前回、ついに発動したホムンクルスの計画。
けれどもそこにいる人柱は4人・・錬成陣に1人足りませんでした。

そこで人柱をもう1人用意するために、マスタングに人体錬成を迫る老医師。
彼はそのために、ホークアイの喉元を切り裂きますー。

追い詰められたマスタングは、何を選択するのでしょうかー?!

感想です☆




第101話~ 「5人目の人柱」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

地下の下水道ー
ブラッドレイはそこから這い出て、ある場所へと向かう・・。

同刻、オリヴィエたちはイズミが姿を消したため、本部に何か情報は無いかと連絡を入れていた。
アームストロングはそれを見ながら、考える。

彼は以前、エドたちが人体錬成を行った際に黒い手によって真理の扉に引きずり込まれたと聞いていた。
あの手はもしかしたら・・
そう考えていると、本部に連絡していた兵士の顔色が変わった。

彼はオリヴィエに、本部には変化はないが・・と前置きした上で、今聞いたことを伝える。
バッカニア及び兵士数名が、ブラッドレイとの戦闘において死亡したーと。

それを聞いたオリヴィエは、目を見開いた。
兵士は更に続ける。
バッカニアがシンの者と協力してブラッドレイに致命を負わせ、堀に突き落としたこと。グリードというホムンクルスがブリッグズ軍につき、正門をオリヴィエの命令通り死守していることー。

そして彼は最後に、バッカニアが笑って死んでいったらしいことを告げた。
それらを聞いたオリヴィエは、息を1つ吸い込んだ。
そして表情を崩さず、そうか、とうなづく。

奴が笑って逝ったのなら、我らが泣く訳にはいかん。進もうー。
その言葉に、兵士たちは涙をこらえ賛同する・・。

彼らはそのまま正門は任せ、イズミを探すことにするのだったー。


中央地下。
首を斬られたホークアイは、床に打ち捨てられた。

痙攣する彼女の首からは、どんどん血が溢れ出していく。
マスタングは身体を押さえられながらも、大丈夫か?!と懸命に呼びかけた。

そんなマスタングに、老医師は人体錬成を行うことを迫る。
人間兵士たちも彼の命に従い、ホークアイを錬成陣の真ん中に引きずっていった。

だがホークアイは息を荒くしながらも、老医師に抵抗した。
私は死なないわ・・。命令で死ねないことになっているのよ・・。

老医師はそれを戯言だ、と馬鹿にして笑った。
そして彼は、尚もマスタングに問いかける。
どうする、マスタング君。君の大事な女が死にかけている。放っておけばすぐに失血死だ。
だがー・・

彼は懐から、賢者の石を取り出した。
私は錬金術の使える医者で、賢者の石を持っている。さあ、君の取るべき選択はー?

老医師の足元で、ホークアイの動きは段々鈍くなっていく・・。
人体錬成なんてする必要ない・・。
そう彼女は呟くが、このままではホークアイが死んでしまうのは明らかだった。
マスタングは選択を迫られ、唇を噛みしめるー。

その時、彼はホークアイの瞳を見た。
そしてー彼はついに決断する。

分かった・・。
彼は笑みを浮かべる老医師を、ぎっと睨んだ。
分かったよ、中尉。人体錬成はしないー!!

その予想もしない言葉に、老医師はあんぐりと口を開けた。
見捨てるのか?
そう咎める彼に、マスタングはふん、と鼻を鳴らす。
見捨てる?大総統候補たちを捨て駒のように扱う貴様には言われたくないなー。

すると老医師は笑った。
彼らは親に捨てられ、そのままでは死んでしまう運命だった。
そんな彼らに一流の教育を与えた。存在意義を与えた。
この者らは私に感謝しているだろうよ。

どうやら老医師は、本気でそう言っているらしかった。
マスタングはそんな彼を、冷たく見据える。
そんなだから、貴様は足元をすくわれるのだー。

その瞬間、老医師の身体が消えた。
その場にいた者たちが目を見張るなか、上の方からうめき声が聞こえ、一行は一斉に天井を見上げた。

そこには、キメラ化したジェルソがいた。
彼はその舌で老医師を絡め取り、感謝しているだって?と声をあげた。

便利な身体だとは思うが、てめえらみたいなタイプは正直ぶっ殺したいね。
そう言って、ジェルソは舌を締め上げる。老医師はもがきながら、放せと訴えた。
今この場で錬金術を使える医者は私だけだ!私を殺せば、あの女は助からないぞー!!

だがージェルソはその言葉を、一蹴した。
瞬間、彼の横から、メイとザンパノが飛び出す。
2人は地面に降り立つと、人間兵士たちに攻撃した。

その攻撃に、兵士たちは虚を突かれた。
それを見逃さなかったスカーが、彼らの腕をすり抜ける。
マスタングもまた兵士たちの剣を奪い、攻撃に転じた。

それから彼は走り、地面を転がる賢者の石を手にしようとする。
賢者の石と聞いたメイも、急ぎ駆け寄る。
だが彼女はホークアイの元へ急ぐマスタングを見て、その足を止めた。

目の前にある賢者の石を持って帰れば・・。
メイの中に、葛藤が生まれる。けれども彼女は血を流すホークアイを見て、その思いを呑み込んだ。
ーーーー!!!こっちが先です!!

そう叫ぶと、彼女はマスタングたちの元に駆け寄った。
そして急ぎ錬成陣を描くと、ホークアイの首の傷を封じ止血した。
とりあえずこれで命は助かる・・。
マスタングはホークアイを抱きしめると、安堵の息を漏らした・・。

そんな彼に、ホークアイは笑いかける。
私の目配せに、よく気が付いてくれました・・。
そう話す彼女に、マスタングも付き合いが長いからなーと笑みを見せる。

その間に、周囲の人間兵士はスカーとキメラたちが全部倒していた。
メイははっと顔を上げると、まだ床を転がったままの賢者の石に目をやる。
あれを手に入れれば・・!
彼女は足を向けたが、次の瞬間その背をびくっと震わせた。

そこにーブラッドレイが姿を現したのだー。
彼は石を手にすると、メイを睨む。
その身体から血が滴っているのに気づいたマスタングは、再生が追いついていない・・?と眉を上げた。

一行は、ブラッドレイと向き合った。
ブラッドレイはマスタングに目をやると、人体錬成をしなかったのは予想外だった・・と口にした。
マスタングも、少し前の自分ならやったかもしれない・・と応える。

だが今の自分には、止めてくれる者や正しい道を示してくれる者がいますー!!
彼はそう言って、ホークアイやスカーを見やる。
それを聞いたブラッドレイは、楽しそうに笑いだした。

いつまでも学ぶことを知らない哀れな生き物かと思えば、君たちのように短時間で学び変化する者もいる。
全く人間という奴は、思い通りにならなくて腹が立つ・・。

その時、メイは違和感を感じて足元に目をやった。
この真下にいる・・。
彼女がスカーにそう囁くのを聞いた老医師は、あの方の邪魔はさせない!!と再び暴れ出した。

ジェルソは舌の力を強くし、諦めろ、と老医師に声をかける。
お前はこの俺が・・

そう言おうとしたジェルソの身体から、突然血が噴き出した。
上から降ってくる血しぶきに驚き、皆は天井を見やる。

すると、ジェルソが傷だらけで落ちてきた。
慌てて彼に駆け寄ったザンパノとダリウスは、嫌な気配を感じて総毛立った。
逃げろーー!!
ダリウスが叫ぶ・・

が、逃げるには間に合わなかった。
天井から、セリムの影が現れたのだー。

彼は影と共に降り立つと、その場にいる皆を眺めた。
その瞬間、ブラッドレイがものすごい速さで駆けだした。

自分に向かってくるー!!
気付いたマスタングは、ホークアイをダリウスたちに頼むと、腕を伸ばす。
だが彼が放った火花をブラッドレイはよけた。
そして爆発をかいくぐり、彼はマスタングに飛び掛かったー。

馬乗りになられ、マスタングは身体を地面に打ち付けた。
ブラッドレイはマスタングの両手に剣を刺し、錬金術を封じる。
マスタングは痛みにもがき、呻き声をあげた。

それを見たダリウスたちは急ぎ加勢しようとするが、今度はセリムの影がそれを制した。
一気に形勢が逆転し、人間たちは動けなくなってしまう・・。
それを見た老医師は、勝利の叫びをあげた。

よくやった、ブラッドレイ!さすがは私が育てたー・・

だがその言葉は、続かなかった。
傲慢に酔いしれる彼の身体を、セリムの影が貫いたのだー。

その影はそのまま老医師の身体を呑み込み、吸収していく。
そしてその死体を、錬成陣の中央に据えた。

その錬成陣には、ブラッドレイに動きを封じられたマスタングもまた据えられていた。
準備が整ったことを確認すると、セリムはマスタングに告げる。
これで5人目。最後の1人だー。


同刻、中央市街では動物たちの鳴き声が至るところで聞かれた。
なぜ今日はこんなに動物たちが騒ぐんだ・・?
人々は不思議に思いながら、そういえば・・と空を仰ぐ。

空では、今まさに日蝕が始まろうとしていた。
太陽が、次第に姿を消していくー・・。




















開かれる真理の扉。


今回は5人目の人柱を生むために、マスタングが人体錬成を迫られる回でした。
ついにブラッドレイにセリムが集結!
ホークアイが一命を取り留めたものの、相変わらず大ピンチであることには変わりありません。

このまま真理の扉は開かれてしまうのでしょうかー?!
いよいよ日蝕も始まり、クライマックスまっただなかです!!


ただ、そんな中でもマスタングとホークアイの意思疎通ぶりは素晴らしかったですね!
2人の絆、しかと見せてもらいました!

死にそうになっているのに、あの状況で冷静に状況を見て伝えられるホークアイもすごいし、動揺しながらもその指示をしっかり判断できるマスタングもすごい。
まさに付き合いが長いからできることだし、さっきのエンヴィーとの件も効いていたと思います。
あれがあったから、マスタングは冷静さを失わずに済んだのではないでしょうか。

ただこれでようやく老医師に一矢報いたと思ったのに、そこからの展開が怒涛すぎましたね・・。
ブラッドレイとセリムという最悪の組み合わせの前に、なす術なく・・。

ブラッドレイも傷が回復していないのに、あの速さで動きますからね。
まさに死角なし!どこまで化け物なんでしょう、この方・・。

セリムも相変わらず不気味な雰囲気を醸し出しまくってるし、これ誰が誰と戦うのでしょう。
ブラッドレイはスカーだと思うけど、セリムと戦える人間はいないように見えるのですが。。
うーん、この中だとメイになるのかな。

マスタングは人体錬成をさせられた場合、身体の一部を失うことになってしまいます。
そうなると彼がこれからの戦いに参加することは、もう無理となるでしょう。

残念ですが、そうなる可能性の方が高そう。
あの老医師を人体錬成するというのが受け付けませんが、ブラッドレイもセリムもマスタングを逃がしはしないでしょうからね・・。
うーん、どうにか逃れたというのに、この展開はひどすぎる(><)

また彼がどこを失ってしまうのかも、不安要素ですね。
個人的にはブラッドレイ同様、片目かなー・・と予想してますが、さてどうなるかー。
なんとなく、トップを目指す者として同じような見た目になるのではないかと・・。適当な予想ですがw

そしてマスタングが真理の扉を開いてしまったら、ついに5人目の人柱も完成してしまいます。
アルの意識がないのが救い?ですが、日蝕も始まってしまったので次回には計画が発動してしまうのではないでしょうか。

錬金術師5人を取られ、手負いとはいえホムンクルスが親玉含めて後3人・・。
厳しい、厳しすぎる状況です。
一体どうやったらこの状況を打開できるのかー・・。

戦えるメンバーは、リン、メイ、スカーくらいかな。
オリヴィエたちもいますが、ブラッドレイやセリムとはさすがに対等に戦えるとは言えないでしょう。
うーん、良い策が思いつきませんね。これは一旦計画の発動を待つしかないのでしょうか・・。

逆転の錬成陣が発動すれば、ホムンクルスたちに一撃を与えることができるのかもしれませんからね。
そして計画が阻止できれば、エドたち、イズミ、ホーエンハイムも戦えるようになるでしょう。
今は一旦計画の発動を待ち、エドたちの身が自由になることに賭けるべきなのかもしれません。

なんだか排水の陣という感じがぬぐえませんが、それほど厳しい状況というのも事実。
ここは相手の出方を窺ってみるのも一手かな、と思いました。


ただそんな中でも、ブラッドレイとは今戦ってしまった方がいいような気もします。
ホムンクルスの元へ行ったら、また彼が回復しちゃうかもしれませんからね。
傷が再生しきっていない状態の今の方が、ブラッドレイを倒すには好機なのではないでしょうか。

となると、スカーには期待したいですね。
イシュヴァールを奪われた者として、彼もブラッドレイに引導を渡すにはふさわしい人物です。
今までの怒りの全てをぶつけて倒し、スカーもまた新しい道へと進む時なのかもしれません。

けれどもブラッドレイも手負いとはいえ、まだまだ戦意に満ちています。
むしろ人間の成長を目の当たりにして楽しそうですらあるから、怖い・・。

きっとフーとバッカニアの命を賭した攻撃も、彼にとっては面白いものに映ったんだろうなぁ。
強い者と戦えてよかった・・。
そんな風に思っているような気がします。。

化け物ではあるけど、人間を理解しようとしているようにも見えるブラッドレイ。
彼にとって人間との戦いは、人間を知るための好機であり、楽しいもので仕方ないのではないでしょうか。

きっと負けたとしても、彼は後悔せずに逝くのでしょうね。
いよいよ最後の戦いが近づいています。
どんな生き様を見せてくれるのかー
スカーとブラッドレイから目を離さないようにしたいと思います。





さて、最後にメイについて少し。

今回も賢者の石に後少しで手が届きそうだったメイ。
けれどもブラッドレイの登場により、それは叶わぬものとなってしまいました。

その前に手に入れておけば良かったのでしょうが、あそこで人命を優先するのがメイの良いところでもあるんですよね。
でも一方で、そこが弱点でもある・・。

このままだと、最終決戦が終わったときにはリンの勝利となってしまいます。
彼は体内に賢者の石を持っていますからね。シンに持ち帰られたら、リンが次期皇帝で決まってしまう
でしょう。

メイの民族の事情も知っているので苦しいですが、段々その可能性が高まってきましたねー・・。
ここからメイがチャンスを掴む機会があればいいのですが・・後はホムンクルスたちを倒すばかり。
賢者の石は残らないように思われます。
そうなると、メイは詰んでしまうのですよね・・。

こちらも何とかしてあげたいところですが、リンも好きなのでどちらかを応援するというのができないのが辛い・・。
でもどちらかしか、皇帝にはなれないのですよね。
そして物語を見ていくなかで、その器はリンの方がふさわしいように見えてくるのがまた辛い・・。

メイの民族が救われる手があれば、この問題も解消されるのですけどね。
ここからリンも参戦して、最終戦を一緒に戦うようなことがあればまた違うのかなぁ。
どうにかアメストリスの問題が片付くと同時に、シンのこの問題にも解決が見られるといいな、と思います。

どちらも頑張って戦ってくれているんだもん。
報われる結末を待ち望んでいます・・。








さて、次回はマスタングが真理の扉を開き、ついにホムンクルスの計画が発動する回でしょうか。
もはやこの流れは止められそうにありませんね。
今はマスタングの身体が、とにかく心配です。どんな目に遭ってしまうのだろう・・。

そもそも無理やり扉を開かされるのに、身体のどこかを持っていかれてしまうのか、という疑問もありますが、ただでは戻ってはこれないような予感はします。
嫌だなぁ・・心配・・。


エドたちの方も、アルのことが引き続き気になりますね。
彼の意識はどうなってしまっているのか。何か情報が欲しいところです。

このまま計画は発動されてしまうのかー?!

次回も楽しみです☆