前回、囲碁部に入り、ヒカルとの再戦に向けての気持ちを高めるアキラ。
けれども彼の才能を脅威とする囲碁部の生徒たちは、彼に良い印象を抱きません・・。

一方、自分たちのペースで楽しく囲碁を打つ毎日を送るヒカル。
対極の道を進む2人。再び団体戦でぶつかることになるのでしょうかー?

感想です☆




初陣~第15局 「マネ碁」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

放課後、本屋に寄ったヒカルは、以前からせがまれていた塔矢(とうや)名人の詰碁の本を佐為(さい)に買ってやった。
喜ぶ佐為は、今ならヒカルもこの本を楽しめるだろうーと話す。

それから2人は急いで店を出た。辺りはもうすっかり暗く、早く帰らないと親に怒られてしまう・・。
そう思って何気なく電光掲示板の時計を見たヒカルたちは、その横を流れるニュースの文字にはっと目を見開く。

塔矢名人、十段制し四冠にー。
それは塔矢がまた1つタイトルを取ったというニュースだった。
ますます高みへ上がっていったのか・・。
佐為は、塔矢の凛とした佇まいを思い出す。

一方のヒカルは、アキラのことを思い出していた。
アキラはどうしてるかな・・。
彼らは共に、気を引き締め直すのだった。


海王中囲碁部。
アキラは皆が対局する横で、1人棋譜を並べていた。

部員たちはその様子が気になりながらも、誰も声をかける者はいなかった。
そこへ尹(ユン)がやってきて、アキラに塔矢が4つ目のタイトルを取ったことへの賞賛の言葉をかける。

だがアキラは興味なさそうに、礼を言うだけだった。
今のアキラにとっては、父のことですらどうでもよかった。
ただ、ヒカルと戦いたいー。
その気持ちだけで、アキラは囲碁に向かっているのだった。

・・一体どれくらい鍛えれば、次に戦ったときに自分は彼に勝てるのだろう。
アキラは、常に向かいにヒカルが座っているつもりで石を置くようになっていた。
進藤(しんどう)ヒカル、僕が目指す神の一手は、君を追うその先にあるー!!

ーその時、1人の生徒がアキラの元へ歩み寄った。
朴訥とした優しそうなその少年は、アキラに対局をお願いできないか?と声をかける。
それを見た部員たちの中に、一気に緊張感が走るー。

彼は3年の青木(あおき)という人物で、囲碁の実力は部長、副部長に継ぐ3番手。
つまりアキラにそのポジションを取って代わられる可能性が一番高いのだった。

面倒見のいい優しい人物だからこそ、自分からアキラに勝負を挑んだのだろう・・。
部員たちは、2人の対局の結果がどうなるか・・と視線を光らせる。

彼らの対局は、静かに淡々と進んだ。
そしてやがてー口を開いたのは、青木の方だった。
負けました・・。

彼がそう口にするまでは、時間もあまりかからなかった。
早い・・!
皆その結果に息を呑むなか、青木は礼を言うと立ち上がり、教室を出て行ってしまう・・。

その背中を見ていた部員たちは、アキラに対する敵意を一気に剥き出しにした。
隠そうともしないその張り詰めた空気に、1年の男子は思わず肩をすくめる。

これが憧れの海王中囲碁部?塔矢1人に、なんてザマだ!
海王の3年でも相手にならないなんて、情けない!!

そう思った彼は、ふとー妙案を思いつく。
・・これなら塔矢にも一泡吹かせられるかもしれない。
そこで彼は対局を抜け出し、アキラの元へ向かった。

驚く同級生に、彼は不敵な笑みを見せる。
勝てないけど、絶対に負けない戦法だー!

少年の頭の中には、1つの策があった。
それは、アキラと全く同じ手で打てばいいーというものだった。

アキラが右下星に打ったら、自分も右下星に打つ。碁盤の真ん中である天元を中心にそっくり同じように打つーそうすれば、負けはしない!!
彼は自分の案を名案だと自負し、アキラに対局を申し込む。

青木の次にアキラに挑んだ1年生に、周りの目は再びアキラたちの方へと向かった。
部員たちはその恐れを知らない1年生を見て、ひそひそと囁き合う。

だが彼がそんなに強くないことを知ると、皆一様に何だーと拍子抜けしたように息をついた。
おまけに聞いていれば、少年はアキラ相手に置き石もいらないと言っている。
ただの馬鹿か・・。
皆呆れて、自分たちの対局へと意識を戻すのだった。

そんな中、2人は対局を始める。
先番を取った少年は、まずは天元に黒石を置いた。
その変わった打ち手に、アキラは一瞬首を傾げる。そして、次の手を打った。

真ん中の天元さえ押さえれば、後はアキラと同じ手を打つだけだ!
少年はその手を見て、自分から見て同じ場所に次の石を置く。
彼は暫くそれを続けた・・。

その内ーアキラは、彼が何を考えているかに気付く。
これは・・。
アキラがそう口にしたのを聞いた少年は、気付いたか・・!と探るような目でアキラを見やる。

だが気付かれたところで、作戦を続けるだけだ。
彼はアキラをすっかりやりこめたつもりで、勝利に似た高揚感を味わっていた。

この手なら、お前の力はそっくりお前に返る!さあ、どうするー?!




















アキラを取り巻く思い。

今回は囲碁部で浮き始めているアキラに、同じ1年の部員が勝負を仕掛ける回でした。
やっぱりこうなってしまったか・・、となんだか悲しくなりました。
アキラ、浮きまくっちゃってるなぁ。。

青木が性格もよく、慕われる性格だったから余計にですよね。
これでアキラが団体戦に食い込むのは、ほぼ確実・・。
大将、副将を取られるかもしれないということで部長たちも穏やかではないし、他の3年や2年も機会が1回奪われるのですから、いい気持ちはしないでしょう。
まさに周り全て敵・・平気な顔してアキラが過ごしているのが、本当不思議なくらいですよ!!

またアキラのその動じなさが、皆の苛立ちを掻き立てるんだろうなぁ。
彼が部員たちに興味ないの、丸わかりですもんね。
この点は、アキラも良くないと思います。
部活動は先輩後輩という上下関係があるものなのだから、郷に入っては郷に従うこともまた必要でしょう・・。

彼がヒカルと戦うためだけに囲碁部へ入ったことは、理解しています。
でもそれはあくまでアキラの事情であって、囲碁部の他の部員たちにとっては関係のない話ですからね・・。
そこの溝が埋まらないと、ただでさえレベルが違うと遠ざけられているのに、更に嫌われることにもなりかねません。

せっかく同年代と囲碁をする経験をしているのに、純粋にもったいない気もするのですよね。
アキラがそういう経験を必要としていないようなので、どうすることもできませんが・・。

でもそうはいっても、この状況はどうにか変えたいですよね。
このままだと囲碁部で浮いたままだし、本当にいじめや無視にも発展しかねません。
いくらアキラにも問題があるとはいえ、それは辛すぎます・・。

どうにかこの状況を打開できないのかー。
見守るしかありませんが、アキラが部活動というものの意味を見直すことも必要だと思います。
本来は囲碁を学ぶ者同士・・分かり合える部分は必ずあると思うので、そこを信じたいものですね・・。


で、今回はアキラのエピソードのみだったので感想は短いんですが、最後にマネ碁について。
マネ碁という言葉があるのですね・・。初めて知りました。
本当、囲碁って奥深いものなんだなぁ。。

ちょろっと調べましたが、一応正式な囲碁の手なんですね。実際に使って対局に臨んだ棋士も昭和にはいたとか・・。
気になって調べると、知らない世界なので色々と勉強になりますw

で、ちゃんとした手法ということは、当然返し手もある訳で・・。
アキラは当然知っているのでしょうね。となると、この1年の少年もまた惨敗かなぁ(^^;)

まだまだ囲碁の言葉は分からないものばかりですが、少しずつでも詳しくなっていけるといいなぁ。
打てるようになるとは思えないので、せめて作品を読んでいる間に知識だけは増やしたいと思います。

改めて囲碁を打てる人たちはすごい・・!尊敬です!!








さて、次回はアキラがマネ碁に対抗し、打ち負かす回でしょうか。

こんなことでアキラがやられる訳がなく・・。ますますアキラの実力を皆に知らしめるだけになりそうですね。

でも部員たちのフラストレーションも溜まっているし、これはもうひと悶着ありそう・・。
アキラは団体戦まで、無事囲碁部に所属していられるのかな。なんだか、それすら心配になってきました。。

あまりに対照的な場に置かれてしまっているヒカルとアキラ。
アキラが、少しでも囲碁部に馴染み、楽しいと思えるようになればいいな、と祈っています・・。


次回も楽しみです☆