前回、逆転の錬成を行い、ホムンクルスの計画の阻止に動いたホーエンハイムたち。
更にブラッドレイをついに倒したスカーが、亡き兄の研究で生まれた錬成陣を発動させることで、彼らはホムンクルスに一矢報いることに成功しました!!

このままエドたち人間の力は、ホムンクルスの企みを打ち破り、彼を倒すことができるのでしょうかー?!

感想です☆




第106話~ 「傲慢の深淵」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

スカーの錬成は、成功した。
イシュヴァールの仲間たちは、ちゃんと各ポイントに錬成印を置いてくれたらしい・・。

何かが起きたのだけを理解したランファンは、どういうことかと尋ねる。
スカーは、兄の研究の成果だ・・と笑みを浮かべた。

アメストリスでは、錬金術の基本方程式は約350年前には確立されていた。
その力の源は地殻変動エネルギーと言われていて、何者かが持ち込んだ方程式で何の問題もなく発動し、人々に恩恵をもたらしてきた。

スカーの兄も、人々の幸福のために、と錬金術を学ぶようになった。
そんな中、イシュヴァールを通過する東方の者の話から、彼は錬丹術を知り興味を持つようになったのだった・・。

しかしなぜかアメストリスには、錬丹術に関する書物も情報もほとんど無かった・・。
それを聞いたランファンは怪訝そうな表情を見せる。
スカーは話を続けた。

それはまるで何者かに持ち出されたかのように、不自然なことだった。
仕方なくスカーの兄は、東方の商隊から錬丹術の書物を持ち込んでもらうようになった。
彼はそれを研究するうちに、アメストリスの錬金術の根幹である地殻エネルギーの変動に違和感を覚えるー。

そして彼は考えた。
地殻エネルギーと術者の間にワンクッションー何かもう1つの要素があるのではないか、と。

それを聞いたランファンは、はっとする。
この国に入ったとき、確かに違和感があった。それはまるで地下を人が這いずり回るような・・。
その言葉を聞いたスカーは、うなづく。

そうだ、それは恐らくこの国に錬金術をもたらした者によって、国中の地下に張り巡らされた賢者の石だったのだ・・!!

そのことに着目した兄は、更に研究にのめり込んだ。
そんな中イシュヴァール殲滅戦への疑問がきっかけで、彼はアメストリスに巨大な血の錬成陣が作られつつあることに気が付いた。

彼は殲滅戦が激しくなっていくのを見て、国土錬成陣の完成を止められないと悟った・・。
そこで、ならば逆にその国土錬成陣を利用させてもらおうと考えたのだー。

アメストリスの国土錬成陣をベースに、錬丹術で上書きして賢者の石を中和する。
そうすると、何の制限もなく、地殻エネルギーを存分に使える・・
これで、新たな国土錬成陣が完成する。

スカーは兄に、この国に血の錬成陣を作った者の野望を阻止するよう、その術を記した研究書物を残し、スカーは今それを実行したのだ・・。

その錬成陣はホムンクルスが仕込んだ業を破壊し、エドたちの錬金術が発動できるようにし、更にその力を増幅させた。
ホムンクルスに向かいながら、エドたちは今までとはけた違いの威力に興奮する。

だがホムンクルスはその攻撃をもってしても、近づくことさえままならなかった。
どんなに攻撃しても、すぐに別の攻撃を返されてしまう・・。
エドたちは怯んだが、そこにホーエンハイムが声をかけた。
焼け石に水でも構わん!ガンガン行け!!

彼は防御を請け負いながら、エドたちに語る。
ホムンクルスの身体は、神を押さえるのに精いっぱいでギリギリの状態であること。だから少しずつでも賢者の石の力を削っていけば、いつかホムンクルスの身体にも限界が来ること・・。

それがいつかは分からない。だが協力し合って戦おう!!
そう言われたエドは戸惑いながらも、再び攻撃に転じる・・。

またホーエンハイムの話を聞いたイズミやグリードも、その戦いに参戦した。
彼らは協力し合い互いを庇いあいながら、着実に攻撃を積んでいく。

ホムンクルスは一歩も動かず、その攻撃に錬金術で対応した。
だが次第に彼の顔には、ひびのようなものが刻まれていく・・。
そこで彼は上を見上げ、一旦天井に開いた大穴から飛び出したー。

そこには、ちょうどイズミを探してこちらへ向かっていたオリヴィエたちと、同じくマスタングを探していたホークアイたちの姿があった。
そこを突如現れ通り過ぎていく男に、彼らは驚き目を見張る。

そのホムンクルスの目的に気付いたホーエンハイムは、舌打ちした。
奴め、賢者の石を調達しにいったな・・!!
彼は急ぎ地面を伸ばし、ホムンクルスの後を追うー。

そこに、グリードも続いた。
慌てるアルに、イズミが自分たちも行こう、と声をかける。
彼女はマスタングの肩を支え、彼にも安全なところへ移動しよう、と話した。

そんな中ーエドだけは、上に行けない事情があった。
彼の身体に、セリムの影が絡みついたのだ。
こいつは俺に用があるらしい・・!
エドは皆に先に行くように言い、セリムと向かい合う。

そこでイズミたちはエドにセリムを任せ、自分たちは先に上へと上がった。
彼女はそこにいたシグとようやく再会し、抱き合う。
一方マスタングの異変を見て取ったホークアイたちは、急ぎマスタングの元へ駆けよった。

彼らはマスタングから、視力を奪われたことを知らされる。
イズミが更に上へと向かうと皆に告げるなか、彼はホークアイに怪我の具合を尋ね、頼み込んだ。
君はまだ戦えるか・・?
その意図に気付いたホークアイは、力強くうなづくのだった。


ホムンクルスの後を追って上に上がったグリードは、そこでスカーとランファンに出くわした。
また、彼はそこでブラッドレイの死体にも気づく。
ラース・・死んだのか・・。

グリードはその亡骸の幸せそうな顔を見て、舌打ちする。
満足した顔しやがって・・腹が立つ・・!

一方エドと戦うことを望んだセリムは、グリードの反目に苛立ちを隠せなかった。
ホムンクルスの矜持を捨てるとは情けない!
そう語る彼に、エドは尋ねる。
お前らは、何であんな父親に服従してるんだー・・。

彼はその質問にも苛立ち、影の力でエドを地面に打ち付けた。
つまらないことを聞きますね。生みの親に従うのは、当たり前じゃないですか。
だがそれを聞いたエドは、つまらないのはそっちだ、と笑った。

自分の頭で考えようとしない、思考停止野郎が!グリードの方がよっぽど進化した人間だぜ!
その言葉にセリムは更に怒りを増幅させ、エドの身体を再び打ち付けた。

エドは血を吐きながらも、それでも分からない・・とセリムを睨む。
何でお前があいつの言いなりになってるのか、分かんねえよ。
彼はその瞳を真っすぐに見据える。
お前が俺たちにこんなにボロボロにされてるのに、あいつはお前に一瞥もくれてないんだぞ!!

それを聞いたセリムはかっと目を見開き、だからどうしたというのだ!!と怒鳴った。
君たち人間の常識を、私たちに当てはめないでください!!

彼はそう叫ぶと、エドの頬に影を射しこんだ。
一か八かの賭けです・・。
彼はそう言いながら、エドに迫る。
その途端影がエドの身体に入り込み、そこから流れてくる生命エネルギーに彼は声をあげた。

セリムの身体はマスタングの人体錬成を無理やり開ける礎にしたため、もうボロボロだった。
そこで彼は、ホーエンハイムと近しいエドの身体を、新たな入れ物にしようと企んだのだ。
悲鳴を上げ続けるエドの身体に、彼はどんどん自分のエネルギーを移し替えていく・・。

だがその時、セリムは衝撃を感じて動きを止めた。
それは彼の内部から現れる力で、彼の行動に反発しようとする力だった。
身体が思うように動かなくなり、セリムは戸惑う。
その脳に、彼の内側から囁きかける者があった・・。

いただけません。実にいただけませんねぇ、ホムンクルスプライドー。

それは、キンブリーの声だった。
彼の姿を内に確認したセリムは、魂の暴風雨の中でどうして原型をとどめていられる・・?!と目を見張る。
だがキンブリーは、笑わせないでくれ・・とその驚きを一笑した。
怨嗟の声など、私にとっては子守歌に等しい・・!!

そう笑う彼の力は増幅し、セリムがエドの身体を奪おうとするのを押しとどめた。
セリムはその力を押さえ込めず、なぜ邪魔をするのか、とキンブリーに問いただす。
するとキンブリーは、瞳を鋭くさせた。

ホムンクルスの矜持だのとのたまっておきながら、自身に危機が訪れた途端に下等生物と見下す人間の入れ物に逃げ込もうとする・・
あなた、美しくないー。

その瞬間、セリムの影から逃れたエドが両手を合わせた。
彼はその錬成の力をセリムにぶつけ、彼の身体を破壊しようとするー。

その攻撃を正面から受けたセリムは、殺されるーと身をこわばらせた。
するとキンブリーは、殺す?と呆れたように息をついた。
あなた、エドワード・エルリックを分かっていない!

その言葉通り、エドはただセリムを殺そうとしたのではなかった。
彼は崩れていくセリムの身体、そしてエネルギーの中に、自身をエネルギー体に変えて送り込ませたのだー。
その途方もない攻撃に、セリムは眼を丸く見開いた。

馬鹿な、自身を賢者の石にして逆に私に侵入してくるなんてーーーー!!

そのままエドのエネルギー体は、セリムの顔面を掴んだ。
捕らえたぜ、プライド!!!
その手は、そのままセリムの内部に入り込んでくる。

彼の記憶、思考、その全ての情報にエドはアクセスしていく。
その感触に、セリムは叫んだ。
私の中に入ってくるなああああああ!!!!

それが、プライドの終わりだった。
キンブリーはその姿を見届け、満足そうに消えていく・・。
そしてーエドの拳の中で、セリムの身体は粉々に砕けたー。

彼の身体は塵となり、エドの拳からも抜け落ちていく・・。
エドはそれを見届けながら、荒くなった息を整えた。
そして拳の中に残った小さな感触に、その手のひらを開いた。

そこにはー本当に小さな赤ん坊の姿があった。
・・これがお前の本体か。
エドはその姿を見つめると、自分の上着の中に彼を寝かせる。

全部終わったら、ブラッドレイ夫人に謝りに行かなきゃな・・。
彼はそう呟くと、セリムにそこで待っているように告げる。

その言葉に、セリムは一言ぽつんと答えた。
ママ・・。


その頃ー
ホムンクルスは地上に出て、中央軍の前に立っていた。

突然現れた彼に、兵士たちは戸惑いながらも銃を向ける。
その姿を眺めまわすと、彼は片手を伸ばした。
その瞬間ー兵士たちの魂に衝撃が走り、彼らはもがき苦しむ。

ホムンクルスはそのまま、彼らの魂を抜き取ろうとした。
だがそこにホーエンハイムが飛び出し、その動きを止めようと攻撃を向けた。
これ以上はやらせんよ!

するとホムンクルスは彼を睨み、人間は大人しく石になっていればよい・・と口にした。
ホーエンハイムは、何でそんなに人間を見下すかねぇ・・とため息をつく。

人間からは賢者の石ができ、賢者の石からはホムンクルスができる。
ではホムンクルスからは何ができる?何を生む?
破壊しかもたらさぬ存在を、神と呼べるのかー?

ホーエンハイムはそう問いながら、真っすぐにホムンクルスの瞳を見つめる。
究極の存在にでもなったつもりだろうが、どん詰まりなんだよお前はー。

それを聞いていたホムンクルスは、そうかね?と首をひねった。
ならば人を生もうー。
彼は事もなげにそう言った。するとその腹から、人間のようなものが数体飛び出た。

その物体はうめき声をあげながら、ホムンクルスの身体から出てくる。
そうして地面に降り立つと、よろよろと所在なさげに歩き出した。
その見た目に、ホーエンハイムは眼を見開くー。

そこにいたのは、クセルクセス王だった。
ホムンクルスの身体からは、どんどん人間が生まれだす。
その人間は皆姿を変え、かつてのホーエンハイムの知り合いたちの見た目になっていく・・。

そこには、赤ちゃんの姿もあった。
足元をはい回るその姿に、イズミは思わず嗚咽を漏らす。

追いついたアルやメイも、その異様な人間の姿に戸惑い恐怖を感じた。
やめろ、やめてくれ!!
アルは叫ぶ。
こんなの違うー!!

だがホムンクルスは、人間を生むのをやめなかった。
師匠、同じ奴隷仲間だった友・・
懐かしい姿の者たちに、ホーエンハイムは青ざめる。
彼は全身を震わせ、ホムンクルスに向かって叫んだ。

ホムンクルス、貴様ーーーーー!!!

その時、ホムンクルスは上に上がってきたエドの姿を見た。
ちょうどいい・・
彼はその瞬間、自分が生み出した人間もろともホーエンハイムたちに衝撃波をぶつける。
完全に予想していなかったその攻撃に、ホーエンハイムたちは吹き飛んだ。

その力は、凄まじかった。
中央司令部は、そのほとんどの姿を失ってしまった。
そして後に残ったのは、瓦礫となった廃墟だけなのだった・・。




















始まりと終わりのホムンクルス。


今回はホムンクルスを倒そうと皆が奮闘する中、エドがセリムとの戦いに決着をつける話でした。

これでお父様から生まれたホムンクルスたちが、皆おしまいを迎えました。
セリムの正体にはびっくりしましたし、まさかキンブリーが現れるとは思わなかったので、こちらにもびっくり!

でも何だかセリムらしい終わりだなぁと感じました。
始まりのホムンクルスだからこそ、お父様に似ていたなぁ・・という印象。
ブラッドレイほどの思い入れはないけど、彼にも色々と思うところはありました。

その前に、まずはスカーの錬成陣から。
兄の研究の成果が、ついに明らかになり、見事伏線が回収されました!

錬金術と錬丹術を学んだ彼だからこそ気付き、導き出せた錬成陣ー
本当にスカーの兄が亡くなったことが悔やまれますね。生きていたら今回の戦いでも大活躍してくれただろうし、国の立て直しにも尽力してくれただろうに・・。

でもその役目は、スカーがこれからも果たしていくのでしょう。
既にアメストリスのために、身を賭して戦ってくれたスカー。
きっと戦いの後も、イシュヴァール人たちと共に国の再興とイシュヴァール人の権利の復古に身を尽くしてくれることと思います。

で、スカーの兄の研究で明らかになったこと。
それは錬丹術で使う龍脈の他に、アメストリスの地下には賢者の石が張り巡らされていたということ。
ホムンクルスが、神になる計画のために恐らく準備してきたものでしょう。

彼は人間になったときにすでに、ここまで計画をしたためていたんでしょうかね。
錬丹術の書物の廃棄も彼が仕組んだことでしょうし、全ての計画が途方もないスケールです・・。

そんなに人間が憎いということなのか・・。
その辺、彼の心の深淵が見えるような気がします。
人間に憧れつつも、どうしようもなく憎い・・って感じなんだろうなぁ。。


話は戻り、アメストリスの地下の問題に気づいたスカーの兄は、その後アメストリス全域に張り巡らされた国土錬成陣に気付きます。
これ、ヒューズのときも思ったけど、兄もかなり早期に気付いていて・・すごいですよね。

それでもその勢力を、1人の力では止められなかった・・。
国軍の力は増し、それに乗じてホムンクルスたちの力も強くなっていった。
世の無常というか何というか・・。だからこそ今の人種や種族関係なく協力し合うエドたちの姿があるんだとは分かっているけど、空しいものを感じますね。

その時その時を一生懸命生きている人たちがいるけど、全員が幸せな道を歩めるわけではないのが世の中なのですよね。
それゆえに次の世代のために皆より良い世の中を望んでいくわけですが、そこに巻き込まれた人をいざ目の当たりにすると気持ち的には複雑なものです・・。

スカーの兄にしても、もっと研究や錬金術と錬丹術の活性化に努めたかっただろうと思われます。
でもそれは叶わなかった・・。
恐らく彼もそのことは理解していたのでしょう。だから、彼は錬成陣を後世に託したー。

国土錬成陣を使用し、錬丹術で賢者の石の力を中和させる。
そうすることで、地殻エネルギーを存分に使うことができ、結果錬金術の力を増幅させることができるー。

すごい発見ですよね。
お父様がどうやってエドたちの錬金術を封じたのかも明らかになったし、それを無効化して更に力をパワーアップさせることができるなんて・・。
まさに物語の締めに明かされるにふさわしい、素晴らしい発見です!!

それをイシュヴァール人たちの協力で成し遂げる・・というこの展開も、見事!
虐げられた者たちが、敵の命を守るために働いたのです。
戦いが終わったら、マスタングやオリヴィエはその恩にしっかりと、報いねばなりませんね。

個人個人に向き合えば、理解できることもある。そうすれば協力することもできるし、平和に向かうこともできる。
これがスカーの兄が目指した、善の流れなのでしょう。
そしてそれは今回、見事に達成されました。

兄がその光景を見ることはありませんでしたが、彼が研究を残してくれなければこの流れもあり得ませんでした。
でもちゃんと思いは残り、伝わっていくのですよね・・。

クライマックスに向けて全てが収束していく中で、イシュヴァールの問題もここで1区切りついたように思います。
スカーもしっかり養生し、ゆっくり休んでください。。





さて、続いてはセリムについて。
ついに倒れたセリム!
やっぱり人体錬成をする際にだいぶ賢者の石を消耗していたようです。

そんな彼、今回新たに分かったことがありました。
なんと彼の本体は影ではなく、小さな赤ん坊の姿だったのです。

これは驚きでしたね。
元々、セリムは始まりのホムンクルスとして、一番にお父様から切り離されて生まれた存在でした。
だからこそお父様が一番忌み嫌うフラスコの中の小人としての姿で切り離されたのだと思っていたのです。

でも実際はその姿の更に内部に、赤ん坊の姿があった・・と。
これ、純粋にどうしてなのかと気になりました。
影が本体でないとなると、お父様がセリムを生み出した理由も少し変わってくると思うのですよね。

他のメンバー(特にセリムとエンヴィーかな)を見るに、ホムンクルスの姿形に関してはある程度お父様の嗜好というか意向が盛り込まれて生まれているような感じがします。
そんな中で、ではなぜセリムを赤ん坊の姿で生み出したのかー
ここにも必ず理由があると私は思うのです。

そもそもセリムが子供の姿なのも、今回の話を見た後だと何か恣意的なものを感じますよね。
そういう部分とセリムが始まりのホムンクルスであることを考えると・・私の中では、1つの可能性が予想されました。

お父様はセリムに、憎しみと憧れの感情をぶつけて、その姿形を創造したのではないかーと。

以前から指摘していますが、お父様は家族という形に憧れていたと予想されます。
それは恐らくホーエンハイムが家族に憧れていたからで、彼の姿を見てきたホムンクルスもまた、次第に家族という形に憧れるようになったのではないか・・と推測しています。
だからこそホムンクルスたちにお父様と呼ばせ、疑似家族のようなシステムを取ってきたのではないでしょうか。

でもそれはあくまで疑似であり、真似事。
彼が家族を手にすることは、一生あり得ません。
そういうどうやっても手に入らないものに対する憧れの気持ちが、セリムという存在をお父様に産み出させたのではないでしょうかー。

きっとホムンクルスは、母親の胎内から子供が生まれ、成長していく過程も体験してみたかったのではないかなぁ。
そうやって1つずつ過程を踏むことで、愛情って生まれてくるものですからね。

でもそういう気持ちもありつつ、彼はその気持ちすら憎んだのでしょう。
自分が人間に憧れるなど、ありえないー
そういう相反する思いが、セリムという何層にも姿を持つホムンクルスを作り上げたのではー
私にはそう思えてなりません。

そしてそういう酷く矛盾する脆いものを内部に抱えていたから、セリムはキンブリーに見限られ、エドに心の部分を見破られてしまったのだと思います。

キンブリーの言葉って、そのままホムンクルスにも当てはまる言葉ですよね。
人間を見下しながら、神になっても見た目は人間(しかもエド)によせる。
これって、彼風に言えば美しくないー芯がない、とも指摘することができます。

そしてその芯がない部分こそ、始まりのホムンクルスとしてセリムが一番にお父様から引き継いでしまったものなのかもしれません。
矛盾する気持ちの中生み出されたから、彼には他のホムンクルスたちのようなしっかりとした芯がなかった・・。
これが、彼の敗因なのではないでしょうかー。

またエドの戦いも、見事ですよね。
彼はセリムが侵入してきたから理解したのかは定かではありませんが、セリムの中に更に本体があることに気付いたのでしょう。
だからこそ入れ物を破壊し、魂を引きずり出したのだと思われます。

なぜセリムをブラッドレイ夫人に引き渡すつもりなのか・・それもまだ分かりませんが、恐らくエドはセリムの中に家族への憧れや絆を欲する気持ちなどを見たのかなーと感じました。
そして本体が赤ん坊であると知った彼は、その気持ちを信用して夫人に託してみる気になったのではないか・・そんな風に思ったのです。

エドがそうすることには、賛否両論あるでしょう。
赤ん坊の姿になったとはいえ、元はあのプライドですからね。ホムンクルスとして生き残るのもどうかと思うし、彼が将来また人間に牙を剥く可能性もありますから。

でもその一方で、ホムンクルスさえ仲間になれる・・人間と共存できる可能性もまたあるのですよね。
実際グリードがそうですし、だからこそエドもその可能性に賭けてみる気になったのではないでしょうか。

全体となると分かり合えなくても、個々人であれば分かり合える余地はあるー
これも、全編通して流れる、この物語の信念です。
それはホムンクルスにも適用されるのかー

戦いの後、セリムがどうなるのかしっかりと見守っていこうと思います。







最後に、ホムンクルスについて。

計画を次々に打ち破られ、神を押さえきることができずに弱体化してきているホムンクルス。
段々表面にひびが入ったりと、入れ物がもたなくなってきているのが窺えますね。

後は恐らく根競べの戦いとなるのでしょう。
人間側は最後でピンチとなったものの、まだホーエンハイム、エド、アル、イズミ、それにマスタングやアームストロングも戦えるでしょう。
それにメイやグリード、ランファンだっています。
数で当たれば、いずれはホムンクルスの身体の賢者の石を全て破壊することもできる見込みが出てきました!

ただ・・心配なのは、ホーエンハイムかな。
彼、かなり今巻で賢者の石を削ってしまっていました。
なのでホムンクルス同様、ホーエンハイムの身体も既に限界に来ているのではないでしょうか・・。

先に死ぬことはないでしょうが、相討ちという結末はありえそうな予感がして怖いです・・。
ずっと苦労してきたんだもん。エドたちと幸せに暮らす未来があってほしいものです(><)
でも正直、かなり厳しそう・・。

そのためには、一刻も早くホムンクルスを倒さねばなりませんね。
まだ身体を取り戻すという問題もあるし、次が最終巻だというのに盛沢山すぎる!!

エドたちは無事なのかーまずはそこからですね。
かなりピンチな状態で終わったので、先が気になります!!

いよいよ後数話・・
どんな結末となるのか、最後までドキドキです。









さて、次回はホムンクルスとの最終決戦ですね。
他の敵は全て倒れ、後はホムンクルスを倒すのみ!
いよいよ戦いもクライマックスです!!

エドたち人間の力は、ホムンクルスを凌駕することとなるのかー?
最後までしっかり見届けようと思います!

そして・・後1つの問題。
エドとアルの身体を取り戻すことができるのか、この問題にも答えが出る頃でしょう。
彼らの答えを信じましょう!

次回も楽しみです☆