前回、塔矢名人の研究会を断ったヒカル。
彼は打倒アキラを胸に、和谷の師匠である森下九段の研究会に参加します。

次なる目標は、若獅子戦!
それまでにヒカルは、1組の16位まで上り詰めることができるのでしょうかー?!

感想です☆




若獅子戦~第53局 「気がかり」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

1組に上がるー
そう目標を立てたものの、最近のヒカルは連敗が続いていた。

今日の対局も負けてしまい、佐為(さい)は心配そうにヒカルを見やる。
ヒカルはその眼差しに苦笑しながら、佐為に自分以外と打たせてあげられないことを詫びる。
ここ最近は1組に上がるためにがむしゃらになり、佐為のことを思う余裕がなかったのだ。

その内打てる機会を作ってやるから・・。
そう口にすると、佐為はものすごい勢いで食いついてきた。
本当ですか?!ならば私はーあの者と打ちたい!!

それは、塔矢(とうや)名人のことだった。
呆気にとられるヒカルの前で、佐為は期待を膨らませ語る。
ヒカルは、一歩ずつ棋士の世界に近づいている。すなわち、あの者にも近づいているということです!

その熱弁に圧されながらも、ヒカルは佐為の願いも叶えてやりたいな・・と考える。
自分ばっかり好きにしているもんなー。

そうしてため息をつくヒカルを見て、佐為は我に返った。
ごめんなさい、私は死なないしずっと待ちますよ。
その言葉にヒカルは、それだけ時間があれば神の一手にも近づけるよなーと、また別の息をつく。

それから、ヒカルは次の対局に入った。
その様子を眺めながら、佐為は気がかりだ・・と眉を寄せる。
ヒカル、あなたの連敗が気になる・・。
彼は目の前の対局を、じっと見据えるー。

結果、ヒカルはまた負けてしまった。それも、また僅かな差でだ。
碁盤を片付けながら、ヒカルは気が焦るのを感じる。
とにかく1組に上がらなければいけないのに、これじゃ1組の16位なんて遠すぎるー!!
彼は負け続けの理由を考えながら、うつむいて歩く。

和谷(わや)にも声をかけられたが、返事をする気にもなれず、ヒカルは気晴らしに飲み物を買いに行く。
するとそこで1組の院生たちが話すのが、偶然にも聞こえてきた。

俺、もうやめようかな・・。

そこでは1人の少年が、仲間に悩みを打ち明けていた。
彼は大学進学のことも考えなければいけないし、いつまでもここにいても見通しは暗い・・と大きなため息吐く。

それに対し仲間の少年は、気弱になるな、と励ました。
負けが込むから、そういうことを考えるんだ。1つでも勝てば、気分も晴れるよ!
その言葉にヒカルははっとし、自身を省みる。

そうだ、とにかく1つ勝って、気持ちを立て直すんだ。調子の悪いときは、誰にだってある。
気持ちを入れ替えてー・・

だが午後の対局も、ヒカルは負けてしまった。
彼が唇を噛みしめるなか、佐為もまた険しい表情を浮かべる。
また後一歩足りない。後一歩が・・。


次の火曜日。
ヒカルは森下(もりした)九段の研究会に出席していた。

今日はある局面の検討を行うことになった。
森下が並べた盤面を皆で囲み、この場合はどう返すのが上手いかーと話し合うのだ。

それぞれ意見を出すが、なかなか良い案は出ない。
そのやり取りを聞きながらも、ヒカルは土曜日の連敗を引きずり悶々としていた。
こうやって勉強もしているのに、対戦成績は落ちていく・・。

とその時、ヒカルは横で佐為がソワソワしているのに気が付いた。
訊くと、彼はこの局面に対して良い案があるのだという。

この局面、私なら様子を見ます。内からノゾくと、逆に相手の応手が難しいのです。
ツギなら軽くなりますし、押さえてくれればどうとでもサバけますー。
ヒカルはその案を聞き、なるほど・・とうなづく。

そこで彼は、佐為の案を伝えてみることにした。
ここに置くと・・。
彼が1つの場所を示すと、棋士たちの眉が動いた。

なるほど・・悪くない!
皆一様にうなづき、森下はヒカルをほめた。
ヒカルは照れながらも、横で嬉しそうにしている佐為を見やる。

やるじゃん、佐為。俺ってそんな佐為と毎日打っているんだよな・・。
彼は感心しながらも、改めて困惑する。
それなのに・・どうして自分は負け続きなんだ!!

実際、順位も下がってきていた。
2月の成績はボロボロで、また振り出しに戻ってしまった。
こんなことで、4月には1組に上がれるのだろうかー。

悩み苦しむヒカルは、思わず佐為に問う。
どうしてお前と打っているのに、ダメなんだろうー・・
すると佐為は、意外な言葉を口にした。
私と打っているからです。

その表情は、真剣だった。
ヒカルはますます戸惑い、どういうことだー?と佐為に問うのだった・・。




















不調の理由。


今回はヒカルが連敗のループに陥り、打開策を求めてもがく話でした。

1組の16位になる!と意気込んだのも束の間、そう上手くはいかないのが現実なんですよねぇ。。
でも時間もないしで、焦ってしまうのよく分かります。
ここを抜けるのが、またキツいんですよね・・。頑張れ、ヒカル!!

自分では理由が思い当たらないようですが、佐為には分かっている様子。
後一歩が足りない、というのがヒントだとすると、どこか踏み込むのを怖がっているのかもしれませんね。

囲碁を理解し皆の実力を即座に理解できるようになったからこそ、場に臆したり相手の攻めから逃げてしまう・・ということは、ありそう。
それも成長ではあるので、何とか気持ちを整える術を身につけられるといいですね。

佐為と打っているから・・というのは、どういう意味でしょう?
彼との対局に慣れて、慢心が起きているということかな・・。

逆に強い者とずっと戦ってるからこそ、負け慣れてきてしまっているとか・・?
それも困りますね。やっぱり技術の問題というより、今回の件はメンタルが関係しているように思われます。

次回、佐為の口から理由が語られるのでしょうが、それをヒカルが消化して改善していけるかーの方が大事です。
そこに成長の鍵が必ずあるはず!

ギリギリではありますが、まだ1組に上がって16位まで上り詰めるチャンスが失われた訳ではありません!
絶対に行けると信じています。ヒカルの底力に、期待です!






さて、後は院生について思ったことを。

今回、1人の少年が院生を辞めるか・・と悩んでいました。
長く院生でいると、誰もがぶつかる壁なのかもしれませんね。誰にとっても他人事ではない悩み・・。
限られた時間の中で戦うというのは、厳しいものなのだなぁとつくづく思わされます。

次のプロ試験を終えたら、抜ける子も一定数いるのでしょうね。
伊角のように期限が来る者もいれば、限界を感じ諦める者もいる・・。
厳しい勝負の世界のことです。そういうサイクルが、毎年起きているのでしょう。

こうやってヒカルと共に院生たちの努力する姿を見ていると、どうしても全員にプロになってほしくなってしまいますが、そうは行かないのが歯がゆくもあり切なくもあります。
でも門戸が狭いからこそ、人はその世界に魅了されるものだとも思うし、囲碁の世界はその熱意によって成り立ってきたのだとも思います。

佐為のように何度も囲碁に巡り合えるのは奇跡で、ほとんどの人は短い人生の中で囲碁のために戦い生きてます。
その中で勝ち抜いて高みに上る者もあれば、力尽きて夢諦める者もいる・・。
そのことを思うと、なんだか世の中の儚さというか曖昧さを思わずにはいられませんね。

今年は誰の夢が叶い、誰が夢破れていくのか・・。
ヒカルのみならず、皆の行く末も見守っていきたいと思います。

若い子たちが夢のために奮闘する姿は、どうしてこうも輝くのでしょうね。
老人みたいな感想になってしまったところでw終わりにします。








さて、次回はヒカルが自身の弱点に気付き、克服のために切磋琢磨する話でしょうか。

佐為から語られるヒカルの不調の理由。ヒカルはそれを自身でちゃんと理解し、打開策を打つことができるでしょうか。
ヒカルの成長が期待されますね。

ここが1組へ上がるための分岐点となるのかもしれません。
不調を乗り越え、1組へ上がれることを祈っていますよ!


次回も楽しみです☆