前回、佐為の事情を知り、囲碁を覚えようと囲碁サークルへと繰り出してみたヒカル。
まだまだ囲碁のルールも覚束ない彼ですが、着実に囲碁の世界への道を歩み出したのでした。

このままヒカルは囲碁の世界にどっぷりと浸かっていくこととなるのでしょうかー?!

感想です☆




棋聖降臨~第2局 「はるかな高み」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

週に1度、ヒカルは囲碁教室に通うことにした。
2度目に顔を出したとき、佐為(さい)はそこでついていたテレビを見て驚く。
ヒカル、あの箱の中で人が囲碁を!!

そう言われてヒカルは眼を上げる。
するとテレビの中で、確かに対局が行われていた。

近くにいた女性が、あれは囲碁の天元戦だ、と教えてくれる。
そして今打っている棋士が、現在神の一手に一番近いと目されている塔矢(とうや)名人らしい。
神の一手ー
その言葉に、佐為は瞳を大きくした。

私と同じように、神の一手を極めようとする者ー。
彼はその顔を、記憶に残そうとしっかりと見つめる。

更にその打ち方を見て、佐為は驚いた。
この者、ただの名人ではない。秀策(しゅうさく)の時代にも、これ程の打ち手はいなかったー!!

だがヒカルには対局の内容など分かる訳もなく、佐為が見たがるのを押さえて彼は教室へ向かおうとする。
と、そこへ阿古田(あこた)がやってきた。

前回のことがあり、ヒカルは謝らなければ・・と渋々彼の元へ行く。
すると阿古田は何と、今日は新しいカツラで参加していた。
その予想を超えた姿に、ヒカルは思わず吹き出して口に入れていた飲み物をかけてしまう。

おまけに濡れた頭を拭いていたら、阿古田のカツラはまた外れてしまった。
泣きながら外へ飛び出していく彼を見送っていると、背後に講師が立つ。
彼は思いっきり怒られ、今日は教室に参加せず帰るように命じられてしまうのだった・・。

ー仕方なく外に出たヒカルだが、囲碁を打てないとなって佐為はさめざめと泣いている。
何とかごまかそうとしたヒカルだが、あんまり佐為が悲しそうに泣くので、他にどこか打てる場所はないか聞いてみることにする。

するとさっきの女性が、駅前に碁会所があると教えてくれた。
彼女は、強い人ばかりだからヒカルが行っても・・と注意するが、碁を打てる場所があると知った彼らにはもう聞こえていなかった。
ヒカルたちは、早速碁会所とやらに出向いてみることにするー。


駅前の碁会所。
そこのドアを開けると、若い女性が受付にいた。
ヒカルはその中から覗いて、客が老人ばっかりであることに驚く。

女性が出てきて、紙に名前を書くように渡してくれる。
ここは初めてか?と訊かれて、ヒカルは囲碁自体が初めてだ、と答える。

どうやら碁会所では、誰かと対局ができるらしい。
ヒカルがきょろきょろしていると、女性が棋力はどれくらいか、とまた尋ねてきた。
その言葉の意味が分からず、ヒカルは正直に話す。
自分は対局をしたことがないから、囲碁の実力など分からないのだーと。

でもそこそこ強いと思う・・。
彼がそう言うと、女性は笑った。
と、その時ヒカルは中に1人同い年くらいの少年がいることに気付く。

子供がいるじゃん!!

その大きな声に、1人で碁盤に向かっていた少年は顔を上げた。
彼は戸惑い気味に、僕・・?と首を傾げる。
ヒカルはうなづき、女性に彼と打てるか?と訊いた。
だが女性は口ごもり、あの子は・・となぜか煮え切らない。

すると少年が立ち上がり、ヒカルの元へ来た。
いいよ、僕打つよ。
快く受けてくれた少年に、ヒカルは喜んで歓声をあげる。

女性はヒカルの棋力について注意しようとしたが、ヒカルはすぐに少年を誘って奥へと進んでしまう。
少年の名前は、塔矢アキラといった。ヒカルと同じ小学6年生らしい。
2人は軽い会話を交わしながら、早速碁盤を囲んで対面に座る。

棋力はどれくらい?
席につくと、アキラも女性と同じようにヒカルに質問した。
ヒカルが分からないけど強いよ、と答えると、アキラは笑いながら置き石は4つか5つでいいかなーと口にする。

それを聞いたヒカルは、同い年なんだから置き石なんかいらないよ、と首を振る。
周りで聞いていた老人たちが笑い、アキラは困ったように頭を掻く。
だがヒカルはその理由に気付かず、先手でまずは打つことにする。

俺打つの遅いけど、勘弁な。
そう言いながら、ヒカルは佐為に指示された場所に碁石を置く。
そのべたっとした置き方に、アキラは初心者の手つきだなぁ・・と目を見張る。
それから彼も白石を置いた。

2人は交互に、石を並べていく。
暫く打つと、アキラはヒカルの打ち方に不思議なものを感じ始めていた・・。

石の持ち方は初心者だけど、自分で強いというだけあって石の筋はしっかりしている。
だがどうも定石の型が古い。それに時々変なところで手が止まるのはなぜだろう。
彼は首を傾げながらも、次第にその違和感を濃くしていく。

それどころか、アキラは焦り始めてもいた。
この子は自分の打ち込みにも動じないし、いやそれよりも・・
彼は自分の頬を汗が流れるのを感じた。

自分の攻撃を軽やかにかわしている!この局面、彼の方がずっとリードしているー?!

その時、ヒカルが打った黒石を見て、アキラははっと息を呑んだ。
その手は、最善の手ではなかった。最強の一手でもない。
だが・・彼にはその手が、何を意味しているのかが分かったのだ。

この手は、僕がどう打ってくるかを試している手だ!僕の力量を図っている!!
アキラにとって、それは初めての体験だった。
彼には、ヒカルが遥か高みから自分を見ているように感じられたのだー・・。

それからしばらくした頃、常連の客が碁会所を訪れた。
彼は受付の女性に、アキラに指導碁をお願いしたいのだけどーと声をかける。

実はアキラは塔矢名人の息子であり、もうプロ試験を受けても合格するほどの実力の持ち主だった。
だがまだ力をつけたいから、と彼は試験を受けずに、この碁会所によく顔を出していたのだ。

と、2人がそんな話をしているところに、対局を終えたヒカルがやってきた。
女性に対局は終わったのかと尋ねられた彼はうなづくと、その顔に疲労をにじませた。
やっぱ俺に対局はまだ早いや。打つのに時間かかって、もうへとへとだよ・・。

そう言って帰ろうとするヒカルに、女性は来週行われる子供囲碁大会のチラシを渡す。
ヒカルはそれを受け取ると、礼を言って碁会所を後にするのだった。

そりゃぁアキラと張り合うなんて、50年早いだろうー。
初心者の雰囲気を隠そうともしなかったヒカルを見送りながら、女性と客は苦笑する。
だが2人は中がやけに騒がしいのに気づき、眉を上げた。

何かあったのかー?
そう思い覗きにいった彼らは、ヒカルとアキラの対局の結果を聞いて驚いた。

アキラ君が負けたーーー?!

それはあっというまに碁会所中に知れ渡り、老人たちは皆一様に驚いた。
結果は2目差。コミを入れればアキラの勝ちだから、ヒカルの実力は同じくらいのものなのかー?
プロ並みの実力があるアキラと、打ち方も素人の少年がー?!

皆信じられず、口々に囁き合う。
そんな中、アキラは呆然と碁盤を見つめ続けた。
2目差・・?いや、そんなレベルじゃなかった・・。

そこに受付の女性が駆け寄り、本当に負けたのか?!と戸惑いながらアキラに尋ねる。
あの子は今まで一度も対局をしたことがないと言っていたのよー?!

その言葉に、アキラは信じられない、と目を見開いた。
・・一度も対局をしたことがないー?!

彼はかつてない程のショックを受け、その場に立ち尽くすのだった・・。




















ライバル登場!


今回は碁会所に行ったヒカルが、同い年の塔矢アキラと知り合う話でした。

現代の名人である塔矢名人の息子のアキラ!
恐らく彼がヒカルの最大のライバルとなる少年なのでしょう
今回はそんな因縁を感じさせる、引き込まれる話でした。

塔矢アキラ。
彼は父親が塔矢名人ということで、恐らく小さい時からずっと囲碁を打ってきたのでしょう。

でもプロ級の腕がありながら、プロ試験は受けない・・。
ここ、ちょっと引っかかりました。
もしかして彼は、囲碁に退屈していたのではないか・・?と思ったのです。

碁会所にも1人でいたし、恐らく同い年で相手になる子がいなかったんじゃないのかなぁ。
だからイマイチプロの道にも興味が持てず、くすぶっていたという可能性もあるのではないでしょうか。

まだアキラのことを何も知らないので憶測ですが、そういう子がようやくライバルに出会えたときの成長ぶりはすさまじいですからね。
きっとヒカルと共に、今後の囲碁界を盛り上げていってくれるのではないかと期待しちゃいます。

また、こういうパターンも考えられますよね。
父親である塔矢名人に対して気後れし、イマイチ囲碁に乗り切れてない状態・・。

この場合でも、父以外のライバルという存在を見つけたことで、アキラの囲碁へのやる気は一気に高まり、成長が望めるでしょう。
どちらにしても、今回のヒカルとの出会いはショックと共に、アキラに真剣に囲碁の道を考えさせる機会となったのではないでしょうか。
もしかしたら一気にプロになる道を模索しだすかもしれませんね。

ヒカルも囲碁へのモチベーションを上げるには、やっぱりライバルの存在は不可欠でしょう。
ただ今回はまだ互いの実力をヒカルが全然わかっていなくて、ライバルと意識するまでもいかないのが惜しいところ・・。

ではヒカルにとって、囲碁への火をつけるものって何になるのでしょうね?


私は恐らくこれは・・今回彼がもらったチラシにある子供囲碁大会なのでは・・と思います。
たとえヒカルが囲碁を学んで相手の実力が分かるようになっても、まずアキラを目指すのは無謀すぎると思うんですよね。
当分はアキラの相手はアキラにとってはヒカルであっても、実際は佐為になるのではないでしょうか。

で、ヒカルに関してはまずは同レベルの子も頑張っている環境を知り、そういう子供が通う教室で腕を伸ばすのが一番ですよね。
そのためにも、子供囲碁大会というのは良いとっかかりになるでしょう。
同い年くらいの子たちも囲碁をやっていると分かれば、ヒカルの中での囲碁のハードルもかなり低くなると思います。

その過程で良い師匠につけたりすると、囲碁への姿勢も見につくし更にいいことづくめですよね!
佐為がいますが、ヒカルにはまず礼儀などを厳しく教えてくれる師匠の存在も必要でしょうw

いずれはヒカルもプロの道を模索するようになり、アキラと戦うことを目指すようになるのでしょうが、そこまでは険しい道のりです。
彼は囲碁に触れるのも初めてですから、まずは嫌いにならないで興味を持てるようになることが先決です。
どうか彼が囲碁にハマっていってくれるといいですね(^^)

うん、少年漫画の王道という感じの道筋で、本当にワクワクしますね!
ライバルにも不足なし!むしろこれくらい高い壁じゃないと面白くないでしょう!

ヒカルとアキラー
どちらの成長も俄然楽しみになった回でした!








さて、次回はヒカルが子供囲碁大会を見学しに行く回でしょうか。
まだ2話ですが、なかなか子供にとってはマイナーな囲碁。
その世界に馴染んでいくとっかかりも、なかなか無いんだなーという印象を受けました。

大体は親や祖父母が好きで、大人にまずルールを教えてもらうことがきっかけとなるのでしょうね。
ヒカルはレアケースなので、特にそう感じるのでしょう。

そんな彼が、初めて囲碁を楽しむ子供たちの姿を目の当たりにした時、どう感じるのかー

次回も楽しみです☆