今回から、3巻です!

前回、アキラを負かすための作戦を立て始めた囲碁部員たち3人・・。

アキラを倒すためなら手段を選ばない彼らは、一体どんな手に打って出てくるのでしょうか。
いよいよいじめのようになってしまうのではないか、と心配です・・。

アキラは彼らの企みを見破り、勝つことができるのでしょうかー?!

感想です☆




前哨戦~第17局 「囲碁部をでてけよ!」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

翌日ー
海王中囲碁部の集まりに、2年の伊藤(いとう)と小島(こじま)、そして1年の奥村(おくむら)の姿はなかった。

気付いた1人に、彼らの姿を見たという女子が声をかける。
3人とも、コソコソと出てったよー。
そう言われた少年は、コソコソと・・?と首を傾げるのだった。

ー囲碁部の物置。
伊藤はそこに、アキラを伴っていた。

元は部室だった部屋は、今は物置となったが誰も管理していないため、ひどく雑然としていた。
今度の大会で女子の控室として使うから、片付けなければいけないんだー。
彼はそう説明すると、アキラは暇そうにしていたから片付けを頼むな、とその仕事を押し付ける。

けれどもアキラは快く引き受け、早速片付けを始めた。
確かにごちゃごちゃしているものの、そこは囲碁を打つ者にとってはお宝の山でもあった。

棋譜に古い囲碁雑誌、古い定石本・・。
アキラはそれを興味深げに眺めながら、ふとヒカルのことを思い出す。

初めて打ったときから感じていたことだが、ヒカルは妙に古い定石を打つ。
現代なら違う手を打つところを、彼は古い定石を使ってくる。

ヒカルには時々そういうところがある・・。
アキラはそう思いながらも、それは一見隙に見えるが、いつもその前に圧倒されてしまう。彼をしのぐには並みの力ではダメなのだ・・と、気持ちを引き締める。

その時、様子を見ていた伊藤が、口を開いた。
ついでに一局打ってもらおうか・・。

彼は机に座り、対局の準備をする。
だがアキラにはそのまま片付けを続けるように言い、途中で盤面を覗きに来るなよなーと注意した。

・・盤面を見るな?僕に目隠し碁を打て、と言っているのですか?
アキラが怪訝そうに問うと、伊藤はいやいや、と首を振った。
お前は部員なんだから雑用も手伝わなきゃいけないし、先輩の言うことも聞くべきだーってことだよ。
彼がのらりくらりとそう話すのを聞いたアキラは、でも・・と続けた。

目隠し碁は、プロにだって難しいものだ。それを打てと言うのは・・。
すると伊藤は、お前ならできるだろー?と声のトーンを上げた。

全く!お前みたいな奴が、囲碁部に入ってくるなよ!どうせ大会だって、誰もお前の相手になる者はいない。
さっさとプロになって、タイトルの4つや5つ取ってくれよ!!

それとも何だ?自分の力を誇示して、最強だって威張りたいのかー?
そう問われたアキラは、再びヒカルの姿を思い出す。
そして彼は自嘲気味に、笑った。

最強ですか・・。
彼は睨んでくる伊藤の視線に、自身の視線をぶつける。
・・最強なら、目隠し碁くらい軽くこなせ、と?

ーアキラは伊藤の挑発に乗った。
2人は早速、対局を始める・・。

伊藤が打ち、アキラは置き場所を口頭で伝えて伊藤が代わりに置く。
そうやって対局を始めると、伊藤がアキラに声をかけた。
これでお前に勝てたら、互先なんだから自慢になるよなぁ。

彼はあんまり早く自滅するなよーと笑うが、それに対してアキラは一言だけ返した。
・・自慢されるのは構いませんが、僕に勝ってからにしてくださいー。
その言葉に、伊藤はかっとなる。

言うじゃないか!プロでも難しいと言ったのは、お前だぞ?!楽しみだぜ、この一局・・。
伊藤は碁石を置くスピードを加速させた。
そしてしばらく、2人の対局は続くー


暫く経った頃、外で様子を窺っていた小島と奥村は、中の様子を見に行ってみるかーと物置へと向かう。
目隠し碁なら、あの塔矢(とうや)でも苦戦するだろう・・。
次は自分の番だーと、小島は意気揚々と中に入っていく。

だが彼はその目に映った光景に、思わず息を呑んだ。
そこには、盤面を前にうつむいたまま動かない伊藤の姿があったのだー。

慌てて盤面を確かめた小島は、伊藤が大差の中押し負けを喫したことを知る。
呆然とする彼に、アキラが声をかけた。

2人目がいるとは思いませんでしたが、打たれるのならどうぞー。

その瞳の中の気迫に、小島は気圧される。
そうか、互先で勝負するから呆気なくやられてしまうんだ。手数が少なければ、目隠し碁も不可能じゃないからな・・。

ということは、このままでは自分もやられるということだ・・。
彼が焦っていると、伊藤が立ち上がった。
そのまま外に向かった彼は、教室の前で待機していた奥村を呼びつける。

奥村、お前も一緒に打ってもらえ!
伊藤はそう言うと、奥村を小島の横に座らせる。
奥村は2人相手なんてさすがに無茶だ、と驚くが、1人では勝てないんだ!と伊藤は怒鳴る。

・・2人ですって?
これには、アキラの顔色も変わった。
それを見た伊藤たちは、そこに付け込んでアキラに迫る。
やめるって言うのか?だったらついでに、囲碁部もやめちまえ!

俺達と打てないって言うなら、囲碁部を出て行けよ!目障りだ!!

ーその言葉に、アキラは何も言い返さなかった。
・・一手目をどうぞ。
彼はそれだけ言うと、また片付けに戻る。
仕方なく、奥村も小島に続いて打つことにした。

小島、奥村の順に石を並べていく。
アキラはそれに対して、それぞれの碁盤に置く自分の石を宣言する。
しばらくその形が続き、全く乱れないアキラの打ち筋に3人は奇妙な緊張感を味わうことになった。

このままでは負けてしまうのでは・・。
伊藤は盤面を見つめながら、焦る。
だが・・中盤に差し掛かる頃、アキラの様子に変化が訪れた。
彼はなぜか奥村の盤面に打つ段になると、長考するようになったのだ・・。

奥村もそれに気づき、何で自分の時ばっかり考えるんだよー!とアキラに文句を言う。
それを見ていた伊藤は・・あることに気が付いた。

そうか・・これなら塔矢は負ける!!
彼は突然訪れた勝機に、笑みを押さえることができなかった。
これなら5分ともたず、彼は奥村に負けるーーー!!!




















目隠し碁。


今回はアキラが伊藤たち3人に、目隠し碁を要求される話でした。

伊藤が思いついた手とは、これですか・・。
わざわざ別室に呼び出して、逃げられないような状況を作ってアキラに無理を迫る・・。
これってもういじめですよね。見ていて気分が悪くなりました。

アキラも負けん気が強いから受けちゃっているけど、本来はさっさと逃げて尹先生なり3年の先輩に言いつけるべきですよね。
難しいことではありますが、アキラの性格ならできたはずなのに・・。
何とも嫌な展開となってしまいました。

これはどちらが勝っても、嫌な結末しか生まないような気がします。
アキラが勝てば3人は失意で囲碁部をやめてしまうかもしれないし、更にいじめを増長させるかもしれません。

かといってアキラに勝ったといっても、それは偽りの勝利。
3人が何かこそこそしていたことは部員たちも知っているので、いずれは何をしたか明るみに出てしまうでしょう。

中学生ゆえの浅はかな計画だからこそ、ここまで来てしまうともう後には引けない感じになってしまいましたね・・。
伊藤も小島もまだ2年だから団体戦へのチャンスはあるし、奥村なんて入部したばかり。
アキラの存在によって悪い方へ揺れてしまったけど、本来は囲碁が大好きで海王中にやってきたはずです。
それを思うと辛い・・。

でもだからといって彼らのしていることは、いじめと同じです。
それを許すことはできませんね。
きちんと怒られるべきでしょう。嫉妬は理解できても、そこから生まれる暴力を許すのはまた別の話ですから・・。

この先の展開を思うと凹みますが、それもまた戦いの世界に身を置く者の試練なのでしょう。
力の差が違うと、ここまでこじれるものなんですね・・。皆が真剣なばかりに難しいな、と今回は強く思わされました。


で、目隠し碁ですが・・これも調べたら、一応創作ではなく実際にあるもののようですね。
でもさすがにメジャーなやり方ではないようで、イベントで棋士たちが遊びでやっているような写真しか出てきませんでしたw

後は一色碁というのもあるんですね。
どちらも、棋譜を暗記するというのが前提のゲームなので、かなり難易度は高そう。
プロレベルの人が頭の回転のために練習するのには良さそうですが、決して対局でやるものではないようです。


そんな目隠し碁を、たとえ相手の実力の方が下だとしても、圧勝してしまうアキラってやっぱりすごいですよね。
更にそれを2人一辺に引き受けるのだから、負けず嫌いも相当というか・・(^^;)

奥村の盤面だけ苦戦しているのは、彼の囲碁がまだ完成していないからなのかな?
未熟な手を打つので、かえって覚えにくい・・というのはあるかもしれないですね。
実際盤面を見ていたら圧勝なのでしょうが、2人相手にしているのでどうしても理路整然としていないと記憶するのが難しいというか・・。

このままだと奥村が勝つ、と伊藤は予想していますが、果たしてどうなるか・・。
アキラの才能を信じたいですが、さすがにこの状況では不利が過ぎるとも思いますし、正直結果は読めないですね。

でも・・本当にこんな勝ち方で勝って、3人は嬉しいのかな?
改めてそのことをもう一度考えてほしいと思うのですがね・・。無理かなぁ。
どんな展開が待っているのか・・ハラハラしますが、見届けたいと思います。







さて、次回は目隠し碁の結果ですね。

小島には勝てそうなアキラですが、奥村の打つ手に惑わされている様子・・。
このまま打ち続けると、いずれ記憶が追いつかなくなる可能性もありますね。
そうなるとピンチですが、彼はこの局面を切り抜けられるのでしょうかー。

そしてこの不毛な対局の末に待っているのは、どんな結末なのでしょうか。
海王中囲碁部は、このままどんどんアキラへの思いで揺れてしまうのか・・

次回も楽しみです☆