前回、初めての対局に臨んだヒカル。
しかし彼の手はまだあまりにも未熟で、初戦は負けとなってしまいます。

一方その頃、中学進学に向けて面談を受けていたアキラ。
囲碁部に入ってほしいと頼まれた彼は、自分は実力不足だ・・とうつむきます。

別々の場所で、成長していく2人の少年。
一度交わった道が、再び交差することはあるのでしょうかー?

感想です☆




初陣~第11局 「覚醒の予感」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

初戦ー
筒井(つつい)たちは対局を終え、互いの陣地を数えた。
白がコミを入れて60目半、黒が61目ー
その結果に、相手校の副将は眼を見張った。

負け?いつのまに逆転された?
彼は信じられず、盤面を見つめる。
中盤までは勝っていたのに、ヨセで20目差がひっくり返った・・。
その大逆転劇に、顧問もまた汗を浮かべる。

加賀(かが)はその戦いぶりに、ヨセだけは本当間違えないのなー、と半ば呆れたように筒井を見やる。
筒井も、目算とヨセはばっちりなんだ!と嬉しそうに笑う。

これで2人が勝ち、葉瀬中は2回戦に進めることになった。
喜ぶ彼らは、結果を報告しに行くー。

そしてあっというまに、2回戦の時間となった。
出場校が少ないので、2回戦はもう準決勝だ。相手は佐和良中ー3人はさっきと同じように、相手校の向かいに座る。

ー対局が始まると、すぐに大将戦は決着がついた。
・・負けました。
うなだれる相手の大将に、顧問はどうしてもっと右上スミに入っていかなかったんだ!と怒鳴る。

だがそれを聞いた加賀は、それでも無理だぜーと顧問に言い放った。
入ってきても、それも俺は殺すからー。
彼と相手校大将の力量の差は、歴然としていたのだ。

それから、加賀は2人の様子を覗きにいった。
今度は筒井も厳しそうだ。
加賀は盤面を見てそう判断し、次にヒカルの方に目を向ける。

彼らの相手は、偶然にもさっきヒカルが棋譜を並べてみせた男子中学生たちだった。
彼らはさっきのヒカルの様子を知っているだけに、実力はこんなもんだったのか・・と戸惑いを感じていた。

眼鏡の方もそうだが、こいつなんて全く話にならないぜー。
2人が囁き合うのを耳にした加賀は、どれどれ・・とヒカルの手を見て、また眉をひそめた。
・・うーん、石の筋はいいんだが、あまりにも未熟というか稚拙というか・・。

それを聞いた佐為(さい)は、思わず吹き出す。
彼もまた、ヒカルの力量をなかなか計れずにいる1人だった。
ドキッとする瞬間があると思うと、ガクッとくる一手を放つのがヒカルだからだ。

その後も加賀はヒカルの対局を眺め、これはマズいな・・と考えた。
このままだと筒井もヒカルも負けてしまう。そうなると、ここで団体戦は終わってしまう。
彼はヒカルに、ちゃんとやる気あるのか?と尋ねる。

するとヒカルは、やる気満々だ!と胸を張って答えた。
その笑顔に戸惑った加賀は、お前の実力はこんなもんじゃないはずだ、と言い、もしかして遊んでるのか?と訊く。
それに対しヒカルはー遊んでるよ、と答えた。

彼は驚く加賀と佐為に、盤面を指さして見せる。
だって碁盤には、9つの星があるだろ?だからここは宇宙なんだ!
そこに星を1つ1つ増やすように、石を1つ1つ置いていくんだ。そうしてどんどん宇宙を創っていくー。

それって、まるで神様みたいだろ?
ヒカルは楽しそうに笑みを浮かべた。
俺はこの碁盤の上で、神様になるんだよー!!

その言葉に、佐為は呑まれた。
ヒカル・・。
彼はヒカルを愛おしそうに見つめる。

その時、横で筒井が勢いよく立ち上がった。
どうやら投了したらしいー。

これで1勝1敗になってしまった・・。
加賀はその結果から、一計を打ってヒカルの耳元でささやく。

・・実は黙っていたんだが、この大会で優勝しないと、葉瀬中の囲碁部は認めてもらえないんだ。
それを聞いたヒカルが慌てるのを見た加賀は、一気に本題に切り込む。
だからお前が真剣に打って、本当の実力を見せるんだ!さもないと、このまま時間切れで終わっちまうぞー!!

ーそう言われたヒカルは、再び碁盤に向き合った。
だが彼の手は、いまやプレッシャーに震えてしまっていた。
自分が負けたら、終わり・・。

彼は盤面を見つめ、自分が追い詰められている事実を目の当たりにする。
自分が負けたら、終わり・・。
そこでヒカルはー佐為に言った。

佐為・・打って・・。

彼はうつむいたまま、佐為に頼み込む。
俺じゃ駄目なんだ、俺じゃ・・。

それを聞いた佐為は、私に出てくるなって言ったくせにーと意地悪を言ってみる。
だがヒカルの目に涙が浮かんでいるのに気づいた彼は、慌ててとりなし、慰めた。

ヒカル・・悔しいんですね。自分の力で勝てないことが・・。
彼は大丈夫、とヒカルの肩に手を置いた。
2人で力を合わせれば、逆転できます。涙を拭いて、打ち間違いしないで・・行きますよ。
2人は共に盤面に向かったー。


ーその後、席を外していた筒井が戻ってきた。
彼に気付いた加賀は、笑みを浮かべる。
あいつが勝ったぜ。

それを聞いた筒井が驚くなか、加賀はやっぱりあいつはただ者じゃないーと感心する。
この調子なら、優勝できるかもなー。
見えてきた可能性に、2人のテンションも否が応でも上がっていく・・。

そしてーあっというまに、決勝の時が来た。
相手はもちろん海王中学。
皆が注目するなか、最後の対局が始まるー。


その頃ー
アキラは校長との話を終え、校長室を出るところだった。

実は塔矢(とうや)名人も、ここ海王中学の出身だった。
父親の話を懐かしむ校長を横目で見ながら、彼はこの前の出来事を思い出す。

それは、父がヒカルと対局したという話を緒方(おがた)に聞いたことだった。
数局打っただけでヒカルが出て行ってしまったらしいので、彼らにはヒカルの棋力は計れなかったという。
それでも、父も緒方名人も、ヒカルという存在を気にかけ始めているという事実に、アキラは焦りのようなものを感じたのだった・・。、

そうして半ば上の空になっていた彼に、校長が呼びかけた。
良かったら、うちの中学で囲碁大会が行われているから見学していかないかー?

校長は、囲碁部を見ていってほしいのだろう。
入部の件を断りたかったアキラは困るが、少しだけでも・・と校長は彼を促す。
仕方なく、アキラはそれに従うことにした・・。

行った先では、中学生囲碁部による大会が行われていた。
何気なく中に目をやったアキラは、そこで意外な人物の姿を目にしてはっと息を呑む。

進藤(しんどう)ヒカルーーー?!

ヒカルはなぜか、中学の制服を着て対局している。
なぜ彼がこんなところに・・。
アキラはそのまま、ヒカルから目が離せなくなるのだった。




















実力不足。


今回はヒカルが自分の実力不足を知り、悔しさに涙をにじませた回でした。

最初は生意気な子供だなぁなんて思ったりもしましたが、今回のヒカルを見たら胸に来るものがありました。
そっか、皆みたいに打てないのが悔しいんだね。
いつのまにこんなに囲碁を好きになっていたのでしょう・・。
なんかかわいいなぁ・・って親心出ちゃいましたw

でも今は辛いけど、こういう悔しさとかを重ねて強くなっていくものです。
今回の経験だって、無駄ってことは全くなくて、ヒカルの中では経験として蓄積されていきます。
だからこれをバネに、どうやったら皆のように打てるのかを模索して頑張ってほしいと思います。

ヒカルならできるはず!!と信じています(^^)
だって彼は、囲碁をちゃんと楽しめていますからね。

今回皆が驚かされたのは、ヒカルが囲碁の中に宇宙を見ていたこと。
ヒカル独自の視点ーこれにはドキッとしました。

なんていうか・・壮大な感じがすごくいいですよね。
囲碁の世界をすごく広く捉えているというか・・その視点がすごく面白いし、目の前のことだけにこだわらない感じが、彼がこの先囲碁の世界を更に広げていってくれるのではないかー
そんな可能性を感じさせてくれました。

人それぞれ囲碁の楽しみ方はあると思うけど、ヒカルにはそんな風に囲碁の世界が見えているんですねぇ。
それをぱっと言葉にできるヒカルもスゴいし、本当この子はこれから光る原石だなぁ・・と再認識させられました。

これもまた、佐為がヒカルに引き寄せられた理由なのでしょうね。
こういうはっとさせられるエピソード、個人的にはすごく好きです。
これからもヒカルの可能性を追い続けたいーそんな気持ちにさせられました。




さて、一方のアキラ。
海王中学に来ていた彼は、そこで覗いた囲碁部の大会に、ヒカルが参加していることを知ります。

これは俄然面白くなってきましたね!
今ヒカルの対局は、佐為が戦っています。
ということは、またあの天才的な戦いぶりを彼は見ることになるのです。

恐らく海王中の三将は、負けてしまうことでしょう。
それを見たとき、彼がどう感じるかー
ここが注目すべきところですよね!

恐らくアキラは、海王中の囲碁部に興味を持つのではないでしょうか。
ヒカルは理由は分かりませんが、葉瀬中の三将として囲碁大会に参加しています。
ということは、今後もまた葉瀬中として出てくる可能性があります。

アマの大会に出ないので、碁会所で偶然会うくらいでしかヒカルと戦えないアキラ。
でも海王中の囲碁部に所属すれば、ヒカルと戦える可能性が出てくるー
そのチャンスに彼が気付かないわけはなく、また見過ごすはずもないと思うのです。

アキラの中にはヒカルに負けた悔しさはあれど、囲碁を捨てる気持ちはありません。
であるなら、必ずまたヒカルと戦いたいと思っていることでしょう。

なので今回ここで再会したことで、2人の道が交差する可能性が出てきました!
囲碁部同士の戦いー今度はそんな展開が見られるかもしれませんね。

囲碁を学び始めたばかりのヒカル。一方のアキラも、団体戦は戦ったことないはずです。
互いに新しい挑戦の中で、どう成長していくのかー見られるといいなぁと思います。

次回、アキラはヒカルに声をかけるのかな?いよいよライバル宣言が来たりするかも?
何にしても、2人が再会したということで楽しみな展開には間違いありませんね。
楽しみに待ちたいと思います。







ということで、次回は団体戦決勝戦です。
アキラが見守るなか、佐為はどんな手を打つのかワクワクします!

また他の勝負の結果も気になります!
筒井は厳しいと思いますが、問題は加賀。
彼の力は、全国トップの海王中に届くのかー?


いよいよ団体戦編も終わりですね。
ヒカルたちは優勝することができるのかー

次回も楽しみです☆