼の身体は、動かなかった。
この命賭けても、傷1つつけられぬというのか・・!
フーは絶望し、倒れ込んだ。
若・・面目ありませぬ・・
その意識が薄れていったその時だった。

ブラッドレイは、目を見開いた。
彼の身体をー剣が貫いたのだ。

その剣は、フーの身体を刺し、その身体を突き抜けてブラッドレイをも刺し抜いていた。
それは、バッカニアの捨て身の攻撃だった。
彼はフーの影で身を隠し、一瞬の隙を狙っていたのだー。

傷口が開き、バッカニアの身体からも血があふれ出る。
そんな中彼はフーに、地獄への道行き付き合うぜ・・と笑った。
フーも、かたじけない・・と薄く笑みを浮かべる。

ブラッドレイは一度死んだ。
だが彼はすぐに身体を再生させ、フーとバッカニアを蹴り飛ばす。
そうして腹から剣を抜いたところにー今度はリンが飛び掛かった。

彼は涙を流しながら、身体を鋼鉄化させた。
そして再生が遅れるブラッドレイの顔面に、その拳をめり込ませる・・。

ーその光景を、今中央司令部にたどり着いたランファンがまさに目撃していた。
彼女はフーが倒れるのを見て、叫び声をあげるー。


中央地下。
見たことのない老人に出くわしたエドたちは、警戒の姿勢を取った。

誰だ・・?
エドがそう尋ねると、老人は自分はブラッドレイを作った男だ・・と答える。

それを聞いたマスタングは、以前ブラッドレイから聞いた話を思い出した。
ブラッドレイは賢者の石を注入され、ホムンクルスになった。
ということはこの男は、そっち側か・・!
彼はグローブをはめる・・。

それを見た老人は、やっぱりそうなるか・・と息をついた。
そうして彼は手を上げる。
するとその合図に呼応して、天井から複数の男たちが降りてきた。
彼らは時間稼ぎをするようにーとの命に従い、エドたちに襲いかかる。

それから老人は、その中の5人の番号を呼んだ。
エドたちの相手は他の者に任せ、老人は5人を用意してあった錬成陣の上に据える。
そして錬成を行ったー。

何をした?!
エドが叫ぶと、老人はまだ第一段階だ、と話した。
それから、今度は老人が皆に尋ねた。
この中央に、大総統直轄の錬金術研究所は幾つあるか知っているかね?

その問いに、エドは考える。
今使われているのは、市内に4つ。いや・・
彼ははっと息を呑む。
第五研究所を入れたら、5つ・・!!

5つ・・5つの頂点を持つ錬成陣・・?!
彼の言葉に、ホークアイも気が付く。
まさか第三研究所の地下通路がカーブしていたのは、研究所をつなぐ正円を描いていたー?!

ーその通りだった。
5つの研究所の地下に張り巡らされた錬成陣は、老人の第一の錬成によってその力を発動した。
その衝撃により、中央には地震のような地鳴りが起きる・・。

その最中を、アルたちは車を乗り捨てて駆けているところだった。
彼らは地下へ入る道を探し、街中を駆け巡っていた。
その時、ハインケルが奇妙な感覚を覚え、立ち止まるー。

彼はすぐに、地面から離れようと跳んだ。
それを見たアルたちが怪訝な表情をする中、街でも異変が起きていた。
動物たちが、しきりに地下を向いて吠え出したのだ・・。

そしてそれは、地下に向かっていたイズミたちにも迫っていた。
イズミは何か嫌な感覚がし、そろそろ退き時かーと呟く。

それを聞いたオリヴィエは、ここまでの強力に感謝しイズミと握手を交わす。
それから、また穴を掘って戻ろうーとイズミが考えたその時だった。

突然、さっきとは比べ物にならない程の激しい衝撃が、中央全体を包んだのだー。

それは、中央を包みこむ錬成陣が発動した証だった。
5つの研究所をまたがったその錬成陣は、老人が据えた男たちをまずは呑み込んだ。
そしてそれが終わるとー今度は巨大な眼を開き、エドたち人柱を取り込もうと動き出したー。

エド、アル、イズミの足元に、それぞれ目が現れた。
その眼から黒い手が伸び、3人の身体を引きずりこもうとしていく。
3人は逃げようとそれぞれもがいたが、その力は強く、周りにいた者たちは皆弾かれてしまう。

そうしてー3人を取り込むと、目は閉じてしまった。
残された者たちは、突然目の前から消えたエドたちに、ただ呆然と立ち尽くすしかないのだった・・。
 



















未来を託す者たちの戦い。

今回はブラッドレイに対して、フーとバッカニアが命を尽くして戦った回でした。
フーの言葉に、涙が出ました。
王になりなされよ・・なんて、もう見られないことが分かっている言葉、聞きたくなかった・・。

バッカニアも、ここで退場。
2人の大人の生きざまを、しかと見せてもらいました。

これも大人の生き方であり、これからを担う若い者たちへの姿勢だったのだと思います。
大事なものを守るためなら、自分の命など問わないという態度。
最後まで自分らしく戦うという態度。
2人からは、そういう思いがまざまざと伝わってきました。

リンにも、それがきっと伝わったことと思います。
彼は本当にアメストリスに来てから、2人の従者の覚悟に支えられてきました。

その中では失意や絶望などもたくさん感じたと思います。
でもそれ以上に、2人から学んだことも多かったのではないでしょうか。

だからこそ彼は、自分の思いがブラッドレイとは異なるものだと強く言い切れるのでしょう。
民を大事にせず、周囲にいる者すら大事にできないー
そんなものは王ではない、と彼が強く言い切れる理由はそこにあるのです。

そしてそんなリンだからこそ、フーは自分がいなくなっても大丈夫だと考えたのだと思います。
本当にフーの生きざまはかっこよかった。
リンに、そしてランファンに思いを託し、自分は目の前の老獪を引き連れていこうという、まさに戦士としての姿を見せてもらいました。

ここで退場はものすごく辛いですが、この物語に流れる世代交代への意識を考えると仕方のないことなのかもしれませんね。
人の思いが次世代につながり、それを受け取った次世代が新たな世を作っていく。
マスタングがイシュヴァールを経て、平和な世を作るために大総統を目指すように、リンもこの戦いを経て、どんな王になるのか決意を新たにする時なのだと思います。

きっと彼の目指す国は、今の皇帝のように不老不死を目的に跡目争いなんて行わせないでしょう。
むしろそれぞれの民族同士で協力し合い、平和な世の中を作っていこうと思うのではないでしょうか。
戦争で仲間を失う怖さを、彼は誰よりもこの身に感じたはずですからー。

失うことは本当に辛く苦しいことですが、その経験があるからこそ世のため人のために生きることを考えるきっかけにもなります。
2度と同じことで苦しむ人たちを出したくない。その思いが、人を強くすることもあると思うのです。

フーもランファンも、そんな大事なことをリンに教えてくれました。
まだメイとの跡目争いの決着はついていませんが、どちらもアメストリスに来たことで様々な気付きがあったでしょう。
それを生かしてシンに持ち帰ってくれること、信じています。

あー・・でそうは言っても、辛いものは辛いですね。
フー、好きなキャラだったなぁ。お疲れさまでした。。




続いて、バッカニア。
こちらの戦い方も、まさに豪快!
ブリッグズの戦い方を見せてくれたと思います。

まさかフーの身体を隠れ蓑にして、ブラッドレイに攻撃するとは。
絵を見てもかなり強引で驚かされましたが、だからこそブラッドレイに一矢報いることもできたんですよね。
咄嗟に判断し、手段を選ばないその戦い方、まさに猛者!といった風情でした。
本当に今回のフーとバッカニアはかっこよかったなぁ。。

バッカニアもまた、後に残す者たちを信頼していたからこそ、戦えたのだと思います。
オリヴィエが常々言っているように、彼らは一枚岩であり、誰かが欠けたくらいで崩れるようなやわな集団ではないのです。
だからこそ、バッカニアは自らの身を賭して戦い抜いたのでしょう。

オリヴィエもショックを受けはするものの、きっと潔く彼を見送るのでしょうね。
ブラッドレイに一矢報いたのです。バッカニアは十分にその役目を果たしましたよ。
彼もまた、本当にお疲れ様でした・・。


で、ブラッドレイですが・・バッカニアたちの攻撃は致命傷となったのでしょうか?
その後のグリードの攻撃も直撃しているし、これってかなり効いたということですよね?
余りに強すぎるから弱点なんてなさそうに見えるけど、さすがに何かはあるでしょう・・というか、そう信じたい・・。

1つ思うのは、やっぱり元が人間の身体というところかなぁ。
本人も体力の衰えや視力が落ちたことを口にしているので、何か他のホムンクルスとは違う身体構造なのかもしれませんね。

なのでもしかしたら、傷の再生が遅いとか、命の数が残り少ない・・とか色々と制約があるのかもしれません。
そういうハンデがあれば、この先も攻め込んでいけばいずれは倒れる見込みも出てきます。
ってか、さすがに1人だけ絶対死なないなんてある訳ないんだから、死んでくれなきゃ困りますよね(^^;)

ただここで決着がつくかは、ちょっと疑問になってきました。
というのは、計画の発動が始まってしまったから。
お父様ーホムンクルスの計画が発動したら、当然ブラッドレイやセリムにとってはそっちの方が重要です。
戦いは一旦中断して、地下へと向かうのではないかと思われます。

それにブラッドレイには、マスタングに真理の扉を開かせるという仕事が残っています。
計画発動までまもなくとなれば、もう猶予はありません。
何をおいても、そちらを優先するのではないでしょうか。

となると、彼はまだまだ生き続ける可能性の方が高いわけで・・。
しぶとい、本当にしぶといです。
これにセリムまで加わったら、人間側はかなりの窮地に追い込まれるのではないでしょうかー。

この状況に、リンとグリードはどう臨むのでしょうね。
そもそも計画が発動したら、彼らの身体も無事でいられるのかという問題もある訳ですが・・。でもこのまま戦いを終えてほしくはありませんよね。。
フーのこともあるのですから・・。

なかなか崩れることのないブラッドレイの牙城。
誰がこの戦いに決着をつけることになるのか、まだまだ目が離せませんね。

物語も佳境。ホムンクルスの計画によっても、戦況はだいぶ変わりそうです。
さてどうなるかー
引き続き注視したいと思います!





最後に、地下での錬成について。
キンブリーを治した医師・・ブラッドレイをホムンクルスにした医師だったんですね!そういえばこんな見た目だったのを思い出しました。

彼のやり方、本当に反吐が出ますね。
ブラッドレイの同志たちーブラッドレイになれなかった者たちを、彼は40年余りもの間ずっと弄んできたのです。
彼らにだってブラッドレイのように1人の人間としての人生があったはずなのに・・その全てを台無しにしたのだと思うと、憤りしかありません。

ブラッドレイだってたまたま選ばれただけであって、この男性たちと同じような目に遭っていたのかもしれない・・。
彼はこのことをどう感じていたのでしょうね。

とても選民意識にうぬぼれていたようには思えないので、どちらかというと諦観の念が強かったのでしょうか・・。
運命には抗えないというか、ただ用意されたレールの上だけを歩き、決して疑問を持たないようにしていたように思えるのですよね。
その辺は本人にしか分からない部分ではあるのでしょうが・・、だからこそ彼は若者たちを眩しく感じていたのかな、と個人的には思っています。


で、錬成陣に話を移しますが、どうやら錬成陣は幾つか用意されているようですね。
今回発動された5つの研究所を結ぶ錬成陣、そして国土をまたがる錬成陣の少なくとも2つはある訳で、もしかしたら他にもあるのかもしれません。

そうだ、恐らく人体錬成の陣も用意されているはずですよね。
マスタングに真理の扉を開かせなければいけないのですから。

で、今回の錬成陣の発動は、まさに予想外でした。
まさかエドたちが召喚されてしまうとは。
これだといくら逃げようとも、中央にいる限りは捕まってしまう訳で・・。ちょっとチートが過ぎませんか(^^;)

当然アルも召喚されたので、人柱4人が結集してしまう事態となりました。
後はマスタングが揃えば、計画は発動できてしまう・・。実にホムンクルスにとっては都合のいい展開です。

このまま日蝕が訪れたら、計画を阻止することはもうできないのでしょうか。
逆転の錬成陣が用意されているようですが、それを使えば本当に計画を止めることができるのでしょうか?

なんだか大きな力の前に、なす術なくなっているように感じられて怖いです・・。
次巻ではブラッドレイとセリムも揃うでしょうし、これこそ絶体絶命のピンチではないでしょうか。

この事態を打開するのは誰になるのかー
国民の命を守るためにも、皆には最後まで自分たちにできることを頑張ってほしいと思います。









さて、次回は人柱が揃い、計画が発動される回でしょうか。
いよいよマスタングにも、ホムンクルスたちの手が伸びそうですね。

マスタングは真理の扉を開けることになってしまうのか。それとも阻止することができるのか。
どうかホムンクルスたちの思うがままの展開にはならないよう、祈りたいと思います・・。

後はブラッドレイ戦もどうなってしまうのか、気になりますね。
フーを亡くしたリンは、ブラッドレイを打ち倒すことができるのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆