前回、王者を追い詰めつつも尚、戦う姿勢を崩さないアキラ。
その思いはただ1つ、ヒカルに自分の力を見せつけるためでした。

そしてその思いを、見学しながら受け取ったヒカル。
2人の思いは言葉にせずとも、囲碁を通して伝わり合うのでしたー。

いよいよ決着なるか?!

感想です☆





院生試験~第50局 「王座VS.アキラ③」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

アキラは目の前の座間(ざま)という個人を相手にするというより、自分の前に立ちはだかる全ての壁に対して一手一手を打つような気持ちで対局に臨んでいた。
後ろから誰が追いかけてこようと関係ない。僕が見据えるのは、500名のプロ棋士のみ。
そしてただ前に・・進むだけ!!

彼はヒカルのことを頭の中から打ち消そうと、がむしゃらに攻めに回る。
だがその時、座間がふっと笑みを漏らした。
・・甘いな。

彼はそう言うと、盤面の一角を指さす。
俺がここを受けると思ったか?
彼はそのまま、全く別の場所に石を置く。

ーあ!!
アキラは思わず息を呑んだ。

アキラは座間に指摘された場所を決めてから、そっちの手に移るつもりだった。だが座間はその考えを読み切り、勝負をかわした。
その結果2人の攻防は、たちまち平行線に並んでしまう。

若手なら受けたかもしれない。だが今目の前に座っているのは、誰だと思っているー?
座間は意地悪く、アキラの顔を見つめる。

この結果は、アキラにとってあまりに分が悪かった。
彼は顔じゅうに汗を浮かべながらも、次の石を握るー。

そのやり取りを、休憩室の一行も固唾を飲んで見守っていた。
隙を突かれ、勝負の行方は分からなくなってしまった・・。
彼らはそのまま画面に釘付けになる。

やがてアキラと座間は、ヨセに入った。
細かい陣地の取り合いに、皆はどちらが勝っているのだろう・・と首を傾げる。

このまま形勢不明のまま、終局まで行くのか・・。
記者が何気なく呟くのを聞いたヒカルは、行くもんか!と声を張り上げる。

こんな攻め方をしている塔矢(とうや)が、このままで終わるもんか!
彼はアキラは決して諦めず、最終ラウンドでKO勝ちを狙っているはずだ、と確信していた。
だがその時画面を見ていた伊角(いすみ)たちが、あっと目を見開く。

彼らはアキラの次の一手を見て、思わず身を乗り出した。
無理だ、切り取られる・・。
芦原(あしわら)はテレビのアキラに向かって思わず叫ぶ。
深入りしすぎだ、アキラ君!王座の応手を読みきれていない!!

・・その通りだった。
その後アキラは座間に追い詰められ、投了となる。
画面でその一部始終を追っていた者たちは、皆一斉に立ち上がる。

敗れたとはいえ、アキラの対局内容は十分良いものだった!
プロ棋士たちと記者は、彼が王座を追い詰めたことを褒め称え、検討のために幽玄の間へと向かう。

一方残された院生3人は、しばらく沈黙した。
ヒカルはテレビの画面を見つめたまま、動くことができなかった・・。

それは和谷(わや)たちが片付けを始めてからも同様で、ヒカルは2人に断って部屋に残ることにする。
そして和谷たちが出て行く音を聞きながら、深くため息をついた。
その背中に、佐為(さい)がそっと寄り添う・・。

アキラは倒されてしまった。
彼が佐為以外に負けるのを初めて見たヒカルは胸にショックを抱えながらも、同時にライバルのことを誇りにも思っていた。
俺は、今日の対局のことを忘れないー。

その言葉に、佐為も見ごたえのある打ちっぷりだった、とアキラをほめる。
ヒカルもうなづき、ほほ笑む。
ああ、俺ワクワクした・・!!


ーその後2人は雪が降る中、帰宅の路についた。
2人はアキラとの思い出を振り返りながら、雪道を歩く。

ヒカルが碁に魅かれたのは、アキラがきっかけだった。
彼が佐為を追う姿のあまりの真剣さに引きずり込まれたヒカルは、それから強くなりたいと願い、ここまでやってきた。

アキラがぐんぐん前に行くから、本当に追い甲斐があるんだよなー!
そう言って、ヒカルは笑う。
アキラを追っていたら、俺名人だって何だってなれるかもな。

そのヒカルの言葉に、佐為は目を見開いた。
彼はヒカルとアキラの数奇な運命に思いを馳せ、ある考えに思い至る。

塔矢アキラは逆に、ヒカルに会わなければ寄り道などせず、真っすぐ自分の道を進んでいたことだろう。
彼は立ち止まっては振り返り、ヒカルのことを引っ張り上げていく。
実際ヒカルの成長ぶりを思うと、塔矢アキラという存在はまるでヒカルのために神様が用意されたかに見えるー・・。

佐為はそう考え、2人の少年の未来にますますの期待を寄せるのだった。




















新初段シリーズ、閉幕!

今回はアキラが座間に負けたものの、その戦いにヒカルが刺激される話でした。

アキラ、勇みすぎてしまいましたね。
でも新人プロとして先輩に挑む態度としては、とても立派だったと思います。
彼の闘志を感じたからこそ、座間もここまで本気で取り組んだのだろうし、結果は負けでも誇れる一戦でした。

でも見ている方としてはヒカルと同様、アキラでも負けることがあるんだー・・と、ちょっと新鮮なショックがありました。
まぁ当たり前なんですけどね。
プロ棋士は戦いの場に慣れているから、ちょっと圧されたくらいで崩れることもないのでしょう。

そこは王座、別格の強さを見せてきましたね。
新人に圧されるという屈辱の展開から、見事アキラの隙をつき、一気に優勢に転じる。
見事な戦いぶりでした。

こんな猛者が、プロの世界にはゴロゴロしているんですよねぇ。。ため息出ちゃう。
ヒカルにとってもアキラにとっても、壁はどこまで進んでもそびえたっているようです。

アキラと桑原とか、それこそ塔矢親子対決とかもいずれ見たいですねぇ。後は緒方も。
プロの世界の厳しさを知れる、良い機会でした。
これにくじけず、アキラには最初の勢いのままどんどん壁にぶつかって壊していってほしいと思います!





さて、そしてアキラの戦いに刺激を受けたヒカル。
彼と佐為の話、興味深かったです。

確かにアキラの運命をヒカルが変え、アキラがヒカルの運命を変えー。
佐為が結び付けた縁が、こんなに2人の世界を広げるとは思いませんでしたね。

ヒカルなんて特に、佐為に出会うまでは囲碁に興味もなかったわけで。
それが今ではプロを目指して院生です。
人との出会いで、これほどまでに人生が変わるとは、本当に不思議なものです。

そしてヒカルとアキラの運命が変わったように、佐為の運命もきっと2人に出会ったことで変わったのではないかな、と思います。
彼がここまで生きてきた理由ーそれも2人の成長を見つめていくことで、いずれ明らかになるのかもしれません。

なんだかそんな未来を予感させてくれる回でしたね。
いやでも、ルールが分からないのにこれだけドキドキさせられる勝負を描くのですから、小畑先生もほった先生も本当に素晴らしいです。

今後はプロ試験もあるし対局が描かれる場面も多くなると思うので、こんなドキドキハラハラを楽しめることが多くなると思うとワクワクもしますね。

暫くはまたヒカルのターンかな。
ヒカルがプロになるまでに、アキラはどこまで進んでいくのかー
これからも2人を見守っていきたいと思います!








さて、次回はヒカルが院生として、まずは1組を目指す話でしょうか。
アキラの新初段シリーズに刺激を受けたヒカル。
プロ試験に合格するためには、まずは1組に昇格することが必須ですね。

試験まで後半年足らずー
ヒカルはどこまで成長することができるのでしょうか?!

次回も楽しみです☆