今回から、25巻です!

前回、ブラッドレイとの死闘を尽くしたフーとバッカニア。
彼らの思いを引き継いだリンは、ブラッドレイを倒すことができるのでしょうかー。

そして、ついに発動したホムンクルスの計画。
人柱3人が召喚され、このままホムンクルスの思い通りに国は滅ぼされてしまうのでしょうかー?!

感想です☆





第100話~ 「開かずの扉」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

研究所の地下をつないだ錬成陣は、中央の街をも揺らしたー。
地震のような地響きを感じ、人々は不安に表情を曇らせる・・。

そしてその異変は、グリードとブラッドレイの元にも届いていた。
ブラッドレイは爆発のような光を見ると、グリードとの戦いを終わりにしようと、自らを伴って中央司令部の建物から彼を突き落とそうとする。

足場を失ったグリードは、必死で壁に掴まる。
だが彼を落とそうと、ブラッドレイがその腕にしがみついた。

2人は宙づりになり、グリードは腕がもげそうな重みに震えた。
そして彼はついに、壁から手を放してしまうー。

が、その腕を掴む者がいた。
ランファンだー。
彼女はオートメイルの腕を軋ませながら、男2人を持ち上げようと必死に力をこめる。

それを見たグリードは、こっちは放っておけ、と叫んだ。
義手でこの重さを支えるのは無理だ。お前はじいさんの心配をしていろー・・

だがランファンはその言葉に、首を振った。
その面の下から、涙がこぼれ落ちる。
もう・・間に合わないー・・

その言葉通り、フーには既に息がなかった。
ランファンはその側にいるブリッグズ兵を呼び、持ち上げるのを手伝うように伝える。
そこで兵士の1人が、ブラッドレイに向けて銃を撃った。
これで終わりだー!!

けれどもブラッドレイはその攻撃に、持っていた短剣を投げつけた。
銃弾はよけられたものの、彼はその動きによってバランスを崩して落ちていく・・。
建物の下は、貯水池になっている。彼はそのままその中に沈み、姿を見せなかった・・。

一方兵士たちに引き上げられたグリードは、フーの情報を聞いた時からリンに入れ替わっていた。
彼は急いでフーの元へ駆けよると、医者はいないか?!と周囲に声をかける。

賢者の石がここにあるんだ!いくらでも使ってくれ!!
リンはそう叫ぶが、その場にいる者は誰も答えない。皆気まずそうに下を向くばかりだ・・。

それを見たリンは、絶望に表情を歪ませる。
ここは錬金術大国だろ?!誰かいないのか?!誰かー・・

やがて彼は膝をつき、泣き崩れた。
何でだ・・。
彼は拳を地面に打ち付け、慟哭した。
俺が得た「これ」は、不老不死になれるものじゃなかったのか・・!!

その時、バッカニアが血を吐き、意識を取り戻した。
リンは力なく、治してやることができない・・と彼に謝る。
バッカニアのおかげで、自分たちはブラッドレイに致命傷を与えられた。フーの死も無駄ではなくなったのに、自分には何もしてやれることがない・・。

彼がそう泣く間にも、中央軍がどんどん正門から侵攻を試みていた。
ブリッグズ軍の装備はもう弾が少なく、じり貧だ。
その騒ぎを聞いていたバッカニアは、リンに声をかけた。

恩義に思っているなら、1つ頼まれてくれないか・・。
彼は中央司令部の入り口を指さし、オリヴィエの命だからこの扉を守ってほしいーと話す。
お前の力ならできるだろう。いや・・お前にしかできないから、頼むー。

彼の言葉に、リンは周囲を見回した。
ブリッグズ軍、ランファン・・皆の目が、自分に集まっている。
それを確認した彼は、中のグリードに話しかけた。

力が欲しい。貸してくれー。
その要請に、グリードはうなづく。
いいぜ、こっちの予定まで、まだ時間がある・・。

そう言うと、彼は立ち上がった。
シンの人間は、盟約を必ず守るー。
彼は身体を鋼鉄化させると、銃弾を放ってくる中央軍に向かって突進していく。

その鋼鉄の身体は、銃弾を難なくはねのけた。
驚く兵士たちに、グリードはにやりと笑って告げる。
怪我したくない者!家族・恋人のいる者は下がれー!!

それからグリードは、中央軍に突っ込んだ。
周りにいる者を全てなぎ倒していき、車にも飛び掛かる。
そして圧倒的な力で車をひっくり返し、兵士たちを怯えさせた・・。

ブリッグズ軍も、味方についたその男の強さに恐れ入り、言葉をなくした。
すごい・・リン・ヤオ。いや・・ホムンクルスか・・?味方につけると、何と頼もしい・・!!

ーそれを聞いていたバッカニアは、安堵し笑みを浮かべた。
うむ、これで安心してくたばれる。

彼は何とか持ちこたえてくれ、と懇願する兵士たちに、手を掲げてみせた。
ふん・・中央の煤けた空は肌に合わん・・。
彼はその手を額にかざし、敬礼してみせる。

さらばだ、同志。ブリッグズの峰より少し高いところへ、先に行ってるぞ・・。
そう呟くと、彼の身体から力が抜けた。
バッカニアは皆に見守られ、その生を終えたのだったー。


中央市街。
人々はクーデターの詳細が分からず、焦れていた。

あれからラジオ・キャピタルの続報はない。
外出禁止が呼びかけられるだけのなか、彼らは各々不安を感じていた。

そんな中、エド・アル・イズミは地下のある場所へと呼び出されていた。
ここがどこかも分からず、エドとイズミは戸惑う。
そしてーもう1つ大変なことが起きていた。

呼び出されたアルが・・気絶しているのか、全く動かないのだ・・。

必死に彼に呼びかけを続けるエドたち。
するとそこに、何者かが近づいてくる足音がした。

1、2、3、4・・4人か。1人足りないな・・。
そう言って近づいてきたのは、人の形をしながらも全身に目を持つ真っ黒の生き物だった。
エドたちは眼を見張り、その身体の中にホーエンハイムが取り込まれているの見て、更に驚く。

あれからホムンクルスはホーエンハイムの身体から賢者の石を取り出すのを諦め、抵抗しないよう彼を自分の身体の中に拘束していた。
エドがお前は誰だ・・?と尋ねると、ホーエンハイムが代わりに答える。
こいつはホムンクルスたちにお父様と呼ばれていた奴だよ・・。

その変わり果てた姿に、エドは戸惑いを隠せなかった。
だがホムンクルスはそんなことには興味がないらしい。ホーエンハイムに大人しくしていろ、と注意すると、彼はエドたちの方へ踏み出した。
歓迎するぞ、人柱諸君・・!!

その異様な圧迫感に、エドたちは警戒の構えを取った。
エドはアルに起きるよう声をかけるが、アルにはまだ反応がない。
どうすればいいのか・・。
エドは焦り、額に汗をにじませるのだった。


同刻ー
第三研究所の地下では、老医師が人柱が揃っていなかったことに不満を漏らしていた。
彼はブラッドレイになり損ねた者たちに残りのメンバーの相手をさせながら、残りの1人の人柱をどうすべきか・・と考える。

一方マスタングたちは、エドを連れ去られたことで少なからず動揺していた。
おまけに老医師の兵士たちは、皆強い。スカーもホークアイも押され、マスタングも腕を押さえられてしまう・・。

それを見ていた老医師は、手を叩いた。
よーし、いいぞ。そのまま・・。
彼は3人が身動きが取れなくなったのを確認すると、マスタングの元へと歩み寄る。

ラジオ局にいるものと思っていたが・・時間がないので助かるよ、マスタング君。
彼はそう言うと、マスタングに提案を持ちかけた。
君・・ちょっと人体錬成をして、扉を開けてくれないかね?

老医師は、誰でもいいから人体錬成をするんだ、とマスタングに迫った。
恋人、友人、亡くなった親・・そうだ、ヒューズ君でもいいよー。
その顔に浮かぶおぞましい笑みを見て、マスタングは眉をひそめる。
人柱という奴か・・。
彼が呟くと、老医師はうなづいた。

マスタングは一笑し、エドたちの失敗を知っているのにやる訳がないだろうーと答える。
だが老医師もまた、譲らなかった。
扉さえ開けて戻ってきてくれればいいんだよ。

そう言うと、彼は瞳を光らせた。
言ったよね、時間がないってー・・

その瞬間、ホークアイを取り押さえていた男が、彼女の首を切った。
一気にそこから血が噴き出し、ホークアイの身体が崩れる・・。

それを見たマスタングは、絶叫した。
中尉!!!
そんな彼に、老医師は迫る。

さあ、扉を開けてみようか・・。マスタング君ー!




















5人目の人柱。

今回はホムンクルスの計画発動に向けて、マスタングが5人目の人柱となるよう迫られる回でした。

いよいよ計画発動の時が近づき、エドたちもホムンクルスとご対面!
でもアルも動かないし、マスタングにも危機が迫るしで、状況は芳しくないですね・・。

ブラッドレイも死んでいないし、ここからは人間たちはどんどん追い詰められていきそうです。
どうにかしてホムンクルスを止められる手立てはないのでしょうか・・。

ブラッドレイは、本当にしぶといです。
ただ怪我の具合を見ていると、フーとバッカニアの攻撃は意外と致命傷となっているようです・・。

これは彼が元は人間だからでしょうか。
他のホムンクルスより、命の数は少ないのかもしれないですね。だからこそ、全ての戦いに全力を向けてくるのかもしれません。

今回グリードとの戦いはお預けで逃げられてしまいましたが、このまま傷の治りが悪ければ、倒せる可能性も見えてきましたね。
恐らくマスタングを人柱にするために、彼は研究所の方へ向かうでしょう。
そこには、スカーがいます。

国のトップとして国民を虐げ、一部族を滅亡させた張本人。
やっぱりスカーとの戦いは避けられないものがあると思います。
グリードではなく、スカーこそがブラッドレイを最後に倒す者となるのかもしれませんね。

まだどうなるかは分かりませんが、人間たちが協力したからこそ、ここまでブラッドレイを弱体化させられたのだと思います。
そしてそれこそが、ホムンクルスには欠けているものです。

人間とより深く関わってきたブラッドレイなら、そのことはよく分かっているはず。
自分を追い上げる者たちに対して、ブラッドレイは何を思っているのでしょうか。
彼の生きてきた意味にも、そろそろ答えが出る頃なのではないかと思います。

人間として生まれ、ホムンクルスとして国のトップに立ってきた男ー
けれども彼はかつぎあげられてきたに過ぎず、彼を本当に理解し側にいようとしてくれたのは、夫人だけだったのでしょう。

一方人間たちは1人1人は微力でも、支え合い助け合うことで、彼の前に何度でも立ちはだかってきます。
そんな人間たちを目にして、ブラッドレイは自分の生きた意味に何を見出すのか・・。

フーとバッカニアの立派な最期を見ると、どうしてもそんなことを思ってしまいます。
2人の死に報いるような答えが、ブラッドレイから聞くことができるのか、引き続き見つめ続けて生きたいと思います。



で、今回、フーに続いてバッカニアがその生を終えました。
空を仰ぎ、皆に別れを告げて笑顔で逝ったバッカニア・・。
かっこよすぎて、もう言葉が出ませんよ!!

できれば、バッカニアにはブリッグズの大地で休ませてあげたかったですね。
本当、彼には中央の空なんかじゃ合わないですよ。
立派だった。ブリッグズの戦いというのを、しかとこの眼で見させてもらいました。

オリヴィエがこの報せを聞くときを思うと胸が張り裂けそうですが、きっと彼女もしっかりと笑顔でバッカニアを見送るのではないかなと思います。
本当にブリッグズの生きざま、すごく強くてかっこよくて、尊敬でしかありません。

どうかゆっくり休んでください。
バッカニア、お疲れ様でした・・。



さて、後はグリードですね。
今回はリンとグリードが入り混じっていましたが、正直もうどちらがどちらか分からないくらい、2人共鳴し合っているように感じました。
きっと人間と深く関わってきたことで、グリードも変化したのでしょう。バッカニアの頼みを聞いて戦うグリード、ちょっとぞっとするくらいかっこよかったです。

そしてリン・・。彼もまた、今回は大事な気付きを得ました。
フーを生き返らせたいと、皆に助けを乞う姿、辛かったですね。

賢者の石はあるのに、それを使える者がいない。それなら、賢者の石があっても人を救えることにはならない。
不老不死なんて、理論だけでは意味などない・・。
そのことを痛感させられました。

この事実を受けて、リンはどうするのでしょうね。
賢者の石を持ち帰ったところで、それを使える錬金術師がいなければ、不老不死は叶いません。
一時的に皇帝からの賞賛を受けはするでしょうが、皇帝を助けることは到底できないでしょう・・。

あれ?でもそれでいいんでしたっけ?
次期皇帝の座さえ決まれば、リンたちとしては皇帝が亡くなっても問題ないですもんね。
皇帝が死ぬまでに戻らなければ意味ないけど、間に合えばそれでいいのかな・・。ちょっと分からなくなってきた(^^;)

となると、このままでいいのかな・・。
賢者の石であっても救えないものはある。そのことを知れただけ、彼はまた1つ成長したということなのかもしれませんね。
皇帝になるかもしれない身としては、大事な気付きですよね。人命の大切さ儚さを、知ることとなったのですから・・。

フーのことは本当に残念で辛いですが、リンとランファンならこの事実さえも乗り越えてくれると信じています。
まだメイがいるので結果は分かりませんが、グリードがリンたちと関わってから着実に変化をしていることを考えると、リンには確かに人を動かす力があると思います。

どうかその良さを大切に、最後まで戦い抜いてほしいです。
それこそが、フーの願いだったと思うので・・。







さて、次は人柱たちについて。
ついに地下に集められてしまったエドたち。
ホーエンハイム・・予想以上にヤバい姿になっていて、驚きました。

これはかなりピンチなのではないでしょうか・・。
逆転の錬成陣を用意しているとはいえ、あのホーエンハイムがここまでやられてしまうとなると、ホムンクルスの強さは相当です。
更にここにはセリムも向かっているでしょうから、まさに絶体絶命の状況ではないでしょうか・・。

ただ気になるのが、アルのこと。
恐らくまた魂と身体が分離してしまったのかなと推測されますが、彼の意識が戻らないと、もしかしたら計画の発動ができないのでは?!と思ったんですよね。

魂がなければ、アルの身体はただの鎧です。
ということは、人柱には不足である気がするんですよね。
これって、この状況においては光明となりうるのではないでしょうかー?!

マスタングが真理の扉を開いてしまったとしても、人柱が揃わない・・。
この状況が続く限り計画の発動がならないとしたら、日蝕に間に合わない可能性も出てきます。
もはや運頼みですが、たとえ運頼みだとしても可能性には賭けたいですよね!

でもこの案も、アルの魂が戻ってきてしまったらおしまいなんですよね・・。
それにアルの意識がないのもまだ原因が分からないので、あまり楽観視できないのが辛いところ。
まずはアルの身体に何が起きているのか、そこを知りたいです。

5人揃ってしまったら、もはや計画の発動は止められません・・。
皆の命を守るためにも、何としてもそれだけは阻止したいですね。
どうか最悪の事態とだけはなりませんようにー。






さて、最後はマスタングについて。
こちらはまさに最悪の事態。予想通り真理の扉を開けるために、ホークアイが命の危険にさらされてしまいました!

老医師は、目的のためには人命1つなど何とも思っていません・・。
医師のはずなのに、本当に反吐が出る人物です。何とか天罰を与えられないものでしょうか!
ホークアイ・・このままでは失血死してしまいます・・。

マスタングはこの事態を受けて、どちらの選択をするのでしょうか。
彼の今までの生き方を考えると扉は開かないと信じたいですが、そうなるとホークアイは死んでしまいます・・。
何とか助かる術がない限り、最終的には扉を開かざるを得ないのではないのかな・・と思います。

更に不安要素は、ここにブラッドレイが向かっているだろうこと。
そうなると、ホークアイには更に命の危険が迫る可能性もあります。
そうなったら、さすがのマスタングも屈せざるを得ないのではないでしょうか・・。

うーん、想像するだに辛い立場ですね。
この状況を知ったら、周りは理解してくれるでしょう。
でもマスタング本人は、絶対に自分を許すことはないでしょう。そのことを思うと、彼の今後すら閉ざしかねない状況ですよね、今のこの状況・・。

それにホークアイも、絶対に人体錬成はするな、とマスタングに言うでしょう。
彼女は助けてほしい、なんて口にするような女性ではありません。それが分かっているからこそ、ここでの判断は本当に難しいと思います・・。

スカーもいるけど、スカーにはここでは何もできないでしょう。
試されるのはマスタングの判断、そしてマスタングとホークアイの絆です。

彼ら人間の思いは、ホムンクルスの企みにも打ち勝つことができるのかー。
どんな展開となるのか、待ちたいと思います・・。












というわけで次回は、マスタングが人体錬成を行うかーという回ですね。
彼は拒むでしょうが、ホークアイの命がかかっています。

それに老医師やブラッドレイは、何が何でも彼に扉を開かせようとしてくるでしょう。
そんな状況で、マスタングがどれだけもつか・・不安でいっぱいです。

また、意識の戻らないアルのことも心配です。
このまま魂が戻ってこないということもあり得るのでしょうか・・。彼の身に何が起きているのか、早くはっきりと知りたいものです。


どんどん追い詰められていくエドたち人柱。
日蝕はもう間近、一体どうなってしまうのでしょうかー!!

次回も楽しみです☆