前回、碁会所に遊びに行ったヒカル。
彼はそこで同年代の塔矢アキラと初めての対局を行います。

天才棋士の息子のアキラ。
しかし彼は佐為の前に、敗北を喫してしまいー?!

この出会いは、運命の出会いとなるのでしょうかー?!

感想です☆




棋聖降臨~第3局「死角の急所」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

佐為(さい)がやってきてから数日。
しかし自分の中にもう1人人間がいるという感覚に、ヒカルはまだ慣れずにいた。
学校にいても、つい佐為の言葉に反応して、皆に変な眼で見られてしまう・・。

そんな中、あかりだけはヒカルの様子がおかしいのをずっと心配していた。
更に彼女は、もう1つ気になっていることがあった・・。

それはヒカルが囲碁教室に通い出したことだった。
急に囲碁に興味を持つなんてどうして・・。
あかりはそれが気になるらしいが、まだ囲碁を楽しいと思えないヒカルにとって、その質問に答えるのはとても難しいことだった。

またこの前のアキラとの対局も、ヒカルを失望させていた。
彼は、囲碁への思いが強いのは分かったけど、佐為は意外と強くないのなー・・と呟く。
ルールもよく知らないヒカルにとっては、佐為がアキラに2目差でやっと勝てる程度だったように見えていたのだ。

だが佐為にとっては、あれはアキラへの指導碁のようなつもりで打ったものだった。
彼はヒカルに必死に弁解しようとするが、その時ちょうどテストが始まったので一旦話は終わってしまった。
抜き打ちテストは、歴史の問題だ・・。
ヒカルはふと思いつき、佐為に答えを聞こうとする。

だがふてくされた佐為は、自分と囲碁を打ってくれるなら教えてやろう・・とヒカルに条件をつきつけた。
ヒカルは面倒だなと感じながらも、背に腹は代えられない・・とその条件を受け入れる。

でも囲碁を打つのって頭を使うし疲れるんだよなー・・。
彼は前回のアキラとの対局の長さを思い、憂鬱になる。
と、そこでヒカルは受付の女性にもらったチラシのことを思い出した。

そうだ、子供囲碁大会ー!
そこに行けば、佐為も他の子とまた打てるかもしれない・・。
そう考えたヒカルが佐為に提案すると、とにかく囲碁が打ちたい佐為は手放しで喜ぶ。

こうして2人はそれぞれの思惑を胸に、子供囲碁大会を見学しに行くことにするのだった。


週末の日曜日。
子供囲碁大会の会場を訪れたヒカルは、部屋いっぱいに集められた子供たちの姿に目を見張った。

ぎゅうぎゅうに敷き詰められた机と碁盤を囲み、大勢の子供たちが一言も口をきかず、真剣に囲碁を打っている。
今回の大会は、全国大会だった。
自分より小さい子もいるのに・・。
ヒカルは初めて見る緊張感のある対局に、思わず呑まれてしまう。

周りで見守っている親たちの姿も、真剣そのものだ。
それはヒカルにとって、囲碁に触れて初めての衝撃だった。
すごい・・佐為、すごいな・・!!
彼は会場中を見回して、そう呟く。佐為も嬉しそうに、それにうなづいた。

佐為は、1000年前の自分の囲碁への情熱も、今ここにいる子供たちの熱気も同じものだーとほほ笑んだ。
彼らは私に教えてくれる。1000年後の未来もきっと同じだ、と・・。

そこでヒカルは思い出し、アキラの姿を探した。
だが会場は広く子供の数もすごく多いため、なかなか見つけることができない・・。

ふと佐為が、口を開いた。
そこの盤面の左上スミの戦い、黒が打ち損じると死にますね・・。

見ると、佐為が示す盤面は中盤を過ぎたあたりのようだった。
1の二が急所です。
ヒカルは数えながら、その場所を見つめた。その時少年が別の場所に黒石を打ったのを見て、彼は思わず口にしてしまう・・。

惜しい!そこじゃダメだ!その上なんだよー!

その声に、対局をしていた2人はえ?と盤面を見つめ、あっと声をあげる。
その瞬間、ヒカルもまたやってしまったことに気付き、口を押えた。
あ・・っ!!

だが既に遅かった。
近くにいた監視員が、慌ててヒカルの肩を掴む。
君、何考えてるんだ、対局中に口をはさむなんて!!遊びじゃないんだぞ!!

彼の大きな声に、会場中が一気にざわつく。
するとそれを止めに、1人の男性が入った。
森さん、騒がないで。

眼鏡をかけた男性はそう言うと、ヒカルを奥へ連れていくようにその森という監視員に頼む。
そして困ったな・・と、対局を中断した2人に状況を尋ねた。

黒石を打った少年が自分が打った場所を教え、ヒカルがそれに対して違う場所を告げた旨を説明する。
盤面を眺めた男性は、これか・・とその流れを理解する。

なるほど、プロの私でも一瞬手が止まる難しい形だな。
彼は納得すると2人の少年に、その手には気付かなかったのか?と訊いた。
2人共ややきまり悪そうに、そこが急所だとは気づけなかった・・と答える。

結局少年たちの対局は、再戦ということになった。
その場を任せると、男性は監視員や少年たちの家族にヒカルは誰なのかを尋ねる。

だがその場にいた大人は皆、参加者でもないし、全然知らない子だーと答えた。
少年の母親の1人は、ヒカルが少し前に会場に入ってきていたのを見ていた。
それできょろきょろしながらうちの子の対局を見に来たと思ったら、ちらっと見て「惜しい、その上!」と声を出し、対局をめちゃくちゃにしたんですーー!

そう訴える母親の言葉に、男性は眉を動かした。
・・今何とおっしゃいました?
そう問う彼の眼光が、途端に鋭くなるー。

一方見学をしていた人たちも、会場の中で起きたその騒ぎに興味津々だった。
誰かが口を出したらしいね・・。
そう噂するのを聞いた見学者の中学生男子は、大会に出るような子なら絶対に口を挟まないよなぁ・・と不思議がる。

どうやら参加者ではないようだが、それにしては助言をするなど腕前はあるようだ・・。
彼はヒカルの姿を思い出し、不思議な子だ・・と記憶に残すのだった。


会場、控室。
そこではヒカルが大会主催者たちに、こってり絞られていた。

つい口を挟んだじゃすまないんだよ。皆この大会に真剣に臨んでいるんだからね!
彼はそう注意されると、今日はもう帰るようにと言われてしまう。
この状況では仕方がない・・。
ヒカルもおとなしくそれに従う。

そうしてヒカルが出て行くのを見届けると、係員たちは息をついた。
彼らにとって、こんなトラブルは初めてだった。
一体どんな局面だったんだ・・?
係員たちは、さっきの対局を再現してみることにするー。

一方出口に向かっていたヒカルたちは、さすがにマズかった・・と反省していた。
佐為も勝負を中断させてしまったことに、激しく落ち込んでいる・・。

と、その時ヒカルは角から出てくる人物に気付かず、ぶつかってしまった。
慌てて謝る彼がぶつかった相手を見た佐為は、はっと目を見開く。

その相手はーテレビで見たことのある塔矢(とうや)名人だった。
彼は威厳のあるたたずまいで、どこかオーラさえ漂わせていた。
ヒカルも誰だか分からないまでも、何か異様な空気を感じて圧倒されてしまう。

・・気をつけなさい。
一言そう言うと、塔矢はそのまま歩いていってしまった。
佐為は、その後ろ姿をじっと見つめる。

あの男だ。現代で、神の一手に最も近い男ーーー!!

ー塔矢はその後、控室へ入った。
彼もまた、会場でトラブルがあったことを聞きつけてきたのだ。

係員たちは、ちょうど対局を再現しているところだった。
彼らはこれを見てほしい・・と塔矢にその盤面を見せる。

そこには、眼鏡の男性もいた。
彼は盤面を見つめる塔矢に、さっきの情報を伝える。
自分たちプロでも考えてしまうようなこの局面を、少年はちらっと見ただけで即答したらしい・・と。

それを聞いた塔矢は、なるほど・・とうなづく。
この黒の生き死にの急所を一目で分かるような子供が息子のアキラ以外にもいたか・・。

眼鏡の男性は、名前も聞かずに帰した失策を係員たちに注意する。
だが塔矢は、まあいいだろう・・と椅子に座り、盤面に向かった。
彼がそれほどの打ち手なら、遅かれ早かれいずれは我々プロ棋士の前に現れることになるー。

そう言って、彼はヒカルの指摘した場所に黒石を打ち込む。
新たな才能の可能性に、会場とは別の場所で棋士たちの心は躍るのだったー。




















急所の一手。


今回は子供囲碁大会を見学しに行ったヒカルが、対局に口を出してしまい問題となる回でした。
ルールを知らないから仕方ないけど、なかなか囲碁が打てない!w
佐為、さぞもどかしく悲しい気持ちでしょう・・(^^;)

でもこれがきっかけとなり、プロの棋士たちがヒカルの存在に気付くこととなりました。
特に塔矢名人がヒカルを知ったのは大きいですよね。
息子も負けてると知ったら、どんな反応をするのでしょうー。


そして今回大きかったのは、ヒカルが囲碁をたしなむ子供たちの姿を目の当たりにしたことですよね。
彼のいつになく感動する姿を見るに、少しは囲碁に興味が出てきたのではないでしょうか。
これをきっかけに、囲碁の楽しさにも目覚めていくといいな、と思います。

そういえば観客として出てきた眼鏡の男の子。
クローズアップされていたので、今後関わってくるようになるんですかね?
中学生のようだから、ヒカルが進学する中学にいたりするのかな。それかヒカルが通う碁会所や教室で知り合いになるとか・・。

恐らくヒカルはこれからアキラをライバルとして、プロの道を目指していくことになるのでしょう。
その道中では、きっと色々な囲碁を目指す少年少女との出会いがあるのでしょうね。

皆が順風満帆に行く訳ではないし、プロの道を諦める子もいるでしょう。
そういう姿を見て、今の生意気なヒカルも成長していくんだろうなーと思うと、楽しみですw

そして囲碁の世界を次世代に続けていくことが、ゆくゆくは佐為が成仏するのに必要なことなのではないかと思います。
神の一手を極め、囲碁がこれからも繁栄していく姿を確認するー
それこそが、佐為の魂の浄化にきっとつながるのではないでしょうか。

色々な可能性が見えてきて、ますますワクワクしますね!
ヒカルがどんな囲碁の道を歩み、どんな人たちと出会うのかー楽しみに待ちたいと思います(^^)




さて、今回はもう1つの可能性も見えてきました。
それは塔矢名人のこと。

佐為が注目する塔矢名人は、現代においてもっとも神の一手に近い人物です。
今回出てきた眼鏡の男性も緒方と呼ばれていたので、塔矢名人の次に並ぶ打ち手ですね。

そんな彼と対局することを、佐為はきっと望むでしょう。
そしてそのためには、ヒカルがプロ棋士にならないといけません。

ヒカルの意志ももちろん必要ですが、きっと物語はその方向へと進むでしょう。
そうなるとヒカルをライバル視するだろうアキラも、きっとプロの道を目指すことになります。
そして恐らくですが、経験値の高いアキラの方が先にプロ入りを果たすことになると思われます。

その場合、最終的にはヒカルがアキラを追い、佐為が塔矢名人を追うことになるのではないでしょうか。
ヒカルも佐為も互いにライバルを持ち、その人物に追いつくために切磋琢磨するー
そんなストーリーが、見えてきたような気がします。

また塔矢名人も当然ヒカルやアキラという後進の台頭に対して迎え打ってくるだろうし、アキラはアキラでヒカルの中の佐為を追うでしょう。
そうやって色んな思いが交差し、最上の戦いを生む。
そうなってこそ、神の一手は導き出されるのではないでしょうかー。

誰が神の一手にたどり着くのか、そこもとても気になるところですね。
うーん、序盤でこんなにワクワクする作品ってたまらないです!
早くヒカルに囲碁の楽しみを知って、真剣に取り組んでほしいなぁ。

徐々にキャラも揃ってきたし、今後が楽しみですね。
とりあえず、佐為がもっとたくさん対局ができるようになることを祈りたいと思いますw







さて、次回は囲碁大会に影響を受けたヒカルが、真剣に囲碁に取り組み始める話でしょうか。

やっぱり同年代が囲碁にたしなんでいるのを見ると、気持ちも変わりますよね。
まずは勉強してみて、合うか合わないかを考えるのもいいと思います。

また、塔矢名人によってアキラもヒカルの今回の一件を知ることになるのでは・・と思います。
碁会所で敗北を喫した彼に、動きはあるのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆