前回、真理の扉を開き、視力を失ってしまったマスタング。
更にアルが戻ってきたことで、ついに計画の前に人柱が5人揃ってしまいますー!

このままホムンクルスの計画は成就し、成功してしまうのか。
それとも人間たちは彼に打ち勝つことができるのかー

いよいよその時が来ます!!

感想です☆





第103話~ 「誰のため」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

ラジオ・キャピタル。
ブラッドレイ夫人は、ブラッドレイの安否を気にし、彼に会いたいと訴えていた。

だがブレダは危ない、とその申し出を断る。
今外に出たら、どこで反大総統勢力に出くわすか分からない・・。
そう言われて、夫人はうつむく。

一方そのやり取りを聞いていたマスタング軍は、別の意味で夫人を外に出すわけにはいかない、と相談し合っていた。
ブラッドレイは、ホムンクルスだ。夫人が行ったら、利用されるか殺されるだけに決まっている・・。

そんな中ロスと合流したブロッシュは、彼らの計画を教えてもらい、状況を把握しようとしていた。
だが、肝心のマスタングの姿が見えない。
そう指摘すると、ロスは今頃は中央司令部に潜入しているはずだ・・と答えるのだった。

ー彼女の言葉通り、マスタングを含めた人柱5人は、中央司令部地下で、今まさにホムンクルスの前にいた。
後からやってきたメイたち、そして意識を取り戻したアルは、マスタングの眼が見えなくなったことを知って驚愕した。

どうやらマスタングの眼は、完全に何も見えないらしい。
真理の扉を開いたと聞いたエドは、人体錬成をしたのか?と問う。
だがマスタングは首を振り、自分がそんなことをする訳がないだろう・・と唸った。

するとセリムが、事の顛末を説明し始めた。
彼は強制的に扉を開けさせてもらったことを明かし、その結果自分たちには好都合な展開になった・・と笑みを浮かべる。
眼が見えなくなったことによって、マスタングの戦闘力は0と等しくなったからだ。

それを聞いたエドは、納得いかない!!と怒鳴った。
ホムンクルスはさっき、正しい絶望を与えるのが真理だ、と話した。
確かに自発的に人体錬成を行った自分たちなどはそうだろう・・。

だが・・彼はホムンクルスを睨んだ。
する気のない奴が無理やり人体錬成に巻き込まれて、視力を持っていかれて、それを正しいというのか?!
そんな筋の通らねえ真理は認めねぇ!!

エドの言葉に、アルも呼応する。
2人はそのままホムンクルスと戦う姿勢を構えた。

けれども問題は、ホムンクルスの横にセリムもいることだった。
2人を相手にするのは厳しすぎる・・。
彼らはどう戦うべきか、と頭を巡らせる。

その間にイズミはマスタングに歩み寄り、自分たちは人柱だから今のうちに逃げた方がいい・・と囁いた。
だがそれを聞きつけたホムンクルスは、逃げられないーと2人に告げる。
お前たちは、既に私の腹の中だー・・。

その時、メイが口を開いた。
そこの目玉まみれさんは、不老不死なのですよね・・?

彼女に指摘されたホムンクルスは、様子を窺って黙る。
それを肯定と受け取ったメイは、アルに呼び掛ける。
アルフォンス様・・あれは私がもらいます!!

彼女は驚くエドたちに、2人にはセリムの方を任せる、と告げた。
戸惑いながらも、エドたちはセリムだって相当強敵だ・・と彼を見つめる。

ふとーエドは、あることに思い至った。
それはさっきマスタングが言ったことだった。
セリムが強制的に扉を開けた・・。

彼はそのことに、疑問を抱く。
セリムにそんな荒業が使えたのなら、自分たちのような人体錬成を犯した人間を待つ必要などないからだ。
人数が必要なら、強制的に片っ端から錬金術師を捕まえて扉を開ければいいだけだ。なのに、それをしないということは・・

エドが黙ったのに気づいたマスタングは、気付いたか・・?と彼に声をかけた。
私を錬成に巻き込んだとき、奴は「この手は使いたくなかったが・・」と言っていた・・。
それを聞いたエドは、ホムンクルスにとっても荒業だったということかーと納得する。

さっきから、セリムは顔をしきりに撫でている。
もし身体の再生が追いついていないのだとしたら・・。
彼は一か八か、セリムが弱っている可能性に賭けてみることにする。

瞬間、エドは錬成を仕掛けた。
床が砕け、石片がセリムに襲い掛かる。
どうやら錬金術も使えるようだ・・!
エドとアルは、一気にセリムへと駆け寄った。

するとセリムは2人の攻撃を、よけた。
それを見たエドたちは、確信を強める。
今まであらゆる攻撃を黒い影でかわしてきた奴が、逃げた!!

つまり、セリムはやっぱり弱体化しているということだ。
エドたちはそのまま、セリムの元へと突っ込んでいくー

それを見ていたホムンクルスには、メイがまた攻撃を仕掛けていた。
不老不死・・いただきます!!
彼女は鏢を、ホムンクルスの額に打ち込んだ。

だがホムンクルスは動じず、メイをじっと睨んだ。
お前はこの場に必要のない人間だ。消えろ。

そう言い捨てられたメイは、自分には必要なのだ、と食い下がる、
するとホムンクルスは鏢を取り込み、数倍大きな鏢に変えてメイに打ち返した。

メイはその攻撃をよけると、ホムンクルスの懐へ飛び込もうとした。
その時、ホムンクルスの身体の中からホーエンハイムが飛び出し、メイに向かって叫ぶ。
ダメだ、お嬢さん!!こいつはノーモーションで・・

だが、ホーエンハイムの警告は間に合わなかった。
メイはホムンクルスの顔面に蹴りを入れようとした。
そんな彼女を、ホムンクルスの力が思いっきり跳ね返したのだー。

メイはその攻撃を正面から受け、吹き飛んでいく。
その身体から血が噴き出し、彼女はそのまま倒れ込むのだった・・。


中央市街。
空では、今まさに日蝕が進み始めていた。
太陽が次第に欠けていくなか、イシュヴァール人たちがせわしなく市街を駆けまわるー。

彼らは状況が分からず戸惑う中央軍をなぎ倒しては、目的の場所へと進んでいく。
そしてある廃倉庫へとたどり着くと、一枚の紙きれを開いた。

太陽はどんどん姿を消していき、辺りは暗くなっていく・・。
そんな景色を眺めながら、イシュヴァール人たちは皆祈った。
頼むぜ・・スカー!!

ー中央地下。
スカーとブラッドレイは、一騎討ちの戦いを続けていた。

ブラッドレイの身体からは、どんどん血が滴り落ちていた。
ボロボロになった彼は戦いの空気を感じながら、死に直面するというのはいいものだなー・・と呟く。

彼の中には、今は死ぬまで戦い抜いてやろう、という気持ちしかなかった。
今まで彼に絡まってきた地位、経歴、出自、人種、性別、名前・・そんなものは、今は関係なかった。
それが彼には初めての感覚で、ひどく心地よかったのだー。

ブラッドレイは両手を広げ、その解放的な空気を吸い込む。
何にも縛られず、誰のためでもなくただ戦う。それが心地いい。
ああ・・やっと辿り着いたー・・。

それから、彼は真っすぐにスカーに向かって駆けた。
スカーは床を分解し、砕けた石片をブラッドレイに投げつける。
ブラッドレイはそれを2本の剣で弾きながら、スカーの懐に入り込んだ。

スカーは剣の攻撃をよけながら、拳法でブラッドレイに一撃を喰らわせようと動く。
だがその拳が当たっても、ブラッドレイが倒れることはなかった。

どうした!それが貴様の本気か!!
ブラッドレイはそう叫びながら、スカーに剣を振るう。
足りん!全くもって足りんぞ!!私を壊してみろー名もなき人間よ!!

その気迫は凄まじく、スカーは跳ねのけられてしまう。
その隙を逃さず、ブラッドレイはスカーの身体に斬りつける。
彼の両肩から、血しぶきが上がるー。
だがその時、ブラッドレイもまた無理が祟り、口から血がこぼれた。

その身体が大きく揺れ、ブラッドレイはよろける。
それを目にしたスカーは、チャンスとばかりに腕を伸ばした。

彼の腕は、ブラッドレイの剣を1本分解した。
けれども今度は、ブラッドレイが攻撃に転じる番だった。

彼はスカーの伸びた腕に、折れた剣の先を突き刺す。
そしてそのまま右腕を封じ、スカーの身体を床に打ち付けた。
その余りの早業に、スカーは抵抗する余裕もなく、痛みに呻く。

そこに、ブラッドレイはもう1本の剣を振った。
首を斬り飛ばそうと、切っ先が向く。
その攻撃にスカーは眼を見張り、咄嗟に空いた左腕を床に打ち付けた・・

その瞬間、スカーの左手が発動し、床から石の棘が錬成された。
その棘はブラッドレイの攻撃を阻み、彼の身体を貫いた。

ー思いもかけない攻撃に、ブラッドレイは床を転がった。
信じられない・・そう見開かれた瞳を見て、スカーは口を開く。
完全にノーマーク・・といった顔だな・・。


彼はそう言いながら、右腕に刺さった剣を抜いた。
彼はその腕に刻まれた錬成陣を見ながら、そうだろう・・と呟いた。
俺がこんなものを使うなど、少し前まで俺自身も想像していなかった・・。

彼は、上着を脱ぎ棄てた。
そこから、左腕に刻まれたもう1つの錬成陣が覗くー。

それは、彼が兄の研究書を元に新たに刻んだ錬成陣だった。
自分に何ができるか、ずっと考えた末に彼が到達した答えー
それを見たブラッドレイの眼は、見開かれたままだった。

再構築の錬成陣ー
今、スカーは2つの錬成陣を腕に、ブラッドレイに最期の戦いを挑むー!!




















それぞれの最終決戦。


今回はエドとアルがセリムと、メイがホムンクルスと、そしてスカーがブラッドレイと戦う話でした。
ついにこれが本当に最後の最終決戦!
人間とホムンクルスの死闘が、始まりました!!

メイがホムンクルスを相手にするとは、完全に予想外でした。
でも確かに、この中で一番彼と戦うにふさわしいのは彼女なのかも。
ピンチに陥っていますが、何とか持ちこたえて戦い抜いてほしいですね!!


それにしても、エドの言葉には救われた思いです!
マスタングは自ら望んで人体錬成を行った訳ではないのに、眼を奪われてしまいました。
でも本来そんなこと、あっていい訳がないんですよね。

そんな筋の通らない真理は認めない!!
読者が思っていたことを。見事に代弁してくれました。本当にその通り!
これは絶対にどうにかしないといけない問題です。

恐らくエドたちが身体を取り戻すときに、マスタングの視力を取り戻す手もあると思うのですが、問題は何を代償にして等価交換するかですよね。
賢者の石は使いたくないというのであれば、何か別のものを用意する必要があります。

もうすぐ計画発動となれば、以前リンが言ったように真理の扉が開くでしょう。
その時に等価交換ができれば、彼らは身体を取り戻すことができるのかもしれません。

でも現状、それ値するものをエドたちは見付けられていません・・。
このままだと、身体を取り戻す機会をまた逃してしまうのではないでしょうか・・。

ここまで読んできても、まだその答えは出ていません。
残り時間少ないなかで、エドたちは答えを導き出し、無事に身体を取り戻すことができるのでしょうかー。

それか、エドの言うように、真理を認めないという方法もあるのかな。
それでどうなるのかは分かりませんが、一度思いっきり足掻いてみるのもアリなのかも。
真理と対話することができれば、もしかしたら彼の心を変えることもできるとか・・そんな可能性も考えてみたいですね。

真理が本当に神であるなら、きっとホムンクルスの横暴を許しはしないでしょう。
その時、ホムンクルスと戦ったエドたちには、真理と語り合う機会があるかもしれません。
互いがホムンクルスを敵と見なせば、人間と真理が協力し合うーそんな展開も予想してみましたが、どうなるか・・。

どうもホムンクルスの傲慢な考えを、真理は許さないのではー
そんな気がしてならないのですよね。
そしてもしその予想が当たれば、人間にも挽回のチャンスはまだまだあると思うのです。

この先どんな展開になるかは分かりませんが、マスタングの件で真理が完全なものではない可能性が出てきました。
ホムンクルスを崩すと同時に、真理のこともまたしっかり見据えていくべき時が来たのではないでしょうか。

その先に身体を取り戻す答えがある、と今は信じたいですね。
まだその答えは分からないですが、これ以上何かを犠牲にすることのない何かいい方法があればいいな、と願っています。




さて、続いてはそれぞれの戦いについて。
いよいよホムンクルスたちと戦う相手が決まりました。

やっぱり予想外だったのは、メイですね。
賢者の石が欲しいとはいえ、まさかホムンクルスと戦うことを希望するとは。

でも今は彼女1人なので圧されていますが、ここにグリードが加わる可能性があるなー、と今回感じました。
中央軍と戦うとき、彼は自分の用事にはまだ時間があるーとリンに話していましたよね。
それって、ホムンクルスが計画を発動するときを狙っているのではないでしょうか。

彼は名前の通り、強欲です。
ホムンクルスの狙いを知っている彼なら、当然自分もその恩恵にあずかりたいと考えると思います。
いや、むしろ以前お父様に反目したように、自分こそが神となって世界を手に入れるーくらいは思っているかもしれませんね。

となると、彼がやってくるのも時間の問題でしょう。
そうなれば目的は別だけれども倒したい相手は同じ者として、メイと共闘する可能性も0ではありません。
それ、かなり面白いですよね!計画の邪魔もできるし、結構いい展開だと思います。

後はアルがメイの側に回って、一緒に戦うという展開もあり得るかも。
2人の関係も、それで進展しちゃうのでは・・なんて、つい期待してしまいますね。
そんな状況じゃないのは分かっているけど、メイとアルのコンビも好きなので・・w


厳しい戦いには違いないですが、色々な可能性を考えると、まだまだ希望はあると思われます。
シンの後継者争いも、そろそろ佳境ですね。
メイが賢者の石を手に入れられるかに、全てはかかっているといっても過言ではないでしょう。

一体どうなるのか・・。
心して見ていきたいと思います!




で、後はセリムですね。
こちらはエドとアルと戦うことになりました。

マスタングの言うように、セリムは強制的に扉を開けたことで大分弱体化しています。
自身の体内の賢者の石を利用したということなのかな。詳しい事情は分かりませんが、身体が崩れかけているのでかなりのダメージ具合だと予想されます。

となると、今のセリムを倒すのはそこまで厳しくはないのかも。
残りの2人を相手にするよりは、大分有利であるといえるでしょう。

彼の影の攻撃なら、エドは鋼鉄化することによって対抗する術も身に着けています。
なので、一番に決着がつくのはここの戦いかもしれませんね。

ただ計画が発動されたら、エドたちは人柱としての役目に縛られてしまうと思うので、それまでに倒せるかどうかが鍵ですね。
時間がない中での戦いなので、有利ではあっても厳しい戦いであることに変わりはないでしょう。
そこがネックとなるのが引っかかりますが、今は見守るしかないか・・。

何度か手合わせしていることも、エドたちにとっては有利に働きそうです。
どうかここで決着がつきますようにー。
エドたちの勝利を祈っています!





最後に、スカーとブラッドレイについて。
こちらの戦いも、本当に熱かったです!!

特にラストのスカーの錬成陣を見たら、思わず目頭が熱くなってしまいました。
破壊する者だったスカーが、再構築の錬成陣を己の腕に刻むなんてー・・。

これぞ、今までの集大成ですよね。スカーが戦ってきた中で手に入れた結論・・
こんなの感動しないわけがありません!!

一方のブラッドレイも、自身の生きざまというか、戦うことへの答えを見付けましたね。
彼はずっと、自分の人生を生きることがなかった。いつも何かに縛られ、そのレールの上だけを歩いてきた。

だからこそ、何にも縛られず誰のためでもなく戦うことが一番気持ちいいと語り、やっと辿り着いたーと両手を広げる。
そこに、彼の思いの全てが凝縮されていると感じました。

皆がここまで生きてきて、色んな人たちと出会い戦うなかで、最終的に自分なりの答えを見つけてきたー。
2人の戦いには、まさにそのことがよく表れていると思います。
だからこそ感動し、胸が熱くなるのでしょうね。

恐らくこの戦いも、そろそろ決着の時を迎えるでしょう。
きっと勝つのはスカーで、ブラッドレイはついにその生を終えるのだと思います。

その時、ブラッドレイは何を思うのでしょうね。
なんだか彼だけは、満足してその生を終えるのではないか・・そんな気がしてなりません。

敵でありながら、人間と同じように様々な思いを抱えながら戦ってきたブラッドレイ。
その最期を、しっかりと見届けたいと思います。


そして、スカーにはこの戦いの後もまだやることがありそうなので、こちらも最後まで頑張ってほしいですね。
イシュヴァール人たちは、何かを計画し動いています。

その中心には、スカーがいる。
きっと彼はアメストリスを救うために、更に自身にできることをやり遂げるのだと思います。

それが何かはまだ分かりませんが、スカーならきっとやってくれると信じています。
それぞれが自分にできることをやり、新たな自分の道を切り開くー
人間の底力、本当に素晴らしいものですねー。







さて、次回は戦いの続きですね。
ついにスカーとブラッドレイの戦いに、決着がつくのでしょうかー。

また、一方のエドたちも、ホムンクルスとセリムを倒して計画の発動を阻止することができるのでしょうかー?
もうすぐ太陽は、全て影に隠れてしまいます。
恐らく猶予はそれまで・・。もう時間はありません!!

どうかアメストリスの人々の命が守られますように・・。
ここまできたら、エドたちに全てを託したいと思います。


次回も楽しみです☆