前回、偶然の再会を果たしたヒカルとアキラ。
しかし囲碁の世界を知らないヒカルの無神経な言葉は、アキラを酷く怒らせてしまいます。

そしてそれをきっかけに、再戦することとなった2人。
果たして次の対局の結果はいかにー?!

感想です☆




棋聖降臨~第5局 「牙を剥くアキラ」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ヒカルの囲碁への姿勢に、怒りを覚えたアキラ。
彼は碁会所へ向かう電車の中でも、これから迎える対局のことばかり考えていた。

その様子を横目に見ていたヒカルは、思わずため息をつく。
冗談の通じない奴だなぁ・・。
彼は佐為(さい)に、大体そう簡単にプロになんてなれる訳ないよな、と笑いかける。

アキラとの対局だって、この前の佐為はたったの二目差で勝てただけだった。
その程度の力なのだから、プロなんて到底夢の話だー。

するとそれを聞いた佐為は、くすりと笑った。
彼はやや得意げに、あの時の自分は本気ではなかったのだーとヒカルに明かす。
子供相手に本気になるのは大人げない。自分はあの時、指導碁を打ったのだーと。

指導碁・・。
聞きなれない単語に、ヒカルは眉をひそめる。
佐為はそんなヒカルに、指導碁について説明した。

指導碁とは、相手を正しい筋に導いてやる碁のことだ。
そこに言葉はいらず、一手一手で語って教えるのが目的である。
そして大事なのは、勝ちにこだわらないこと。指導者が強引に勝つことに、何の益もないのだー。

その説明に、ヒカルは感心した。
・・ということは、佐為はアキラよりは実力は上ってことか。
彼は、まぁ当然か・・と1人納得する。
囲碁を勉強しているっていっても、アキラは自分と同じただの6年生の子供だもんなー。

だがそれを聞いた佐為は、ただの子供?とんでもない!とヒカルの言葉を打ち消した。
アキラは未熟ながらも、輝くような一手を放ってくる。あれにはよほどの者でも、歯が立たないだろう。
自分は彼の一手に、自身の中の囲碁への才が覚醒していくのを感じた。アキラは成長したら、獅子に化けるか龍に化けるかー可能性の塊なのだ!!

そう話す佐為の顔が、段々真剣なものへと変わっていく。
そんなアキラは、今牙を剥いているーーー!!

所詮は子供だから自分が負けることはないだろう。だが楽しみだ・・。
2人の間に燃え上がる闘志に、ヒカルはただ1人ついていけず呆然とするのだった。


それから、2人は碁会所に着いた。
アキラとヒカルが一緒に入ってきたので、受付の女性も周りの老たちも一様に驚く。
アキラはそんな彼らには構わず、奥の空いているところを借りると告げると、ヒカルを誘う。

だが前回の対局を知っている老人たちは、2人がまた勝負をすると知り、騒ぎ出した。
あっというまに彼らはヒカルたちの周りを囲み、ギャラリーでいっぱいになってしまう。

ヒカルはその反応におののいたが、当のアキラは平然としている。
彼の周りを全く気にせず動じないその姿勢に、ヒカルもようやくアキラはただ者ではない・・と感じるのだった。

一方の佐為は、アキラの闘志むき出しの瞳に、さてどうしたものか・・と息をついた。
この清々しい将来有望な眼をした子供が、今私に牙を剥いている。
紙一重の差でこの子の牙をひらりとかわし、よしよしと頭を撫でてやるのがよいか。それとも・・。

ーそうして、早速対局が始まった。
今回はハンデなしの互先で行こう、とアキラは提案する。

自分が握ろうー。
そう言ってアキラが碁石を持つと、ヒカルは握る?と首を傾げた。
アキラはやっぱり初心者なのか・・?とまた戸惑いながらも、ゆっくりと説明をする。

対局の前には、どちらが黒を持つか白を持つか決めることになる。
そこで今回はアキラが握った白石の数をヒカルが奇数か偶数か当てて、その答えが当たったらヒカルが先手の黒石、外したら後手の白石で始めようというのだ。

ヒカルは納得し、偶数に賭ける。
結果は偶数。ヒカルが先手で打つこととなった。

するとアキラは今度は、コミは五目半だ、とまたヒカルには分からない話を始める。
五目半とは、先手で打つ黒が有利なため、予め白が五目半をもらっておくというルールだ。
だから結果が50目対50目なら、白が5目半で勝ちになるーということだ。
それを聞いた佐為は、感嘆の声をあげた。

どうやら秀策の時代には、五目半というルールはなかったらしい。
ヒカルは大丈夫なのか・・?とまたも佐為の実力への疑問を感じ、眉をひくつかせる・・。

その時、アキラが口を開いた。
ーじゃあ、お願いします!
ヒカルもはっとし、アキラを見つめる。

ついに対局は始まってしまった。
まずはヒカルが打つ番だ。佐為がヒカルに、一手目の場所を指示する。
右上スミ小目。

ヒカルはそこに、恐る恐る石を置く。
そのたどたどしい手つきを見ながら、アキラは考え込む。
そして彼は3分の熟考の末、一手目の白を置いた。

ギャラリーは一手目からの長考に、皆息を呑む。
緊張した空気は続き、ヒカルは次の石を置くー。

その中で、佐為は五目半のルールを改めて考えていた。
五目半の負担は、力が対等な者を相手にする場合は、ずいぶんと厳しい負担になる。もっともっと一手の働きを追究しなければ・・。
彼は新たな可能性に、胸の高鳴りを押さえることができなかった。

最善の一手の追究・・なんという喜びであることか・・。

ーアキラはヒカルの手に対し、今度は間髪入れずに石を置いた。
その瞳は真っすぐヒカルを睨みつけてくる。
闘志みなぎるその瞳に、まだ怒っているのか・・とヒカルは身の引ける思いを感じる。

一方佐為はアキラの手を見て、次はどう打つのがいいか・・と考えた。
ここでコスむのは温いか?ハサミの方が、アシが早いか・・。

佐為もまたアキラの闘志を感じ、彼が真剣勝負を望んでいることを見て取る。
私のコスむ手を待っているのか?・・ならばそれもよかろうー。

彼はヒカルに、15の十六、コスミーと指示した。
その一手は、真っすぐにアキラに牙をむいて彼の攻撃を誘った。
その意図に気付いたアキラの瞳は、ますます炎を燃やすー。

さあ、来るがよい!!
佐為は本気で、アキラとの対局に臨むのだった。




















再戦。


今回はアキラと佐為が、再戦を迎えた回でした。
前回アキラを怒らせたヒカル。
アキラの怒りは収まることなく、そのまま対局を迎えてしまいました。

佐為に実力があると言わせるものの、佐為の態度から見たらアキラの力が佐為に遠く及ばないのは明らかです。
恐らくアキラは再び負けてしまうのでしょうね・・。
あんな酷い態度を取るヒカルに負けてしまったら・・アキラはどれだけのショックを受けるのでしょうかー。

彼から対局を望んだのだから仕方ないとはいえ、立ち直れるのか少し心配になります。
いや、むしろそれで更に火がつき、プロ入りを真剣に考えるようになるのかな?
ヒカルの腕は認めても、彼の態度は許せないでしょうからね。
引き離しに来るかもしれません。

まずはヒカルではなく、アキラが成長していく展開が来るのかも・・。
まだヒカルに関しては囲碁の楽しみにも出会えていないですからね。
壁にぶち当たったアキラの方が、大きく成長する可能性に満ちているように思われます。

一体どんな決着がつくのでしょうね。
佐為は手加減するのか、それともこてんぱんにのしてしまうのかー
次回を待ちたいと思います。



で、今回の対局の意味は、それだけではないと個人的には考えています。
今回はアキラが負けた相手と再戦ということで、ギャラリーが沸いています。
その中でアキラが負けたらどうなるかー?
想像するに、大変なことになると思います。

噂は広がるでしょうし、ヒカルの存在にはますます視線が集まるでしょう。
子供囲碁大会でも、プロの棋士たちがヒカルの存在を気にしています。
そうやって少しずつ話題になるなかで、塔矢名人の息子である昭が2回も負けていると知れたらー棋士たちはヒカルを放っておかないのではないでしょうか。

この展開って、佐為にとっては強い者たちと囲碁を打てるので喜ばしい状況でしょうが、ヒカルにとってはかなり厄介なものですよね。
自分には実力がないどころか囲碁への興味もないのに、囲碁の世界は自分を放っておいてくれないー
そうなると、ヒカルが囲碁を嫌いになってしまう危険性もあると思います。

秀策の時代とは背景がまったく違って、今は情報を得る手段はいたるところにあります。
なのでヒカルという存在の情報も、広まれば一気に皆の知るところとなってしまいます。
佐為にはまだその危険性は認識できていないので、ヒカルと佐為の見通しの甘さがどう影響してくるかーこれは懸念すべき部分であるでしょう。

そうならないためにも、そろそろヒカルには囲碁の楽しみを分かってもらいたいところですね。
やっぱり彼が囲碁に興味を持たないと、本当には物語は始まらないように思います。

ただここまでを見て感じるに、アキラはヒカルを囲碁の世界に引き上げる存在ではないのかもしれません。
やっぱり実力差がありすぎるんですよね。最終的にはライバルになるのかもしれないけど、今の状態ではそう認識できるところにも到達できていないので。

だとすると子供囲碁教室なんかに通って、同年代の子供たちと触れ合うことがヒカルには必要な気がします。
子供囲碁大会で感心していたように、ヒカルには同年代の子供たちのパワーを感じることのできる環境が一番刺激となるのではないでしょうか。

この対局を終えたら、次はどんな展開が待ち受けるのか楽しみですね。
早くヒカルが囲碁を通して成長していく姿が見たいです。
そしていつかはヒカルの力で、アキラと対局してみてほしいなーと思います(^^)








さて、次回は対局の結果が出る回ですね。
アキラには可哀想ですが、この展開だと彼の負けは確実でしょう。
問題はどれくらいの差で負けるのか・・というところです。

完膚なきまでにやられてしまったら、アキラのショックは計り知れないものになると思います。
佐為がどう考えて打ってくるのか、気になりますね。

そして2人の真剣勝負を目の当たりにしたヒカルは、何か感じるところはあるのでしょうかー?


次回も楽しみです☆