前回、加賀に半目差で負けてしまったヒカルたち。
しかしヒカルに才能があると見抜いた加賀は、筒井と3人で中学団体戦に出場することを決めます。

流れに逆らえず参加することになるも、囲碁を打てることを次第に楽しみにするようになったヒカル。
彼の初の対局は、一体どんな勝負となるのでしょうかー?

感想です☆




初陣~第10局 「初陣」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎
 
監督官が、各中学校の席を指定していく。
ヒカルたちもまた、3人で並んで席についた。

ふと、ヒカルは横に置かれた時計が気になり、手を伸ばす。
するとそれに気付いた向かいの男子が、まだ対局は始まっていないだろ!と声をあげた。

それを見た筒井(つつい)は、慌ててヒカルに説明する。
その時計は対局時計といい、各自の持ち時間を計る時計なのだという。
持ち時間は1人45分で、一手打つごとにボタンを押して使うものなのだ。

相手の学校は、そんなことも知らないのかーと冷ややかな目で、ヒカルを見やる。
恥をかいたヒカルは、何で教えてくれないんだ!と佐為をなじる。
だが秀策(しゅうさく)の時代にはそんなルールはなかった、と佐為は冷たく返す。

どうやら彼は囲碁を打たせてもらえないことを根に持っているらしい・・。
大人げない態度に、ヒカルももういい!と盤面に向き合う。
そうして、対局が始まるー。

監督官の合図と共に、加賀(かが)は扇子を開いた。
するとそれを見た相手の大将は、君はもしかして将棋部から来たの?と尋ねた。

彼は馬鹿にしたような目で、加賀達3人を眺めまわす。
たった3人も揃わなかったんだー。

だが加賀は気にせず、さっさとニギるように告げる。
それでも大将はまだネチネチと3人を嘲笑ったので、彼は扇子を閉じーその先っぽを大将の額に突きつけた。
将棋ならお前の王将は5分で死んでいるが、囲碁だと10分はかかる。5分だけ、寿命が延びたなー。

はなから噛みついてくる奴は、大抵弱い!
彼はさっさと勝負を始めよう、と相手を挑発するのだった。

そこで相手の大将が、石をニギる。
それにより、加賀が白、筒井が黒、ヒカルが白と決まった。
お願いしますー。
6人は互いに礼をし、いよいよ対局を始める。

だが初めてすぐ、加賀は隣に座る筒井を見て驚いた。
彼は定石本を見ながら、打っていたのだ。

試合の場で本を広げて打つ奴があるか!!
加賀は思わず叫ぶが、ルール違反ではないから・・と筒井も譲らない。
彼は本を開いていないと、不安になってしまう質だったのだ。

2人が騒ぐので、ヒカルはバレないかと身を縮こまらせる。
その様子を見ながら、相手校の3人はこの勝負は余裕だーと笑みを浮かべる。

対局時計も知らない奴と、定石の本を広げている奴と、将棋部から駆り出されてきた奴。
酷い部だ。勝負なんて目に見えてるー。
彼らは1回戦は楽勝だ、と気を抜くのだった。

一方ー佐為は目の前で繰り広げられる様々な対局を目にし、その瞳をキラキラと輝かせた。
ヒカルー、私も打ちたいですー!!
彼は何とか自分も・・とヒカルにすり寄る。
その時、加賀が声をあげたので、彼ははっとして顔を上げた。

聞こえねーよ。
その声と共に、佐為の目には青い顔をした相手校の大将が目に入った。
大将は身体をわなわなと震わせながら、どうにか口を開く。
・・負けました。

それと同時に、加賀は勢いよく扇子を広げ、立ち上がる。
よし、10分!
勝負は、彼の完璧な勝ちだった。

その結果に、俄かに他の部員たちに動揺が走る。
そんな彼らに、部の顧問が声をかけ鼓舞する。
大丈夫、2勝すれば勝ちなんだから、お前たちは勝てる。
大将は気の毒だが、相手が強すぎたんだ・・。

ーその加賀は、席を立ってヒカルの様子を見に行った。
さて、こいつの実力を見せてもらうか・・。
そう思って盤面を覗いた加賀は、棋譜を見て目を見開いた。

そこに並べられたヒカルの手はーあまりにも下手くそでお粗末なものだったのだ。
彼は前回自分と戦った人間の同じ手とは思えず、何度も盤面を見返す。
だが何度見ても、思わず酷いな・・と声が出るくらい、その棋譜は未熟だった。

相手の三将も、まだ打つの?とため息をつく。
ヒカルは心の底から楽しんでいたが、相手にとってはもう勝ち負けのはっきりしている勝負だ。
これ以上打って疲れたくない・・。
そう言われてしまい、ヒカルの勝負はあえなく負けで終わってしまう。

がっかりしながら碁石を片付けるヒカルを見ながら、佐為もまた息をつく。
‥本当に、ヒカルが一手目から並べて見せたのはまぐれだったのだろうか。
彼はあの時は確かにヒカルの中にも塔矢(とうや)アキラと同じ才を見たのに・・と、アキラのことに思いを馳せる。

塔矢アキラ・・やはり彼は特別なのかもしれない・・。
佐為は、あの2回目の対局のことを忘れられずにいた。
自分を怯ませたアキラ。それゆえに、自分に一太刀にされたアキラ。
彼は今どうしているのだろうかー。


海王中学。
その校長室に、アキラは呼ばれていた。

アキラは中学受験で、ここの学校も受けることになっている。
それを聞きつけた校長は、アキラなら必ず受かるだろうーと考え、頼みごとをしたいと切り出した。

それは、海王中の囲碁部のことだった。
アキラが入学した折には、是非囲碁部に入ってほしいー。
校長はそう話した。

アキラは戸惑い、断ろうとする。
だが校長は彼を制し、将来棋士になろうとするアキラには囲碁部など不足な場だろう、とうなづく。
それでも、誰もが憧れるほどの力を持った者の存在は周りに活力を与える。君はそういう人だから、少しでも顔を出してあげてほしいのだー。

そうほほ笑む校長の一方で、彼の言葉にアキラはヒカルのことを思い出してうつむいた。
彼は、自分はそんな風に思われるほど強い存在ではない・・と答える。

校長はそれをアキラの謙遜だと受け取ったが、アキラは今や本心からそう思っていた。
ヒカルに2回も負けた自分は、決して強くはないーと・・。
アキラはそのまま、なかなか顔を上げることができないのだった。




















団体戦、初戦!

今回はヒカルが筒井と加賀と共に、中学囲碁部の団体戦に臨む回でした。

まさか本当にヒカルが打つことになるとは!本当に囲碁を楽しむ姿勢が見えてくるようになりましたね。
佐為は物足りないでしょうが、ここは見守ってあげてほしいです。
ヒカルがこのまま、囲碁にどっぷりのめりこんでいくといいなぁ(^^)

絶対にチームで囲碁の勝負をするなんて、楽しいですよね!
アキラとは違う形での囲碁の親しみ方ですが、方法なんて人それぞれです。
ヒカルが飽きずに、取り組んでいけるのが何より大事です。

加賀と筒井のやり取りも好きだし、やっぱりこの3人で囲碁部を作ってほしいですね。
いいですね、明るい未来が見えているのって。


で、初戦ですが・・既にピンチですねw
まぁ実際はこんなもんか・・。ヒカルは自身での対局の経験ないですから、最初から勝つなんてまぐれ、早々起きないですよね。

対局時計も知らないし、下手くそな打ち方だし・・。でもこれが、今のヒカルの本当の実力なのです。
人と戦うことで、それがヒカルに可視化されるのも、悪くないことだと思います。
佐為と勉強しているだけでは自分の力量に気付きにくいでしょうし、どんどんこうやって外に出て行くことも必要でしょう。

そこで自分の力不足を知ることも、また必要なことです。
今アキラが壁にぶつかっているように、本来は人は何回も壁にぶち当たってはそれを乗り越えて生きていくものなのです。
だからこれからもめげずに、どんどんチャンスに手を伸ばしていってほしいですね。


さて、そして他の2人ですがー加賀は安定の強さでしたね。
彼、そのまま囲碁を勉強し続けて行ってたら、かなりレベルの高い棋士になっていたんじゃないかなぁ。勝負強いし。

まぁでも囲碁が嫌いになった訳ではないし、将棋の方が好きなのも本当ですもんね。
彼には自分の好きなときに好きなように打てるスタンスが合っているのかもしれません。

そしてもう1人、筒井。
彼の対局を見るのは初めてでしたが、有段者とはいえそこまで強くはないようですね。

でもマイペースで周りを気にすることがないし、真面目なのでなかなか伸びしろがありそう。
とにかく囲碁が好きなことは伝わってくるので、やっぱり彼のためにも囲碁部を創設したいところですね。

筒井は優しいし教えるのも上手そうなので、ヒカルにとって良い先輩となりそう。
中学校に入ったら、彼から色んなことを学んでいってほしいな、と思いました(^^)

さてー彼らは初戦を勝ち抜くことができるのかな?
勝負は筒井にかかっています!w
次回の結果が、気になります。。






さて、今回は久々にアキラも出てきました!
彼、海王中学を受験するんですね。
囲碁部が目的ではないようなので、頭もいいということなのでしょう。
本当に優秀な子なんだなぁ・・。

まだ合格してもいないのに校長が呼び出すというのはなかなか変な話な気はしますが、まぁそこは置いておいてw
私としては、囲碁部に入るのも良い選択肢ではないかなぁ・・とは感じました。

アキラは父の教えもあるので、同年代と囲碁を打つ環境に入っていくつもりはないようです。
でも彼のどこか浮世離れしたカンジってそういう環境が作ったものだと思われるので、もうちょっと子供らしくなってもいいんじゃないかなーとは思うんですよね。
ヒカルのように、青春しながら囲碁を楽しむという時間も、アキラには必要なんじゃないか・・と。

今彼は、ヒカルという壁に悩んでいますが、現状それを相談できる友達もいないんですよね。
これって、アキラの年齢を考えるとあまり良い傾向ではないと思います。

この前も書きましたが、このままだとアキラは孤高の棋士となってしまう可能性のほうが高いです。
それが彼にとって幸せなのかと考えるとー今はもっと色んな道を模索してもいい時期なのではないでしょうか。

だからせっかく海王中に入るのなら、囲碁部に入って部員たちと対局したり、団体戦に出たり・・という体験をするのもいいんじゃないかなぁ。
アキラにはそういう、他の人ともっと関わる機会が必要だと思うのです。


ただ1つ懸念されるのが、部員たちとアキラの実力の差ですよね。
全国トップの囲碁部ということなので相当強い子たちが揃っているとは思いますが、それでもアキラと並ぶとどうなのか・・というのは、正直心配なところです。

アキラがあまりにレベル違いということになると、部に入っても相手をできる人材がいなくなってしまいます。
それに彼が在籍する限り、団体戦ではいつも彼が大将で、下の部員たちには大会参加の機会が回ってこないーという面も心配されます。

そういうことになると、アキラの存在は互いにとってキツいものとなる予測も出てきますよねぇ。
うーん、なかなか難しいなぁ。
しかもアキラ、そういう場面で上手く立ち回れるタイプじゃ絶対にないからなぁ(^^;)

何とかアキラにもヒカルのような楽しい囲碁体験を積んでほしいと思うのですが、彼にはずっと築いてきた下地があるので、一朝一夕には行きませんね。
それでも今回校長が提示してくれた件は、もうちょっと考えてみてもいいように思います。

そういえば偶然ヒカルもアキラも海王中にいるけれど、今回は再会はしないのかな?
アキラは大会になんて興味なさそうだもんなぁ・・。今回はすれ違いかもしれないですね。

なかなか交わらない2人の道ー
面白いけど、ちょっともどかしい。。









さて、次回は団体戦を勝ち進めれば、2回戦ですね!

勝敗は、筒井に委ねられました。ここは是非勝って、2回戦に進んでほしいものです。
でもヒカルのあの感じだと、決勝までは無理かなぁ・・。今回はこの辺で、実力不足を感じて終わりとなるかもしれませんね。

でも大事なのは勝ち負けだけではなく、勝負に挑むという経験も含まれています。
ヒカルにとってはとても良い機会ー
勝っても負けても、色んなことを吸収していってくれれば・・と思います。


結果はどうなるかー。
次回も楽しみです☆