前回、佐為の前に完膚なき敗北を喫したアキラ。
彼は今まで感じたことのない大きな壁に、ぶつかることとなります。

一方その真剣な姿を目の当たりにしたヒカル。
そんな彼は偶然の再会から、アキラの父塔矢名人と一局交えることになります。

佐為と現代の名人塔矢。
勝つのは一体どちらとなるのでしょうかー?!

感想です☆




棋聖降臨~第7局 「詰碁三題」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ーヒカルは塔矢(とうや)の打つ手に、言葉にできない高ぶりを感じていた。
彼は見様見真似で碁石を指に取り、盤上に叩きつける。
俺もあんな風に打てたらー!!

その瞬間、小気味いい音を立てて、碁石が盤上に打たれた。
それを見た佐為(さい)は息を呑むー。

一方ヒカルも、佐為の指示を受けずに自分が石を打ったことに驚きを感じていた。
彼はそのことが信じられず、佐為が自分の身体を乗っ取ったのでは・・と恐怖を感じる。
そして溜まらず、彼はその場から逃げ出した。

碁石が床に落ち、激しい音を立てる。
横で見ていた緒方(おがた)が驚き呼び止めるが、ヒカルは構わずそのまま碁会所を走り去っていってしまうのだった。

それを見ていた碁会所の人間たちは、何が起きたのかと呆気にとられる。
緒方も訳が分からないまま、仕方なく塔矢に、ヒカルの実力はどうだったか・・?と尋ねた。

塔矢は碁石を拾いながら、考えを口にする。
石の流れには非の打ちどころがなく、プロのお手本のようだった。だが序盤の数手を見ただけなので、棋力については何とも言えない・・と。

しかし彼にはそれよりも、気になっていることがあった。
それはヒカルが最後に打った手のことだった。

あの一手だけは異彩を放っていた。悪手といえば悪手にも見えるが、あの一手は興味深い・・!!
ーそうして彼もまた、アキラ同様ヒカルに興味を持つのだった・・。


一方外に出るとーヒカルは佐為に、どういうつもりだ?!と詰め寄った。
俺の身体だけじゃなく、心の中にまで入り込むなんて!あんな打ち方、俺にできるもんか!!
そう取り乱し怒鳴るヒカルに、佐為は困ったように違います!と弁解する。

私にはそんなことはできません!あれはヒカルが自分で打ったのです!!
そう説明すると、彼はヒカルに落ちている石を手に取るように勧める。
この石を、さっきみたいに打ってみてください!

そう言われたヒカルは、半信半疑に石を手に取る。
だがさっきのように・・と言われても、彼は指で石を上手くつまむことすらできない。
やっぱり自分でやったなんて嘘だ!
ヒカルはむくれるが、佐為もまた譲らないー。

結局さっきの出来事に説明がつかず、2人はそっぽを向き合う。
だが佐為は、そんなヒカルのことを嬉しく思っていた。

本人が何と言おうと、あれはまさしくヒカルの一手だった。あなたも囲碁を少し覚え、自分からここに打ちたいと思うようになったのですよー。
彼は1人、そうほほ笑む・・。

ふとヒカルが、それにしても塔矢名人はすごかったなー・・と口にした。
彼はあの光輝くような指し方を思い出し、アキラはあの人にずっと囲碁を教わってきたのかー・・と感心する。

その時、通りかかったあかりがヒカルに気付き、声をかけてきた。
彼女はまたヒカルが囲碁を打ちに行っていたと知り、怪訝な顔をする。

だが彼女の用件は、囲碁のことではなかった。
あかりはポケットから、姉にもらったという中学校の文化祭のチケットを取り出し、週末一緒に行こうーとヒカルを誘う。

だがヒカルは面倒なのと、女の子と2人で行くのが嫌で、その誘いを断る。
一方のあかりも全く退かず、強引に約束を取り付けて走っていってしまう。
佐為に可哀想だから・・と取りなされ、ヒカルは渋々行くことにするのだった。


そして土曜日ー
ヒカルは佐為と共に、中学校へと出向いた。

だがあかりは遅刻なのか、約束の場所に姿を現さない。
痺れを切らしたヒカルは、1人で先に学校の中を回ることにした。

校内で行われているお祭りに、初めて見る佐為は終始興奮した。
彼は楽し気にきょろきょろと辺りを見回し、その内の一角に目をやる。

ヒカル!あそこ!
彼の声に目をやると、そこでは1人の眼鏡の少年がお客さん相手に囲碁を打っていた。
行こう行こうと佐為がうるさいので、ヒカルは仕方なくそのブースへと足を向ける・・。

そのブースでは、どうやら対局ではなく指導碁のようなものが行われているらしかった。
眼鏡の少年は本を見ながら碁石を並べ、お客さんに次の一手を置くように指示する。
客は考えながら、碁石を置く・・。

すると今度はその石を捕らえる一手を、少年が打った。
まんまと間違えてしまった客は笑いながら、難しいなーと席を立つ。

その様子を見ながら、ヒカルたちは少年の持っている本が気になった。
そこには、塔矢名人選詰碁集ーと書かれていた。

詰碁?
聞きなれない単語にヒカルが眉をひそめていると、少年が詰碁の正解者には景品をあげますよ、と声をかけてきた。
佐為が欲しいと騒ぐので、ヒカルは少年の向かいに座ることにする。

少年はまず、簡単な問題から始めた。
並べられた石を見たヒカルは、これなら自分にも解けるかもー!とぱっと顔を明るくする。
そして佐為に答えを言わないよう口止めすると、彼は悩みながらも考えた一手を打った。

するとそれは正解だったらしい。
周りで見ていた老人たちが、一斉に拍手してヒカルをほめた。
ヒカルは少し嬉しくなり、佐為が自分も、と言うのでもっと難しい問題を出してもらうことにする。

そこで少年は詰碁集を見ながら、今度は有段者でも少してこずるような手を並べた。
ここから三手示してー。

そう指示された佐為は、すぐに答える。それをヒカルが打ったので、少年はえっ、と驚いた。
周りの老人たちも、呆気に取られてざわめく。
正解だったものの、皆が動揺したのは明らかだった。

一方のヒカルは景品がジュースだったことに不満を持ち、早く切り上げるためにも一番難しい問題を出してほしい、と少年にせがむ。
少年は困り、一番難しい問題は塔矢アキラレベルだよ・・と呟く。

それを聞いたヒカルは、思わず身を乗り出した。
塔矢アキラ知ってるの?あいつ、そんなにすごいの?
そう尋ねると、少年は問題を並べながら、もうプロ試験に受かる腕前だよ、とうなづいた。

ヒカルは再びアキラの真剣な表情を思い出し、思わず身震いする。
その間に、問題は並べられた。
塔矢アキラなら解けるかもしれない難問ー
ヒカルはその響きに魅了され、佐為の力を借りずに自分で解いてみたいーと構える。

だがその時、横から口出しする者がいた。
第一手は、ここだろー。
彼はそう言うと、たばこの火を碁盤に押し付けた。
少年や周りの老人たちは驚き、何をするんだ!!と叫ぶ。

ヒカルも戸惑うなか、その横入してきた男は囲碁なんて辛気臭いもんはやめちまえ!と言い捨てる。
その少年は、将棋の駒の柄の着物、という妙な格好をしていた。
彼は将棋の方が1000倍は面白いぜ、と笑いながらヒカルを見やる。

何が塔矢アキラだ。あんな奴、俺に負けた最低野郎だぜ!
その言葉に、ヒカルは思わず立ち上がるのだったー。




















詰碁を解くヒカル。


今回は囲碁に興味を持ち始めたヒカルが、中学校の文化祭で詰碁を知る話でした。
塔矢名人との対局は不完全燃焼でしたが、着実にヒカルが囲碁を楽しんでいっている姿が見られるのは嬉しいですね。
佐為とのやりとりも、どんどんほほえましく感じられるようになってきました。


それにしても、いきなり持ち方まで変わって一手打ってしまうとは、才能の塊ですね!
それだけ影響させた塔矢もまたすごいですが、本当ヒカルの今後が一気に楽しみになりましたね。

秀策がそうだったように、恐らくヒカルも才能はあるからこそ、佐為と出会ったのでしょう。
でも才能はあっても、伸ばせるかどうかは自分次第です。彼がどんな感じに囲碁を楽しみ、囲碁の世界に親しんでいくのか期待していきたいと思います。

佐為も、今までになく嬉しそうでしたよね(^^)
やっぱり囲碁に興味のなかった子が、関心を持ち始めたというのがいいんだろうな。自分だったら、すごく嬉しいですもん。
これからどんどん吸収していく姿を見られるなんて、幸せ以外の何ものでもありません。

きっとヒカルと佐為の仲も、更に絆が強まっていくのでしょうね。
塔矢との対局が中途半端に終わったのは残念でしたが、未来が期待できる良い回でした。


で、対する塔矢。
ヒカル(佐為)の確かな囲碁の才能に気付きながらも、彼の注目はむしろヒカルの一手に向かいました。

これは恐らく、彼が現代において一番の棋士だからなのかな・・と思いました。
現状トップに君臨する彼。そんな彼を追い上げてくるのは、これから成長してやってくる若い世代です。
塔矢はヒカルにも、その芽を見たのではないでしょうかー。

だからこそ塔矢の目は、昔からの手堅い手を打つ佐為ではなく、ヒカルの方に向いたのでは・・というのが私の予想です。
うーん、佐為のことを思うとちょっと切ないですが、囲碁の未来を思うと当然のことではあるんですよね。
そこが今を生きる人との違いとでもいうのか・・。

ただ塔矢もまた違う意味でヒカルには目をつけたので、今後も関りはあるでしょう。
その中で佐為もまた、塔矢と対局できる機会を得られればいいですね。

親子どちらもライバルー燃えるじゃないですか!
そう思うと、むしろ今回は決着がつかなくてよかったのかも。

とにかく、これからが楽しみで仕方がないです。
ヒカルと共に、佐為もまた囲碁を楽しむ機会がたくさんありますように!





さて、今回はもう1つ、中学の文化祭のエピソードがありました。
詰碁を教えていた少年は、子供囲碁大会を見学していた少年ですね!
囲碁部なのかな・・?でも1人だから、部ではないのか・・?

有段者だと言っていたので、彼もそれなりに囲碁が打てる人物なのでしょう。
ヒカルのことは覚えてないのかな・・?その内思い出すかもですね。

で、もしかしたらこの出会い、ヒカルが中学生になったら囲碁部に入るきっかけになるのではー?と感じました。
あかりのお姉ちゃんが通っているのだから、恐らく学区の中学校ですよね。ヒカルが通う可能性は、高いでしょう。

もしまだ囲碁部が無いのなら、2人で立ち上げるなんて展開もあるかも?
そうしたら青春って感じで、ワクワクするなぁ。碁会所とかで老人と打つのも悪くないとは思うけど、やっぱり同い年くらいの子たちと切磋琢磨する姿も見たいですよねぇ(^^)


で、そんな中気になるのが、ラストに出てきた風変りな少年・・。
え、少年ですよね?ちょっと年齢不詳だったけどwたばこも吸ってましたけどw

将棋の駒柄の着物とか、なかなか独創的な感じですが、彼は一体何なのでしょうね。
囲碁をやけに敵視しているようですが、その理由は・・?

恐らくアキラを負かしたことがあるというのだから、幼い頃は囲碁に親しんでいたのでしょう。
でも何か理由があり、囲碁を憎むようになってしまい、その思いが将棋に向かわせた・・?という感じでしょうか。
うーん、なんだか中二病こじらせているタイプに思えてならない(^^;)

見るからにヒカルとの相性が悪そうなタイプだし、佐為も碁盤を汚されて怒ったようだし、第一印象は最悪ですね。
でも年上だから、さすがのヒカルでも敵わないか・・。
喧嘩沙汰になんかなってしまったら、関わっていた囲碁部の少年もとばっちりを喰らいそうでそこは心配です。

そういえばあかり、どうしたのでしょうね?早く来て、この状況を打破してくれるといいんだけど。
とにかく騒ぎにならないことを祈るばかりです。。


ただ1つ気になるのは、少年が本当に詰碁を解いたのか?ということ。
一応煙草でとはいえ、盤面の一角を示していましたよね。
あの答えが合っていたとしたら、少し話は変わってきます。
彼もまた、才能の持ち主だということになりますからー。

そうなったら、むしろどうにか納得させて、囲碁の世界に連れ戻す展開もあるかもしれないですね。
案外手ごわいライバルとなることも・・あるかも。

なんだか不穏な出会いでしたが、ここから長い付き合いとなったりするのでしょうかー?
続きが待ち遠しいですね。

この出会いもまた、ヒカルの運命を変えるのかー?
見守りたいと思います。








さて、次回は謎の少年とぶつかる話でしょうか。

詰碁を解く気満々だったヒカルも鼻っ柱を折られた形だし、囲碁を汚された佐為も黙っている訳がありません。
もしかしたら対局・・なんて展開になるかもしれませんね。
アキラの話も聞きたいところだし、ここで終わる訳はないでしょう。

そして気になるのは、少年の棋力!
喧嘩を売ってきたのだからそれなりの腕前だとは思いますが、果たしてどれほどのものか・・。


次々に新たな囲碁関係者が出てきて、息をつかせないですね!
この先もどんな出会いが待ち受けているのかー

次回も楽しみです☆